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『ライ麦畑でつかまえて』で知られるサリンジャーの作品。
僕は中学3年のときに『ライ麦〜』を読んでから、
いままで都合10年くらい、
サリンジャーの作品を繰り返し、繰り返し読んできた。
幸か不幸かサリンジャーという作家は極端に寡作であるのだが。
『フラニーとゾーイー』は
時系列的にも、内容的にも関連している
二つの短編作品で構成されている。
内容の紹介は省くとして、
この二作品はとにかく登場人物による会話が素晴らしい。
本当によくしゃべるのだ。饒舌。
それが生き生きとしていて、
映像を見ているよう。
とりわけ、
ゾーイーと、彼の母であるベシーが織りなす会話には、
諧謔や揶揄の裏側にある
家族に対する慈しみや愛情がひしひしと伝わってきて、
毛布にくるまっているみたいな温かい気持ちになる。
原文で読むのも勿論良い、
しかし野崎氏の翻訳も秀逸である。
(そういえば以前、
村上春樹氏がこの作品をいつか関西弁で翻訳したい、
そんな主旨のことを仰っていたような気がするのだけど、
勘違いかしら)
この作品は僕の宝物。
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