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命どぅ宝:転載はご自由にどうぞ:頂いたコメンへの返事は、ほとんど出来ませんのでご容赦

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安いコーヒーの苦い真実!

コーヒーの原産地はエチオピアである。いまでもアフリカ最大の生産国である。輸出収入の67%をコーヒーが占め、1500万人の生活を支えているのだ。エチオピアのハラー地区で収穫された「ハラー豆」は、インドネシアのブルーマウンテンも及ばぬ最高級の豆なのだが、価格はなぜか安い。他の地区の豆はさらに安く買い叩かれる。

なぜか? 1989年に「国際コーヒー協定」(最大の消費国アメリカと最大の生産国ブラジルが1962年に締結)が破綻してしまい、豆の価格が30年前(1960年頃)の水準に迄ダウンしてしまったからだ。その原因はグローヴァリズムを強引に推し進めるWTO体制が、自由市場・市場原理を優先させたため、コーヒーの最低価格保持政策が破綻してしまったからだ。まあそのお陰でと言ってはナンだが、我々はドトールやスタバやファミレスで200〜300円そこらでコーヒーが飲めるのだ…まあ味は泥水みたいだが。

さらにコーヒーの国際価格は、ニューヨークの先物市場(収穫前に豊作不作を予想して取引する)で決まるため、ここにも原油や穀物や金(きん)同様に「投機マネー」(博打)がどっと流れ込み、実際の需要とは無関係に価格が決まるため変動が激しい。つまり汗水垂らして収穫したコーヒーが、二束三文になる危険にいつもさらされているのだ。これでは若者がコーヒー栽培に意欲を持てないのも当然ではないか。


エチオピアの農民は、先進国でコーヒーが一杯いくらなのか全然知らない。「20円くらいかね?」などと言っているのだ。1キロの豆から約80杯とれるから、ざっと計算して300×80=24,000円の価値があるのだが、農民が1キロの豆を収穫して支払われる労賃はたった10〜20円!だ。国営放送のラジオじゃ「コーヒーこそ我が国にとって黄金である」とPRしているが、金(ゴールド)1キロ収穫しても20円である。

もちろん民間の業者(バイヤー)が、利益を独占しているからだ。タチの悪い業者は1キロたった8円しか払おうとしない。マルクスでなくとも「あまりにひどい搾取(ピンハネ)じゃないか!」と叫ぶだろう。世界中で一日に20億杯以上のコーヒーが飲まれる。ここ20年間でコーヒー販売額は、年間300億ドル(約300兆円)から800億ドルに急上昇。販売の大手はグローバル大企業の4社である。つまりネスレ(日本ではネッスル日本)とクラフト社とP&G社とサラ・リー社である。

コーヒー豆は消費者に届くまでに、六度も流通や仲買業者の手を通るので、その度に中間マージンが上乗せされる。輸出業者→倉庫業者→加工業者→輸入国のバイヤー→焙煎業者→小売業者→消費者(カフェ)という流れだ。生産地のバイヤーが直接焙煎業者に売れれば、流通マージンの60%は省かれ、その分を農民は手にすることができる。

エチオピアの首都アジスアベバにある「コーヒー輸出加工センター」で、不良品の豆を選別する女性の賃金は日給(8時間労働)たった40〜50円だ。あんまりといえばあんまりの「女工哀史」ではないか。だからエチオピアは世界最貧国のひとつである。飢餓で子供がバタバタ死ぬ国だ。

もちろん手をこまねいて見ている人ばかりではない。エチオピアの或る地区の農協連合会は、農民から他のバイヤーより高く買って直接焙煎業者に売り、何とか手助けしようとしているのだが、農民が子供にきれいな水を飲ませマシな栄養をとらせ学校にやるには…まだまだ低い価格だ。

コーヒーは植えて5年経たないと実が成らない。しかも国際価格が下がっているので、労働のもとがとれない「せめて1キロ6円払ってくれれば」と農民は願うのだが。腰を痛めるほど耕作して植えても将来に希望はない。家族を養えない。学校に通える子供は減るばかり。教室の壁には「教育の根は苦いがその実は甘い」とポスターを貼ってあるのだが、貧しい生活はその実が熟すまで待ってはくれない。

エチオピアの豆を買い付けているスターバックスのシュルツ会長は、こういった現状を承知しているはずである。まあスタバは、全従業員を健康保険に加入させている数少ない会社であるからアメリカではマシ?なのだが…。自分の会社の従業員の心配と同時に、飢餓で今もン分に一人死んでいく生産国の乳幼児のことも気にかけてほしいのだが。

そして我々もコーヒーの豆を買うときは、割高でもフェアートレードの製品を買おうではないか。置いてあるスーパーは必ずある。そうすれば「コーヒーでは、暮らしていけない」といって、麻薬の栽培に走る農民を一人でも減らせるのだ。もちろん問題は我々の消費行動だけで解決できるほど、カンタンではないが。女性に人気の酸味の強いキリマンジャロ(日本はこの豆の世界一の輸入国)が、店頭に少なくなった。タンザニアの農民が「こんな安い価格ではもお無理」と、コーヒー栽培を止め出稼ぎに行くようになったからだ。

とにかくアメリカとEU諸国の自己チューぶり、はすさまじいものがある。ここ20年間というものIMF(国際通貨基金)と世界銀行は、アフリカ諸国が自国の農業と農民を保護することを禁止しておきながら、自分たちはちゃっかり自国の農業に補助金を出している。だからアフリカや中米の諸国は、どんな農作物をつくっても勝ち目が無いのだ。

いつもデモにさらされるWTOにして、EUの代表団は650人もいるのにアフリカの小国はたった3人、それでもマシな方だ。しかもほとんどの会議は二国間で非公式で行なわれるから…途上国は全ての作業部会に参加できるわけがない。始めから負けが決まっているゲームなのだ。欧米諸国のアンフェアーな不公平きわまるやり口には、なんとも憤りを憶える。とはいえ日本だって偉そうなことは言えないのだが。

それでもアフリカとカリブ太平洋諸国が抵抗して03年のWTO閣僚会議(最終日)が決裂した。EUの新分野交渉を拒否したのだ。当然だろう。アフリカに貧困を押しつけておいて、テメエ勝手な要求を押しつけるばかりなのだから。しょせんWTOは、大国のパワハラやりたい放題会議(交渉)ということだ。

さてと、西友で買ったフェアトレードのコーヒー豆でも挽いて飲むとするか。

追記:10月1日はコーヒーの日である。
エチオピア飢餓指数は1990年は世界一最悪、今年少し改善されたがびりから六位、相変わらず極度の警戒レベルにある。

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ぺんつよしさん
私は、コーヒーを毎日飲みます。
私に限らずコーヒーを毎日飲んでいる日本人は少なくないはずです。この身近な飲み物に南北問題、ごく一部の富裕国と最貧国との間にある問題点が凝縮されています。だから、コーヒーを飲みながら、背景にあることを考えると、本当に複雑な心境です。

私の職場の近くのコーヒーショップでフェアトレードのコーヒーをメニューにあるから今度コーヒーを飲む機会があったらフェアトレード優先で考みることは大切ですね。まずは、多くの人に問題を知ってもらうことからはじめるの第一歩です。

以上の理由でこの記事を転載させていただきます。

2009/10/21(水) 午後 10:16 [ - ] 返信する

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こんばんは。
コーヒー好きの私(それでも缶コーヒーとインスタントが多い)としては、心苦しい内容です。コーヒー農園がひどいとは聞いたことがありましたが、ここまでとは知りませんでした。ネスレの小売価格が最近更に安くなって少し喜んでいたのですが、そんなことを考えている場合ではありませんでした。フェアトレードのコーヒーを買うように心がけます。

2009/10/22(木) 午前 0:02 [ モリタン ] 返信する

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ゲバラさん

秋も深まり、コーヒーも一段とうまく感じます。一杯のコーヒーにもグローバリズム(南北問題)の問題が隠されていると知ると、炭焼き焙煎でなくともぐっとビターな味になりますね。人権や社会福祉大国ともてはやされる北欧のスウェーデンやデンマークの大企業が、アジアでどんな非人道的な経営をしているか、今度はそんなことを書くつもりです。 転載ありがとうございます。

2009/10/22(木) 午後 7:36 pen*tsu**shi 返信する

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モリタンさん

フェアトレードの農作物がもっと簡単に手に入ると良いのですが…。流通もやはり大手に支配されていますから、規模が小さいとねえ。都内一流ホテルで飲むコーヒー一杯が1200円!であることを思えば200グラムのフェアトレードのレギュラーコーヒーに1000円払ってもいいくらいでしょうね。

2009/10/22(木) 午後 7:42 pen*tsu**shi 返信する

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転載します。
ほんとにWTOは穀物メジャーの尖兵だと思います。

2009/10/22(木) 午後 8:35 [ - ] 返信する

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たんぽぽさん

転載 多謝。WTO、IMF、世界銀行、これらの
組織を使って主にアメリカにある多国籍企業は
グローバリズムの名のもと、帝国主義的経済侵略を
行なっています。武力を使わずに世界支配が可能です。
本当に悪知恵のたけたヤツが、いるもんです。

2009/10/22(木) 午後 11:20 pen*tsu**shi 返信する

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