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僕が最もあこがれる作家、
渋澤龍彦氏による幻想文学。
僕は「幻想」という言葉を見ると、
樹液に群がる甲虫みたく吸い寄せられてしまうのだが、
これぞ幻想文学!
と言いきってしまえるほどの作品。
高丘親王がはるか天竺を目指し、
白昼夢のような世界を遍歴する。
犬頭人、
人頭鳥体の迦陵頻伽、
あるいは人語を操るジュゴン。
幻想の世界。
旅を続け、
やがて自らの死と向かい会う親王。
そしてそれを克服する姿は魅力的だ。
親王が旅をしているのは果たして
現実であるのか、
あるいは夢か、
はたまた夢の中の夢か。
ふわふわとした、
心地よい浮遊感をかんじさせてくれる素晴らしい作品だった。
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