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2 水銀の有毒性

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 現在、アメリカでは有機水銀に関する裁判が続いている。
訴訟を起こしている人は、自閉症の患者さんたちで、訴訟の相手は製薬会社である。
訴訟内容は、ワクチンの防腐剤として使用されているチメロサールが自閉症の原因となっているという主張であり、チメロサールの主成分であるエチル水銀が論争の中心となっている。

 裁判のきっかけは、バーナード博士たちの研究発表である。
一方アメリカ議会の証言に出席した医者や研究者たちが、
「エチル水銀が、子供の脳の発達障害に関与している」と証言した。
現在(2006年6月)も裁判は続いている。

 しかし、アメリカ政府はとりあえず「ワクチンにエチル水銀を使用しない」方針を打ち出し、
その後のアメリカ遺伝センターのガイアー所長たちによって
「水銀を体内に取り込む量が多くなれば、自閉症になる可能性が大きくなる」との趣旨論文が発表され、チロメサール不使用に向かいだした。

 最初は、心の病気のように受け止められていた。
しかし、現在では、脳の機能障害か発達障害によって起こる症状であると説明されるようになった。
世界保健機構(WHO)でも、こうした考えかたに立って、自閉症の診断基準を定めている。

 自閉症と診断される子供たちは、日本でも増えていると報告されている。
2004年3月にTBSが「報道特集」で自閉症とワクチンの問題を取り上げたのをきっかけに、
有機水銀と自閉症の関係について論議が続いたが、関係した厚生労働省、医師会、学会は
「自閉症とチメロサール、すなわち有機水銀の関係は十分証明されていない」との見解を発表し、
現在でもチロメサールを含んだワクチンが、野放しで使用されている。
ただし、製薬メーカーの一部で、チロメサールを含まないワクチンを製造したり、
含有量を減らし対応しているところもある。

 サリドマイド事件、水俣病のときと同じ歴史が展開されている。
「危険が証明されないから安全とする」の考えかたによって物事が判断され続けている。
「安全が証明されない限り、危険の可能性がある」という考え方は、
なかなか日本の社会では定着しない。
その結果、「何もいえない、聞かされない」弱者や、子供たちが意識のない大人社会の負を背負って、
生き続ける事になる。

 有機水銀が胎児の脳の発達に大きな障害を与えることは、水俣病で確認済みである。
だから「日本こそ水銀の問題を取り上げ、世界に警告を発してゆくべきである」
日本が新しい歴史の流れを変えなければ、
未来の子供たちが、今以上に苦しむことを予想しなければならない。
こうした考えに立てば、取り組むべきことがはっきりしてくる。
それは、大きく二つに分けて考えることが出来る。

一つは、
有害と考えられる物質を「取り入れない。使用しない」という安全な生活が送れるように努力すること。

もう一つは、
どうしても侵入してくる有害物質を体の外に排出する工夫をすることである。


こうして問題を捉えてみて気づいたことは、人に有害な物質は、環境にも有害であり
安全なもので自分や家族や特に子どもたちの健康を守る姿勢が、
環境を壊さない環境を守ることにつながり、「健康と環境」を別々に捉えてゆくことは出来ない。



「地球に優しく」「地球上の全ての命を大切にしてほしい」
                http://home-yasupapa.pya.jp/
 水銀とは、銀色をした重金属で常温では液体の状態で存在している。
この液体水銀の膨張や収縮を利用して、温度計や血圧計が作られる。
液体水銀は自分たちでまとまろうとする力が大変強く、
こぼれても水滴のように丸くころころして存在する。この水銀は有機物と反応して化合物になる。

 特にメチルアルコールの基になっているメチル基と呼ばれるものにつきやすく、
簡単に有機水銀が誕生する。これがメチル水銀と呼ばれる水俣病の原因になった物質である。
また、エチルアルコールの基になっているエチル基につくと、
エチル水銀となりインフルエンザや日本脳炎などの予防接種を行うワクチンの防腐剤として
使用されている物質である。

 このワクチンの中に含まれるエチル水銀から作られる「チメロサール」という防腐剤が、
自閉症の原因になるとして、アメリカでは裁判が続いている。
一般的に、有機水銀と呼ばれ警戒する物質は、この2種類と受け止めておけばよいと思う。
もちろん他の化合物も存在している。

 以前は、学校の保健室には「赤チン」と呼ばれる消毒薬が常備されていた。
この赤チンの主成分は水銀化合物である。
水銀は神経に作用して痛みを押さえる働きも持っている。
赤チンを使うのは殺菌目的と同時に痛みを抑えるためでもある。
年配の方ならほとんどの人が赤チンのお世話になった経験があると思う。

 だが、水俣病をきっかけに、水銀の持つ毒性が指摘され、この水銀の神経に作用する働きが問題となり、学校の保健室から赤チンは消えていった。
しかし、水銀は殺虫剤や殺菌剤として現在も利用されているのは、原料が安くて効果的で、企業に大きな利益をもたらすためといわれている。
こうした殺虫、殺菌目的に使用した有機水銀は、呼吸器などで吸収されると
「システイン」というアミノ酸に結合し、消化器管から栄養分と一緒に吸収され体内の腎臓や肝臓に蓄積されると同時に、脳に達するといわれている。

 人間の脳は、生命を維持するコントロールタワーであり、そこには血液脳関門と呼ばれる、
脳を有害な物質や毒物から守る仕組みが存在するが、
システインについた水銀はこの関門を通過してしまうと言われている。
「危険食品読本」(椎名玲・吉仲由紀著、文春文庫)では、
国立水俣病総合研究センターの坂本峰至部長のコメントや、
熊本学園大学社会福祉学部の原田正純教授のコメントが詳しく記載されている。

 一部を紹介すると「メチル水銀による健康障害は、神経症状が主な病状です。
病状の程度は、取り込んだ量や時期、年齢によって異なってきます。
かっての水俣病のように成人の中毒症状が感覚障害(じんじん感、触れられても感じにくい)や、
小脳失調(まっすぐ歩きにくい、動作がスムーズに出来ないなど)、視野障害、聴覚障害であるのに対し、胎児期にメチル水銀中毒が起こると脳性麻痺や知能障害が起こります」とある。

 分からない、知らないということは、なんと恐ろしいことなのか。
赤チンに含まれている水銀化合物が、こんな問題につながっていることを私たちは知らなかったし、
知らせてもらうことも出来なかった。
また、
「妊婦が微量の水銀を摂取することによって、へその緒から水銀が移行して、子供に集中力や注意力、
記憶力が乏しかったり、細かい運動が出来ないなどの機能障害が出るというレポートはすでに発表されています。日本は水俣病の教訓がありながら、なかなか妊婦に注意を呼びかけようとしなかった。
昔から国民に対して情報提示が正確でなかったことが、一般消費者の恐怖をあおる結果を引き起こしてしまった。」とある。

 こうなると、誰もが聞き流して終わるわけにはいかなくなる。有機水銀汚染の問題は、
お母さんの胎盤の問題になり、最後には胎児である赤ちゃんの問題になってゆく。
水俣地域の人たちだけの問題でなく、全ての子どもたちの問題であり、未来への問題です。



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      環境の破壊を目の当たりにした大きな社会問題、後世への警告もかねて、
          風化させないように、気持ちを引き締めていただきたく、
            水俣での有機水銀の悲劇を残して起きます。
      有機水銀を理解していただくために、水俣病について少し知ってください。
 

 公害病の中で脳障害がはっきり現れたのは水俣病です。現在は公害病と認定されているが、認定までの経過は困難を極めた。

報告では、最初に水俣病特有の症状は、運動機能障害で猫に現れ、ふらついて歩いたり、後ろ足が立たなくなり始めた。 やがてこの機能障害は、水俣地域の多くの人に現れだした。
視野狭窄(しやきょうさく)といって、目の見える範囲が狭くなったり、猫と同じように足がふらつき、
きちんと歩けない人が次々増えていった。
なかには熱いものに触っても、とっさに手を引く動作が出来ず火傷をする人も出てきた。
さらに、耳の機能がが不自由になったり、言語障害を起こす人まで出始めた。

 こうした現象に対し、人々は水俣湾で取れる魚介類に原因があるのではないかと考え始めていた。
そして、脳障害のある子供たちの誕生が始まり、多くの子供たちが重い障害とともに生まれた。
専門的には、重度重複障害と呼ばれているが、知能障害・運動機能障害・視聴覚障害・言語障害など、
障害は複雑に絡み合って、大変重い障害が多かったと報告されている。

 地域の人たちは、水俣で操業している化学工場の排水が問題と指摘したが、行政も企業も一貫して否定し続けた。中でも日本化学工業協会は、日本社会の発展に果たしてきた役割を強く強調し続けた。

1956年、熊本大学の医学部研究グループが、水俣で発生している不可解な病気の原因が地元企業の工場排水であると発表する。さらに、1959年には水俣病の原因が、工場排水中の有機水銀であると発表。これは、日本の国立大学医学部としては、異例の発表である。
なぜなら、日本の医療は、石油化学による合成化学物質を薬として利用しながら発展してきたからである。

 このとき、熊本大学の医学部研究グループが名指ししたのは、地元企業の化学工場で、この工場では化学製品を製造するため触媒として水銀を使用していた。
「触媒とは、化学反応を手助けする物質と理解してほしい」
そしてこの水銀は化学反応を助け、最終的にはメチル水銀と呼ばれる有機水銀となって、工場廃水と共に処理され、水俣川から水俣湾に流れ出し、魚介類を汚染していった。

 熊本大学の指摘に対し、いろいろ反論も出た。
化学工業関係者からは、旧日本海軍が大量投棄した爆弾説や、魚が腐ったときに発生する有害物質(マミン)説など自己防衛説が飛び交った。生産する立場、使用する立場、利益を優先する立場は、何年経っても、現在でも強調され続けている。

 しかし、熊本大学の医学部研究グループの主張は一貫していた。住民の毛髪や、水俣湾の魚を食べていた猫を対象に、水銀の蓄積度合いを分析し続け、地域で発生した神経障害のある人や猫には、高濃度の水銀が蓄積されている事実を確認し公表した。さらに、この化学工場排水からメチル水銀を検出して、猫に与える実験の結果、水俣病の発症が確認された。
水俣病をきっかけに、有機水銀の怖さが日本社会の中に知られたが、なぜ、放置され続けているのか不思議に思う。

 合成化学物質優先の社会生活が続く限り、日本で生活する全ての人が、
何らかの問題を抱えることになる。
生産する人、消費する人、立場を守ろうとする人誰もが気が付いている筈なのに、
「サリドマイド事件」でもはっきりしているのに。
現在でも微量の有機水銀汚染は続いている。
そしてその汚染地域は、日本全体と受け止めてもよいと思う。

 日本各地で起きた公害問題や近年多発している薬害問題は
「危険が証明されていないから、問題ない」との姿勢や、
管理監督する立場の人は、常に危険から遠ざかって生活している人たちである。
「こんなことを続けていては、いつか日本は破滅してしまう」ということを、
行政も企業もしっかり認識してほしい。

 水銀は地球の環境を循環しています。
地表からは絶えず蒸気となって上昇し、また産業活動によって大気中に放出されます。
大気中の水銀蒸発は雨に洗い流され、河川によって最終的には海に運ばれます。
そして、海水に溶け、生物濃縮を経て有害なメチル水銀に変化していくのです。

 水銀の世界での分布は一様ではなく、火山国でしか産出されません。
火山に多い硫黄に水銀との親和性が高いことがその理由なのですが、
日本は世界有数の水銀産出国でした。

 このように普段の生活や食物連鎖で私たちは水銀を体に取り込んでいますが、通常の生活範囲では、
体が除去するので大きな問題にはならなかったのです。
しかし、科学の発達と共に水銀が多く使われるようになりました。
これは化学成分の抽出に必要だからなのです。
結果、抽出成分に残留したり、廃流処理されたりしたのです。
そして廃流処理が、水俣病の原因でした。

抽出成分のものは合成品や添加物として生活の中に入り込みます。
現実に今でも多くの添加用の成分は、水銀を利用して製造されているといわれ、
その廃流処理は、多少は浄化などの工夫をしてはいるものの、
処理後に集めれれた水銀は土の中に埋められるかドラム缶などに入れられ、
海中投棄されているのが現状です。
世界の国々は監視を強めているとは言うが、地球上の監視しきれない場所で、
おこなわれていることを監視し地球の安全を守ることは出来ない。


     あなたに健康で元気でいてほしい。だから知ってほしい。

      学校の教育で教えてもらえないことや、知らされないことの多くを、
             「生きるための知識」として受け止め、
      子どもたちや孫たちに、そして多くの人たちに教えてあげてほしい。

水俣病関係学術資料
     http://www.lib.kumamoto-u.ac.jp/suishin/mercury/index.html





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