森 博嗣著 『大学の話をしましょうか』 中公新書ラクレ
以前から気になっていた本書、有名ミステリィ作家の森 博嗣さんがご自身のお勤めになられた某国立大学での経験をふまえられて書かれた作品。
書式はQ&A形式で進んでいき、対談集の部類に入るのかな?非常に読みやすいものではあった。
第一章【学生論】、第二章【大学論】、そして森さん独自のポジションも絡んで第三章【研究者・教育者・作家】の章構成でなされている。
構成からすると、一見硬そうな印象を受けるのですが、従来のいわゆる「大学論」「学生論」とは異なり、ご自身の実体験に基く「等身大」の姿を描いている。
会議のこととか、科研費のこととか、入試のこととか、大学での「雑用」についてもいろいろと論じられており、数年間ではあるが大学という組織の中で学ばせていただいた自身にも「よくわかる部分」がいくつかあった。
「大学は発展していかなければならない」という発送から脱却して、社会に必要とされないのであれば縮小していく方向性を自らどうして提示しないのか?という議論や、「少子化で日本に将来が危ぶまれる」という議論に対して、どうして「少子化がよくないのか?」「どうして日本の将来をあやぶむのか」
といった一般的な意見とは異なる視点も提示されている。
個人的に気に入ったのか「知的能力は問題の発見能力である」とのご意見と、本編の間に掲載されているコラム(?)
掛け声と実態が乖離しているのではないか? 「姿勢」を感じ取れる「視点」とは何か…?
一読して、感じるところは自身の大学に関する感情に近しいものを多く感じるということ!もちろん、森さんとは異なる部分も多々ありますが、基本姿勢については近いんだろうなぁ〜と…
今後も「大学」という組織に関わっていくであろう自分自身の目的、到達点をどこに設定できるか。そして、そこへの成長の度合いを考えるための一つのきっかけとなるでしょうね!
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