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『 五月の風・・初夏の吉峰寺 』 金津裕子
「ちいさな山だとおもっていたけど、結構歩いたね」
「なんでも永平寺を開いた道元さんが修行なさったお寺だそうよ」
「ふ〜ん 昔の人はよくきびしい修行をなさったんだね・・・」
「それにくらべて ・・・・ ふふふ お互いさまね」
「そろそろ おにぎり食べる?」
「ああ お腹もすいたし おねがいします」
「あなた すぐにふたつも食べて 大丈夫?」
「このおにぎり 君がつくったの? かつお節に昆布も入っていて
海苔もパリパリしていて とっても美味しいよ!」
「ふふふ ちょっとだけ母に教わったけど ・・・ 」
「こんなおにぎりが 毎日食べられたら しあわせだろうな・・・」
「 ・・・・・ 」
「しばらく 逢えないけど・・・いつかきっと戻ってくるよ・・・」
「 ・・・・・ 」
金津裕子の作品集より
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古寺・名刹の旅
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< 鶏足寺の幽玄な紅葉情景 >
湖北随一の紅葉の名所として知られる鶏足寺の紅葉は
ゆるやかな参道の両側に鮮やかな色彩にて乱舞してい
るようでまさに幽玄の世界に誘われます。
古くから北國街道の要所であった木ノ本宿の界隈では
戦国大名浅井氏の小谷城落城等数多くの決戦と悲運
が繰り広がれてた地域なだけに、紅く鮮やかなもみじ
の色彩は命の尊さと儚さを伝えているようです。
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< 龍安寺の石庭 >
京都 龍安寺の石庭は国指定の特別名勝であり世界文化遺産
として連日多くの観光客が訪れています。・・・が、
本来この石庭の観賞はできればあまり人気のない日の夕暮れ
時にひとり静かにじっくりとみつめたいところです。
龍安寺の石庭は室町時代後期に禅文化が盛んだった当時の
時代背景のもと簡素な枯山水庭園として作庭されたそうです。
約百坪たらずの方丈庭園には白砂が敷き詰められていて、その
砂上に大小十五個の石が配置されています。
近年、この小さな石庭について各方面の識者からさまざまな
見識が披露されていますが、要はこの石庭をみにきた人が
それぞれに自問自答して自分自身をみつめるきっかけになれ
ばいいそうです。
深まりゆく秋の一日、じっくりと石庭の小宇宙に触れ合いなが
らときおり古刹を吹き抜ける秋風と枯葉の戯れのなかに、遠い
日の淡い感慨に浸ってきました。・・・
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< 近江の古刹 百済寺の美仏 >
全国各地の古刹の仏さまといえば いづれも思慮深く慈愛に
満ち溢れていて とってもありがたくて 思わず合掌したくなる
ものです。
紅葉の名所でもある 近江の古刹 百済寺には たくさんの寺宝
がありますが なかでも木造如意輪観音半跏思惟像と称される
仏さまは とっても気品があってたぐいまれな美仏として知られ
ています。
近江の古刹 百済寺の紅葉も見ごろを過ぎつつありますが また
いつの日か きっと この美しい仏さまに会うために 近江最古級
の古刹 百済寺を訪れたく 紅葉道をあとにしてきました。・・・・
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<風情あふれる 実性院の萩の花>
初秋のやわらかな風にさそわれて 加賀大聖寺の実性院を訪ねました。
藩政時代 実性院は大聖寺藩主前田家の菩提寺として歴代藩主の墓碑のある曹洞宗の古いお寺。赤瓦に覆われた大屋根のある本堂は幾歳月の風雪を経た古刹ならではの侘びた趣きがあります。
古刹実性院は むかしから北陸の萩の名所としても知られており、本堂前の庭園は庭ぜんたいが真っ白い萩の花が咲きみだれていました。また庭園前の板塀沿いにも萩の花が咲いていて 歳月を経た菩薩も真っ白い萩の花々のなかにうずまっていました。
古来 萩の花は奈良・平安の時代から秋を彩る風流な花として親しまれ 往時の和歌や俳句にも数多く詠まれてきました。静かな実性院の秋を彩る真っ白い無数の萩の花々は 初秋のやわらかな風にゆらゆらゆれながら しなやかに優雅に戯れていました。・・・・
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