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坂口安吾の随筆などをおさめた全集。
坂口といえば特に『堕落論』
あるいは『白痴』が著名であるが、
そのどちらも収録されている。
収録作品のひとつ、『日本文化私観』において、
坂口は美についてこう述べている
『それが真に必要ならば、必ずそこにも真の美が生れる。
そこに真実の生活があるからだ。』
生活があるからだ、という部分が印象に残った。
僕は生活がしたいのだ。
また『堕落論』において、
人間は例外なく堕落するものである、
と述べているが、
これは決して投げやりな声明などではない。
そこにあるのは、
抗いようもなく堕落してしまう人々の弱さ、不甲斐なさをもをまるごと肯定してしまう、
彼の優しさや寛容さである。
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