自然のなかをゆったり散歩と詩と本のはなし

そしてまた季節は移ろい さまざまな想い出だけが通りすぎて行く ・・・

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 < シジミ >  石垣 りん
 
夜中に目をさました。
ゆうべ買ったシジミたちが
台所のすみで
口をあけて生きていた。
 
「夜が明けたら
 ドレモコレモ
 ミンナクッテヤル」
 
鬼ババの笑いを
私は笑った。
それから先は
うっすら口をあけて
寝るよりほかに私の夜はなかった。
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 
石垣りんは大正9年(1920年)東京赤坂の薪炭商の家に生まれました。
生母はりんが4歳のときに死去したため、以後りんが18歳までに3人の義母と死別や離別を
経験しています。
 
昭和7年(12歳)に赤坂高等小学校に入学してから、氷川図書館にて詩集を読み、詩作するように
なったそうです。
昭和9年(14歳)に高等小学校を卒業して日本興業銀行に事務見習いとして就職され、仕事の
合間をぬって「少女画報」や「女子文苑」などに投稿しています。
 
昭和13年(18歳)の時、投稿仲間とともに同人誌「断層」を創刊して詩や小説を発表しています。
以後 数多くの詩作をしています。
 
第二次大戦後は職場の組合活動にも参加しながら詩作に集中され、庶民生活を疑視するなかで、
生活の場における違和感や実在の痛みを研ぎ澄まされた感覚で表現した作品を多数発表しています。
 
<シジミ>は昭和43年に刊行された石垣りん第二詩集「表札など」の巻頭の作品です。
 
石垣りんはこの作品のなかで 「シジミは私に買われてしまった以上、一昼夜の命もないのである。
ニンゲンというものは 生きものを殺して食わねば、わが命を支えることができない。それが生きると
いうことである。ああ たまらないと叫んでみても、この宿命の輪廻の輪を断ち切ることはできない。
どんな美少女でも刺身にされた食卓の魚からすれば鬼ババである。それがあなたであり、
わたしなんです。」と言い切っている作品です。
 
石垣りんの作品には 実際の庶民生活のなかから 研ぎ澄まされた女性の目をとおしてみた 
人間の真の強さとやさしさが感じられます。・・・・
 
イメージ 1
 

閉じる コメント(8)

お久しぶりです!いつも読み逃げばかりでごめんなさい!食物連鎖仕方ないことですね。良い詩です。ちょっと病的に思える詩ですが・・・。(人のこといえない)それにしても綺麗なお花ですね。

2011/6/5(日) 午前 7:19 milky

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おひさしぶりです。私も感謝していただきます…
ポチ☆

2011/6/5(日) 午前 8:38 ちしま小町

おはよう♪

りんちゃんの詩、かわいいですね^^

お母様と、そんなに小さい頃に・・・・vv

いっぱい悲しい思いとかしたことでしょうね。。。

シジミを食べるたびに、思い出しそうだなぁ^^

りんちゃん・・・
ポチ

2011/6/5(日) 午前 9:16 うさぎ

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この詩好きでした。
特に「鬼ババの笑い」という一言が愉快です。
ヒトって、みんな「鬼ババ」みたいなものですね。

ところで
うちの息子は小さいころ、砂だしをしていたシジミをかわいがっていたのに、一晩たったら味噌汁にはいっていたのを見て声挙げて泣きました。それ以来、彼はシジミを食べません。

2011/6/5(日) 午前 9:40 ちゃい

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こんにちは〜

生きていく上での食生活は 人間には欠かせない欲の1つですが
食べ物に対してのありがたさを感じる詩の1つでも有るように感思います。
色んな ありがたさ〜忘れてる人も多い中で 改めて気付かされる事の多さ。。。
とても良い誌を紹介して頂き、ありがとうございました^^
☆彡

2011/6/5(日) 午前 10:43 [ keiko. ]

ちょっと違うかもしれませんが、私は映画"ベイブ"を見るたびに
『ベジタリアンになろうかしら…?』と考えてしまいます。
しかし、鶏肉が大の好物の私。。。豚肉は我慢できても、鶏肉は我慢ができるだろうか?・・・いいや。出来るわけがない。
よって、私はベジタリアンにはなれないだろう。
なんて、我慢の出来ない人間なんだろうか?

という結末にたどり着きます(笑)

石垣りんさんという方は、それまで育った環境の所為でしょうか、
非常に現実的な方かな〜と思いました。現実的で、達観していて、
人や己を客観的に見ることの出来る人。そんな感じです^^

2011/6/5(日) 午後 2:51 椿

石垣りん・・・初めて、読ませていただきました。
私も想像すると怖くなるので、子供のころから、魚でも、カシワでも
肉でも「これは、食べ物なんだ」と心に言い聞かせて、食べていました。
綺麗なお花の写真ですね。小手毬でしょうか・・・。☆

2011/6/5(日) 午後 2:55 [ - ]

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石垣りんさん、初めての出会いです。
ユニークな詩ですね。ほのぼのと楽しく感じました。
貝は食べるものであって、砂出しにも優しい思いをかけたことの無い私は、最高の鬼婆ですね。(笑)
傑作ポチン☆彡

2011/6/5(日) 午後 4:18 趣味の追っかけ


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