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出演 宮沢りえ 古田新太 藤井隆 美波 野田秀樹 橋爪功 会場 東京芸術劇場中ホール ・・・・・・・・・・ ある書道教室。 そこでは、入会する人にみずからの資産を 自筆で寄付する証文を取るいかがわしさを持っていた。 教室の家元はギリシャ帰りでギリシャにかぶれていた。 写経をギリシャ神話に変えてしまうくらいだった。 そしてその教祖は 野田さんお得意のダブルミーニングで 小銭を頂戴の『give me change』を 変化をしたいと取り違えて、ホームレスを殺したの言うような教祖だった。 そこに入会し出てこなくなってしまった息子を救おうと忍び込んだおばさんと、 自分の弟がジャーナリストとして 筆一本で内部から教室の本質を明かそうと 入り込んで出てこなくなった入ってしまった為 忍び込んだ若い女性がいた。 若い女性に目を奪われた家元は 一文字書いてあげようという。 女性が求めたのは、弟がすがった袖と言う字。 でも、教祖は示偏で書いてしまった為、それを神と書いたと言う。 紙を使った教組が神とかく。 このあたりも野田さんのダブルミーニング。 書道教室は、少しづつカルト化していく。 逃げ出そうとした会計責任者に対して 自筆の遺書を書かせ、窓から飛び出すように言う。 結果は助かるのだけれども。 息子を救おうとするおばさんは、教室を破門され外部から 教祖に気に入られた若い女性と内通しながらも マスコミと通じ、書道教室攻撃を始める。 同じように文筆の力で圧力をかけるマスコミと 筆の力で抵抗する書道教室。 カルト化を加速させる教室はついに『信』の文字を掲げて、 秋葉原を歩き、教団の暴走に気を違えた教団の古参幹部に 遺書を書かせて、殺害する。 あわせておばさんの息子と若い女性の弟の間で 殺し合いをさせる。殺したものと殺されたもの 被害者の間でも立場が微妙に入り組む。 そして最後に、教団はその「俤」「儚」「幻」を掲げて 筆の力で世界を変えようとし、8時9分サリンを散布する。 ・・・・・・・・・・・・・ この話、最後になるにしたがってオウム真理教に重なっていく作品なのだが はじめのうちは、昔あれほど古事記や日本書紀から題材をとっていた野田さんが ギリシャ神話でオウィデウスの変身物語などに題材をとって 話を進めていくのはめずらしいなあと思った。 当然、オウムの件は許されるべきことではないのだけれど 野田さんのメッセージである、マスコミや例えばインターネットに代表される われわれ側の筆の力も、だいぶ危険であると言うのはよく伝わる。 オウムのことはだいぶ昔の話になったけれども 筆の力というのは遠くて、近い話だ。 それはそうと、遠目の席で見たのでそんなに 演技の細かいところまでよく見えなかったのだけれど 宮沢りえの圧倒的存在感と、藤井隆が意外にもうまいなあと 古田さんの教祖っぷりも、はまり役。 そして、この芝居、エキストラのひとの動きなしでは語れない。 このあたり「パイパー」にも似ている。 奥秀太郎さんの映像も今回は多めに使われてて これも、あの人だとすぐ分かったけど、はまってた。 2時間の芝居。いつもの野田さんのようなダイナミックさはないけれど
池袋の町を見ながら、ゆっくり考えさせられてしまう、そんな芝居。 たぶん、たぶんだけれど、来週の終演後は駅前で まさに選挙応援が佳境を迎え、政治の一歩間違ったときの危険さを感じる そんな街なのだから。 |
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