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Peaceful Day 〜今に生きる〜

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 2017年5月28日(日)、76歳という高齢にも関わらず、タンザニアで一人でボランティア活動をされている桑波田 恭行さんの活動報告会(後編)です。桑波田さんは70歳を過ぎてからタンザニアに渡り、以来現地の孤児院で多くの子供たちのために精力的に活動されています。(前編はこちら



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ーーそれでは、この前までタンザニアで一緒に活動されていたIさんにお話を聞きたいのですが、向こうの状況はいかがですか? 孤児院の雰囲気とか。

Iさん:
 孤児院の雰囲気は桑波田さんが本当に慕われていて、町中でも一緒に行動していると数えきれないぐらいの人が桑波田さんのことをバブ、バブと声をかけていました。子供たちも桑波田さんがムサマリアに入っていくとワーッと集まってきて。
 ただ、飴ちょうだいとか、お肉買ってとか、新しい靴買ってとか、鞄が破れたから新しいの買ってとか、頼みごとは全部桑波田さんにしたほうがいいとなってて、ムサマリアの上の人たちもその方がいいと思っているみたいです。桑波田さんに頼めば何でもやってくれるだろうという雰囲気がありました。

桑波田:
 Iさんは学校にも一緒に行ってくれて、タネスコとの交渉もしてくれて。僕は現地の言葉が話せるとみんな思っているかもしれないけど、これが話せないんです。むしろそれを自慢するぐらい(笑)。それで僕がタネスコに行くときに一緒に来てもらって、すぐに工事が始まるかと思いきや、やっと見積もりが来てこれから交渉が始まる段階だったということが分かったんです。
 帰国間際には園長との通訳をしてもらって、それで土地の問題があるということが初めて分かったんですよ。僕に言っても分からないから、園長も今まで言えなかったんですよ。そういう意味では園長もチャンスだと思ったんでしょうね。何とかドイツの後を引き継いでもらいたいと。
 それと食糧の問題があるんですよ。100kg単位で買うので僕が買える金額じゃないんだけど、実はこうして日本から支援してもらっていることをまだ言ってないんですよ。支援金があることを知られると、お金がいくらでもあると誤解されちゃうから。
 だから、日本からボランティアで来る方がいるときに、その方に食糧を買ったことにしてもらってます。そうすれば日本人が来たときに買ってくれるんだと、向こうで誤解してくれるから、いまはそういう方向で援助しています。そうしないと大変なことになっちゃうから。

ーー去年タンザニアに行かれたAさんはいかがですか? 向こうではカレーを作ったとか。

Aさん:
 私は夏季休暇を使って10日間ぐらいしか滞在していないのですが、現地を見て、あとは私の職業柄というか、子供たちの服をたくさん持っていったのですがとても喜ばれました。現地ではご飯はあまり食べていないようでした。でもすごく印象的だったのが笑顔が明るくて、タンザニアののんびりした雰囲気が逆に日本の子供たちよりいいな、と思いました。
 また地元の子供たちはけっこう町をブラブラしているというか、結局就職できずにストリートチルドレンを生むお母さんになっていたりとか、犯罪率も高いとのことで、そういう悪い連鎖が起きているのかなと感じました。やっぱり桑波田さんが個人で職業訓練をしたりとか、将来的にはムサマリアの卒業生たちが就職できるように何か支援したいと思いました。

ーーありがとうございました。それとアフリカを自転車で回られていたMさんが参加していますが、アフリカの状況はいかがですか?

Mさん:
 そうですね。確かにケニアよりはのんびりしてますけど、タンザニアはやっぱり貧しいですね。

桑波田:
 ケニアとは差が付いちゃったよね。昔はイーストアフリカといって3国でひとつの国だったのに、それぞれが独立したときにスタートの時点から違ったんですよね。ケニアはイギリスの重商主義をとったけど、タンザニアは共産主義をとったから。だからマラリアに罹って病院に行ってもケニアみたいにいかなかったんじゃないですか?

Mさん:
 そうですね。診療台と薬代で200〜300円ぐらいで安かったですけどね。でもザンビア(タンザニアの南西にある内陸国)の場合はほとんどタダでしたから、ザンビアは恵まれてました。ただ人が少なくて仕事はなかったです。いつ売れるか分からない薪を並べて、車が通るのをただ待っているような状態です。でも焦っているような感じがなくて、のんびりしてました。それに比べるとタンザニアは人がたくさんいました。

桑波田:
 戸籍制度がないからどのくらい人がいるか分からないですけどね。モシの町の人口はおおよそ2万人ぐらいと聞いたけど、どんどん孤児が増えてますから。本当は親が責任を取ればいいんだけど、無責任もいいところです。だからまず孤児を少なくするための一歩として、戸籍制度を作れば孤児はかなり減ると思いますよ。
 一応国営というか州立の孤児院もあるんですよ。アマリセンターということころが運営していて、立派な建物に50人ぐらい収容しているんですが、そこに入れないから民間で支援しているんですよね。だからその周辺だけでも民間の孤児院が4軒ぐらいあります。役所で聞くと18軒あって、孤児は300人と言ってましたがとんでもないです。恐らくその10倍ぐらいは孤児がいると思います。僕が歩いて回っただけで200人ぐらいの孤児を見かけましたから。
 孤児の人数を役所でも分かってないんですよ。だから僕がいるムサマリア孤児院は氷山の一角です。でもムサマリアに入れたのは運が良かったと思いますよ。他の孤児は可哀想ですよ。恐らく食べ物もロクに食べさせてもらってないと思いますよ。僕がたまたまムサマリアに入ったから、そこの子供たちは幸せかもしれないけど、それじゃあまりにも不公平だから、本当は全体を見なければいけないんだけどね。

 だから、本当は一緒に行くTさんにJICAのスタッフとして現地に赴任してもらって、政府に入って調査してもらいたいというのが僕の希望なんです。役所の代わりに調べてもらえば、どう支援すればいいのか考えられるので。
 でも向こうの政府にしてみれば知られたくない、見られたくないというのもあるんですよね。それを調べられるのは向こうとしても困ると思うけど、それで改革してくれたらこっちも大分楽になるんですよね。ですからムサマリアの40人ぐらいを支援しただけで満足してはいけないと思うんですが、本当は全体を引き上げてあげないと変わらないですから。このままだと何で人間として生まれてきたんだって恨まれちゃいますよ。
 以前水道局に文句を言いにいったことがあって、水の請求が68万シリング(約3万4000円)も来たんですよ。それで水道局長に会って、孤児院なんだから水ぐらいタダにして欲しいと。せめて半分にしてくれといったら半分になりましたよ。そのように現場から政府に働きかけて支援する方向に持っていければいいと思うんですよね。
 電気代もそうなんですよ。国営なんだから孤児院は特別に補助してくれてもいいと思うんです。学校だって公立なのに授業料を取ってるわけだから。でもそういう風に働きかけていけば、役所も少しずつ分かってくれると思うんですよね。外国から支援を受けているのに、政府は何も支援してくれないわけだから、せめて孤児院だけでも援助してくれればいいんですけどね。


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ーー桑波田さんの生活についてはいかがですか? 相変わらずの行水ですか?

桑波田:
 そうです。この写真は落ち葉を拾ってきて畑に埋めているところです(写真右下)。そうしないと土が固いので、畑はツルハシで起こして、そこに落ち葉を敷き詰めて肥料を作るわけです。

ーーそれでは次に孤児の方が40人近くいるわけですが、なぜ桑波田さんが孤児のプロフィールを作ったのかというと、実は一人ひとりの学費を日本で奨学金にできないかと考えているところです。それを中学生まで対象にするのか、また職業訓練も対象にするのかということを考えていきたいと思っています。
 では、この3人の子供たちがどういう状況なのかということを桑波田さんからご説明をお願いします。



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桑波田:
 右の女の子は姉妹で入ってきたんですよ。この子はお母さんが精神病で行方不明で、ここに引き取られてきたんです。普通だったらお母さんがそういう状態だと暗くなると思うけど、この子は明るいんですよ。だから何でもしてあげるんですけどね。散髪に行きたいといえばすぐに連れていくし。明るいから僕も救われています。
 次に真ん中の女の子。この子は双子で入ってきたんですが、最年少でまだ幼稚園です。この子も可愛くて、僕が年賀状のために写真を撮ったとき、一番前に来ておちゃめな格好をするような子なんですよ。
 左のオクタっていう男の子は、僕に懐いていて一緒に畑仕事をしたりします。日本に連れていってくれっていうんだけど。そういう風に優秀な子がいたら集中的に面倒を見て、上の学校に行かせるということも考えないといけないのかなと思いますけどね。
 だけど、僕はムサマリアにいる45名の中から、落ちこぼれを出してはいけないと考えています。ただでさえ両親がいなくて寂しいのに、さらに差別されたら生きていくのが嫌になっちゃいますよ。だから平等に扱うようにしていて、例えば飴玉をあげる場合も、分け隔てなく全員に配るようにしています。

 以前、お母さんと生き別れた子がムサマリアに入ってきて落ち込んでいたら、女の子がなんで泣いているの? って声をかけているんですよ。お互いに分かっているんですね。今でもその子はムサマリアにいて、最初は暗く沈んでいたけど、今では明るくなってね、町まで一緒に連れていって買い物したり、アイスクリーム買ってあげたり、ご飯を食べたりして、なるべく明るくなるように接していたら、その子はムサマリアのみんなと打ち解けて笑い合っていて、それを見てああ良かったな、と。そういうことで僕は感激してるんです。そういう風に子供たちと接しているんです。
 だから子供たちは何でも言ってきます。遠足に行くからお小遣いが欲しいとか。お小遣いといっても、草原のブッシュみたいなところで、店なんて何もないのに何でお金がいるんだってね。でもやっぱり子供だから町で自分の好きなお菓子を買っていくんですよ。
 床屋も全員を連れていって頭を丸坊主に刈るんだけど、大して高くないけどキリがないから、僕は電気バリカンを買いましたよ。それを持っていって、一緒に行くTさんに散髪をお願いしているんです。だから彼女はみんなを坊主頭にしますから(笑)。

ーーいまは支援してくれた皆さんにお礼のハガキを送って頂いて、たいへん喜んで頂いているわけですが、今後は子供たちの情操教育も兼ねてですが、ハガキの裏に絵を書いて頂いて、それを日本に送るということを考えています。でも向こうのクレヨンと紙がとても質が悪いとおしゃっていましたが…。

桑波田:
 それは事務局のSさんのブログを見て、Tさんがすぐに買い揃えてくれました。色鉛筆とクレヨン、それとハガキも200枚ぐらい。それを全部持っていきますから大丈夫です。現地にも安くて大量にあるけど、中国製でとても質が悪いんですよ。

ーー今後についてですが、いま頂いている資金につきましては主に食糧支援に使っていくわけですが、先ほど桑波田さんの話にも出てきてましたが、例えば学費も支援金で援助しますと、ムサマリアでも一生懸命集めているお金があるわけですが、子供たちのために使わなくなるかもしれないので、基本的には孤児院側でやって頂くつもりです。
 こちらとしては食糧支援に加えて、桑波田さんが始めようとしている3つの事業ですね。農業、養鶏、製粉工場、それから職業訓練といったことを支援して、自立を促していくと。
 ただ先ほどの話にありましたが、臨時に子供たちが入ってくると、学費を払ってくれる人がいないんですよね。今までは桑波田さんが制服や靴などを買ったりしていましたが、それは臨時支出ということで今後は支援していこうと思っています。


桑波田:
 僕が気をつけているのは、向こうにスポンサーだと誤解されてはいけないということです。例えば食料を大量に買うときは日本人が来たときだけにすると。普段は買えないということを理解してくれるように、いろいろな策を講じています。今夜タンザニアに向かいますけど、一緒に行くTさんが買ったことにするつもりです。そういう風に日本から誰かが来たときに利用させてもらいますので、どうか皆さんいらっしゃって下さい(笑)。
 僕がいま住んでいるところは部屋が2つしかなくて狭いんですが、以前住んでいたところは部屋が4〜5つあって広かったんですよ。8月からそこに戻りますから、孤児院の現状を見たいとか、ボランティアしたいという方がいましたら、8月以降にいらしてください。その頃には引っ越してますから。

ーー桑波田さんへの連絡の取り方ですが、ホームページにも何度かお知らせしていますが、桑波田さんとは主に手紙か電話でのやり取りとなっています。ホームページに現地の電話番号を載せていますので。
 それから荷物についてですが、大きなものを送ると向こうで税金がかかりますが、普通のサイズでしたら大丈夫です。


桑波田:
 僕のために煎餅とかいろいろなものを送ってくれる方がいらっしゃって、僕自身のことを気遣って頂くのは恐縮するばかりなのですが、本当は子供のために何かを送って頂いたほうが僕としては嬉しいです。今回は安い煎餅を大量に持って帰ろうとは思っていますが。
 この前も破れたボロボロのシャツの映像を見たら、新しいシャツを大量に送ってきて頂いたり。テレビの影響は大きかったですね。

ーーあと私たちタンザニア孤児支援の会というのは、皆さんからいろいろなご意見を頂いていますが、基本的には桑波田さんが現地で一人で行っていることなんですね。会計に全部領収書を付けてくれとおっしゃる方もいたのですが、それは難しいので基本的には桑波田さんが活動しやすいように資金を集めてお送りして、桑波田さんには先ほどのように大枠だけご報告頂くという形にしています。
 毎月の会計報告はさせて頂いていますが、これ以上は詳しくご報告できないということをご了承下さい。最後に今後の計画についてですが、派手に活動しても仕方がないので、コツコツと行っていくと。



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桑波田:
 僕も一年前でしたら畑を一人で耕したんですが、もう76歳になって最近は体が動かなくなってきたので、いまは人を雇って耕しているんですよ。でも一週間いくらって決めても、お金を渡したら一日だけ働いてあとは来ないです。そういう人たちばかりなので、こちらもいろいろと作戦を練らないととは思ってます。
 それよりも、僕はいまや歩くのも精一杯なので、誰かに僕の跡を継いでもらいたいです。みんなに可能性はあるんですよ。自分の年金を自由に使えて、体に問題がなければ向こうで生活できますから。年金の半分を支援に使って、あとは自分の生活費にできますから。


「質疑応答」〜なんでも遠慮なくどうぞ〜


ーーそれでは他にご質問などはありますでしょうか。こういうことをしたらどうだろうか、といった提案などもありましたらどうぞ。

参加者Aさん:
 向こうは品種が違うと思うんですが、麹菌があれば甘酒が作れると思うんです。甘酒は飲む点滴と言われていて、冷やしても美味しいですし、もしかしたら売れるかなと思ったのですが。

桑波田:
 以前ドドマで日本人が大学イモを作っている人がいたんですよ。でも現地の人からすると甘すぎて、やっぱり美味しくないらしいんですよ。いろいろと試行錯誤しているみたいですけどね。でもその人は自分の事業としてやってますからね。恐らくワークパーミット(労働許可証)を取ってやっているんでしょうけどね。
 僕の場合は個人のボランティアですが、そういう人もいるんです。事務局のSさんにカンボジアでお菓子を作って大成功したという話を聞いて、ビスケットみたいなそういうお菓子を作れないかと思ったりするんですが、そう簡単なことではないですよね。タンザニアにもビスケット工場がありますし。
 何か奇抜なアイデアがないと、既存のものでは難しいかもしれません。それに国全体が貧乏だから、大した商売にはならないかもしれません。

参加者Bさん:
 JICAの協力隊員に桑波田さんの知り合いはいらっしゃいますか? 協力隊員との付き合いがあれば、JICAとの繋がりができるのではないでしょうか。

桑波田:
 ほとんど学校の先生ですが、現地に50人ぐらいJICAの隊員がいます。近所のレベルが高い中学校、ラウセカンダリースクールにも女性が一人います。でもその方は6月で2年経つから、もうすぐ帰国してしまいます。以前ご飯でも食べに来ないかと声をかけたことがありますが、多分僕はお爺ちゃんでも男だから、なかなか来てくれないわけですよ(笑)。本当はなるべくいろいろな情報を得るためにも広く付き合いたいんですけどね。

参加者Bさん:
 JICAを動かすためにはタンザニア政府を動かさないとならないとなると、例えばタンザニア政府から貧困調査のための調査団を出してくれ、という要請書を日本大使館に出させればいいんですよね。それが一番手っ取り早いかもしれない。JICAも国の組織ですから。

桑波田:
 その要請する用紙をJICAからもらってきているんですよ。それをマニスパ(Manispaa=自治体)の役所に書かせて、一人ボランティアを入れてくれという交渉をしようと思って、ダルエスサラームのJICAに相談してみましたが、例えばTさんをボランティアに指名してくれと言ったらダメでした。
 要するに公平じゃないから。タンザニアから要請が来たら、全国にマニスパの職員としてボランティアを募集するわけです。そのときにTさんが日本でハイと手を上げて、そこから始まるからね。本当はTさんに僕の跡を継いでもらいたいけど、あくまでも特別扱いはできないということです。

参加者Bさん:
 Tさんはどういうステータスで参加されるんですか?

Tさん:
 支援活動をしながらものづくりをしたいという気持ちがあるんですね。向こうではカンガという生地が有名なんですね(Kanga=衣類や風呂敷などに使われる一枚布)。それで子供たちが洋服とかを作れるようになればそれで収入を得られるようになると私は考えています。

桑波田:
 そういう職業訓練的なこともひとつの事業として考えています。町に行けば洋服屋がズラッと並んでいますよ。店で生地を買って、サイズを測ってこの通りに作ってと依頼してね。それも一つの職業ですからね。それをムサマリアの子供たちにミシンの使い方を教えたりといった職業訓練的なことをすると。
 それを事業としてJICAから基金を頂けたらいいのですが、国と国との話になるから相手にされないのは分かっていたけど、孤児院だから相手にして欲しいと僕は思っています。

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参加者Cさん:
 電気についてはどうなってますか? 

桑波田:
 いまはソーラーで発電していますが、すべてはまかなえないです。ソーラーで発電したのは部屋の電灯に使ってます。以前冷蔵庫を買ったんですが、それはタネスコの220ボルトに繋いでいて、製粉機はボルトが違うからそれとはまた別なんです。
 それで買ってあげた冷蔵庫なんだけど、ちゃんと使っているか見てみたら中身は空っぽ。特に冷凍するものはないし、水でも冷やしておけばいいのに何も入ってない。とにかく入れるものがなくて、結局僕が買うしかないのかな、と。ビールでも冷やしておこうかな(笑)。
 そういえばムサマリアで働いている女性たちがビールを飲むんですよ。僕はビールをケースで買ってるんですが、子供を使ってビールをもらってこさせるんです。それで園長がいるときは言わないの。バレたら危ないから、園長がいないときに子供にビールを持たせてくれって裏でコッソリ僕に言うわけ。まぁムサマリアの女性たちも無給で働いているから、楽しみの一つぐらいあってもいいと思うけどね。

参加者Dさん:
 桑波田さんにとっての趣味は何かありますか?

桑波田:
 僕にとっての楽しみは酒飲みだけ。酒を飲みますがあれはもう睡眠薬なの。だから飲まない日はないわけ。酒を飲んでちょうど酔いがまわったな、と思ったらゴロっと寝てね。それで夕食は食べないから太りようがない。タンザニアに来る前は60kgぐらいあったのが、いまは45kgぐらいしかないから。粗食に耐えてビールを飲んで、15kgぐらいダイエットしました(笑)。否が応にも細くなるんですよね。

参加者Dさん:
 テレビはありますか? それとパソコンは持っているのですか? 実はテレビ番組を録画したものをUSBに入れて持ってきました。主に時代劇ですが、一週間から10日分ぐらいあると思うので、良かったら見てください。

桑波田:
 それはありがたいです。テレビは無いですがパソコンはあります。インターネットに繋いでYouTubeとかを見るとすごく高くついて、プリペイドを買ってくるんだけど一週間で3万5000シリング(約1750円)ぐらいかかるので、そういうときはDVDを見るようにしてます。電気代はタダみたいなものだから。
 本当は子供たちに日本の映画とかを見せたいですね。きっと面白いと思います。どういう反応をするのか楽しみです。

参加者Eさん:
 東京からタンザニアまでの飛行機代はだいたいどのぐらい必要なんですか?

桑波田:
 それはいろいろなルートがあるのですが、今回僕が帰ってきたのはカタール航空で、運賃は1300ドルぐらいかかりました。だから今だと15万円ぐらいでしょうか。カタール航空を使う理由は、受託手荷物の重量を一人あたり往復で40kgくれるんですよ。だから空いたスペースに古着を持っていけるんですよ。
 持っていくのは古着が一番なんです。子供たちが一番喜びますから。本当は日本で押し入れの奥にある古い子供服を引っ張りだしてもらって、粗大ごみとして処分しないでムサマリアに持っていくと。そうすればまたボランティアも盛り上がっていくと思うんですけどね。
 今回も僕とTさんが別のルートで古着を集めたら、すごい量が集まったんですよ。ダンボールで5箱も。みんなよく持ってるなと思いました。でも自分の私物も入れないといけないから、古着は20kgぐらいあればいいんですよ。それをお土産として持っていくんです。
 それと古くてもいいのでまだ履ける子供用の靴やリュックがあれば、それもありがたいです。今回は古着でいっぱいですが、来年僕がまた日本に帰ってきたときに持って帰りたいと思います。でもこれを話しちゃうと大量に集まっちゃうから、あまり言いたくない気持ちもあるんですけどね。Tさんに話しただけで山ほど送ってくるし(笑)。量を制限しないと難しいかもしれません。
 というのも、実はいまは自宅に大量のストックがあるんですよ。ダンボールで5〜6箱も。でもそれを向こうに郵送するとなると、今度はコストがかかるから支援にならないんですよ。船便で1kg7000円ぐらいかかりますから。その運賃で向こうで食糧を買ったほうがよっぽどいいですから。

参加者Fさん:
 例えば桑波田さんに郵便を送ると、向こうの郵便局の係員が開封に立ち会って、その場で税金をかけると以前おっしゃってましたよね。そうすると基本的に送れるのは手紙ぐらいということになるのでしょうか?

桑波田:
 EMSだと書類しか入っていないというのが前提だから、開封されることはないけど、荷物の場合は必ず開けろと言われて税金がかかります。大きい荷物が来たときは園長を連れていくんです。これは子供のための古着だから税金をかけるなと園長に言わせるんですよ。そうすると大丈夫なんです。
 それが僕宛であっても中身が衣類だったらそうしますし、例え日本食でもそうします(笑)。向こうではある意味図々しくやらないと。清く正しくやってられないですよ。ワイロがないと何も動かないような国だから。

ーーEMSは昨年値上げして料金が倍近く上がりましたので、毎月書類を送るのですがだいたい5000円ぐらいします。またこれはご存知かと思いますが、日本みたいに配達はされません。
 いまホームページなどで公開している住所と電話番号はムサマリアのものが書いてあるので、宛名に桑波田さんと書いて頂ければ、向こうの郵便局から電話が行くと。すると桑波田さんが直接受け取りにいく、というシステムになっていると。


桑波田:
 ですので、宛先に電話番号を必ず書いてくれないと、荷物が届いたことが僕に伝わらないんです。郵便局から電話が来て取りにいくというシステムですから。配達されることはないんです。
 最近はだんだん要領が良くなってきて、事務局から送ってくれた郵便を受け取って、少し厚みがあると税金を払うんだけど、そこは別の場所にあるので、そこに行く前に係員にワイロを渡すんですよ。2000シリング(約100円)ぐらい渡すと、税金を払わずに持っていけるんです。だんだん人間がセコくなっていく気がしますが、そういう方法も最近は覚えちゃったから(笑)。

参加者Gさん:
 現地の人たちの娯楽は何かありますか? 先ほどインターネットをプリペイドを買えば見られるとおっしゃっていたので、インターネットカフェのようにパソコンを30分でいくらか料金を取るという形にしたり、あとテレビや映画を見せて視聴料を取ったり。
 それとテレビで見たのですがアフリカかどこかの国で日本のテレビゲームが流行っていて、街頭でみんな座ってゲームしていたんです。機材が必要なのですぐにできることではないのですが、衣食住だけではなく娯楽によって利益を上げることもできるのではないかと思ったのですが、いかがでしょうか。

桑波田:
 現地では娯楽は無いですね。映画館みたいのはいいかもしれませんね。僕は貧民街に3ヶ月住んでいたことがあって、そこは治安が悪くて危険なんだけど、そこで小屋の中でビデオを流して料金を取っているのを見ました。要するに映画館みたいなものですよね。テレビとデッキさえあれば簡単に見られますから。それを町の中でやれば娯楽として通用するのかなと思いますけどね。
 ムサマリアに1台だけテレビがあるんですよ。でも子供だからニュースを見たって面白くないし、向こうは娯楽番組といったら歌番組ぐらいだから、そこに僕はDVDのデッキを持っていって日本のアニメや映画を流してあげようと思っています。子供だからアニメなんていいんですよね。情操教育にもなるから、そういうことも考えています。


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参加者Hさん:
 大きくなって孤児院を卒業してからは、皆さんどういう生活をしているのでしょうか?

桑波田:
 ムサマリアを出たあとは分からないんですよね。ムサマリアを出るということは自分で仕事を見つけて生きていくということですから。ご飯を食べさせることと、学校に通わせること、ここまでが基本ですから。でも小学校を卒業したぐらいでは読み書きができるぐらいですから、いい仕事には就けないです。中学校を卒業すれば英語が話せるので、いい仕事が見つけられるんですが。
 この前トウモロコシの収穫をするために、園長と一緒に集落まで行ったときに卒園者に会いました。卒園者というか、せっかく中学校まで通わせてもらったのに、そこを勝手に止めて出ていった子がいるわけです。結局子供が考えていることはみんな同じなんですよね。大なり小なり楽な方へ流されがちなんですよ。勉強が嫌で逃げたんだろうけど、中にはそういう子もいるんですよ。
 恐らく中学校を卒業して、ちゃんとした職業に就いている卒園者もいると思いますよ。小学校だけだと難しいかもしれません。調査しているわけではないので分かりませんが。

参加者Hさん:
 タンザニアの産業として観光があると思うのですが、こちらで働く人は多いのでしょうか。

桑波田:
 確かに多くて、一番手っ取り早いのは登山のポーターとして働くことです。英語が話せればポーターはできますから。ちなみに学校に通ってなくても、ツアーガイドで働いていると英語は分かります。耳で覚えて話しますから日常会話はできますけどね。
 外国人相手の商売ですから収入はいいですよ。それと旅行者はどんどんお金を払ってくれるというのが定着していますからね。でもそれと同じように僕も見られちゃうわけ。だからいろいろなところでべらぼうな値段を付けられちゃう。
 例えばコーラ1本100円ぐらいなのに300円ぐらいで売ってくる。それで交渉すると下げてくるわけ。彼らは高い値段を言って、それから交渉して値段が決まっていって、落ち着いたところで商売が成り立つわけです。でも外国人の場合は300円でも買う人がいますから。タクシーも乗った後で交渉するなんてとんでもないことで、向こうの言い値になっちゃう。乗る前に交渉しないと、2〜3倍ぐらいの値段を要求してきますから。そういうわけで初めて行った人は気をつけないとみんな被害に遭ってますよ。

参加者Iさん:
 お話を伺っていていくつか思ったのですが、民間で行うボランティアと政府を絡めるのは少し難しいかなと。もしJICAを絡ませるとなると、あくまでもタンザニア政府からの要望というのがスタートになりますし、その根回しをするために政府の官僚と親しくなって、要請を上げさせないといけないので時間がかかります。
 もしボランティアだけでやっていくとなると、例えば宗教団体に頼って支援してもらうという手もあるかと思います。日本と繋がりのある宗教団体も現地にはあると思いますが、そうなると桑波田さんの手から離れていってしまう可能性はあります。
 それと桑波田さんはご高齢ですので、将来的に支援活動を延長させていく手段をいくつか考えた方がいいかもしれません。製粉工場のように自活を促すというのはいいと思いますし、今後は桑波田さん自身が納得のいく形で進めて頂いて、そのサポートができればと思っています。

ーーそれでは最後に桑波田さんから一言お願いします。

桑波田:
 今日は皆さんわざわざ子供たちのために集まって頂いてありがとうございました。今日の夜に日本を発ちますが、向こうでは子供たちが空きっ腹を抱えて待っていると思うと、一刻も早く帰りたい気持ちです。今日はどうもありがとうございました。

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※桑波田さんへのご寄付につきましては「ご支援方法」をご覧ください。

※桑波田さんの活動内容については下記リンク先をご覧ください。
ホームページ:タンザニア孤児支援の会 〜桑波田さん通信〜
Facebook:桑波田さん応援・タンザニア孤児支援の会






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