キープ・レフト

命どぅ宝:転載はご自由にどうぞ:頂いたコメンへの返事は、ほとんど出来ませんのでご容赦

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     前回のワールドカップで起こった大事件!
 
現在進行中のワールドカップ一次リーグで、前回優勝のイタリアと準優勝のフランスが何と共にグループ最下位となり、早々と荷物をまとめて南アフリカの地から姿を消すこととなった。フランスは今回は出場自体が危ぶまれていたのだが、予選最終戦にアンリのハンド(反則)を審判が見逃してやっと南アにやってきたのだが、フランスサッカー協会と監督と選手の間の感情的軋轢がこぢれ、選手がストライキを起こして練習をボイコットした。他にも代表選手の一人が、少女と淫行していたことが判明したりしていたから、もう大会前にすでに敗北していたと言える。
 
イングランドはベッカムが、フランスはジタンが代表チームの応援に駆けつけていた。イングランドは何とか決勝トーナメントに進んだが、フランスはジダンのサポートもむなしく敗退が決まった。そのジダンといえば、前回ドイツ大会(06年)7月9日決勝戦での歴史に残る「頭突き事件」が記憶に新しい。イタリア相手にフランスは優位に試合を展開していたのだが、延長後半にジダンの堪忍袋の緒が切れ退場となった時、優勝杯はするりと逃げて行った。PK戦で決着したのだが、イタリア勝利の最大の功労者は、ジダンを挑発したマテラッツィ選手ということになる。
 
一体この193センチのDF(守備マルコ・マテラッツィは、フランスの主将ジダンに何と言ったのか? ジダンはスーパースターになってからは、自制心を働かせてキレることは無くなっていたし、年齢も34歳である。若僧ではない。よほどのことか?と思ったら、やはり人種差別という人類社会の宿痾が原因だった。
 
マルコ・マテラッツィは世界一、二の大スターであるジダン選手をぴったりマークして、ユニフォームを執拗に引っ張ったりした。で、ジダンは「そんなにユニフォームが欲しいなら試合が終わったらやるよ」と言ったのだが、それに対してマテラッツィは「お前のなんか欲しくないよ。お前の姉ちゃんのならもらってやる」とか「テロリスト。売春婦の息子」と、口汚く二度も三度も繰り返したので、とうとうジダンがキレてしまったのだ。もちろん一発退場のレッドカードとなった。
 
オリンピックよりも参加国が多い(およそ195ヶ国)サッカー・ワールドカップの決勝戦でのこの事件は、子供を含め十億人以上が観ていただけに一大論争を巻き起こした。ジダンは会見で「母と姉を傷つける耐え難い言葉を何回も浴びせられ我慢ならなかった。しかし頭突きは許されるものでなく、試合をみていた子供たちすべてに謝りたい。それでもマテラッツィの言葉は絶対に許すことはできない。言葉はしばしば行為にまさるもので私の胸に突き刺さった。試合もあと10分で終り私の引退声明も迫っていた。愉快な言葉をかけられてあんなことするわけがない。罪は彼の方にある」と言った。
 
一方被害者(?)のマテラッツィの言い分はこうだ。
「侮辱的なことを言ったのは認めるが、試合ではよくあることだ。何を言ったかはおぼえていない」「人種差別や宗教や政治がらみのことは一切言ってない。またジダンに姉がいるなんて私は知らない」「私は15歳の時母を失くしており、彼の母親を侮辱することなど有りえない。それにジダンは私のあこがれの選手でもある」
 
さて二人の言い分のどちらがより信憑性が高いか? それぞれだろうがマテラッツィは「具体的に何を言ったか記憶にない」と言っているのに、「彼の母親や姉を侮辱する言葉なんて言うはずがない」と、こちらはハッキリ憶えているようだ。「何をしたか憶えちゃいないがセクハラだけはしていない」なんてこと信じられる?「記憶にない」は、もちろん「言いたくない」ということだ。言いたくなくても罪には罰が下される。マテラッツィには罰金50万円と国際試合二試合出場停止。ジタンには罰金70万円と三日間の社会奉仕だ。
 
この暴力(コトバと頭突き)についての意見は、およそ三つに分けられそうだ。
① どんなひどいコトを言われようと、頭突きは絶対に認められない
② 頭突きは許されるべきではないが、差別発言も悪い
③ 挑発した侮辱発言こそ責められるべきである
サッカーという場に限らず殺人事件のような社会的犯罪についても、行為者(ルールを破った者)とその行為を誘発した原因をつくった者との、責任の有りかが議論となるのは同じである。あなたが裁判員(処分決定者)なら、どう判断します?
 
アルジェリアから地中海を渡り、旧宗主国のフランスに移住した移民の二世としてジダンは生まれた。もちろん貧しかった。マルセイユの貧民街で生きぬくには、腕力を鍛えるかサッカーの技を磨くしかない。幸いなことにジダンはサッカーの天分に恵まれ(三度のメシより好きだということこそ才能といえる)ていたから、犯罪組織に加わらずにすんだ。
 
先進国というものはどこでも例外なくダブルスタンダードだ。フランスも長らく少子化で悩み続け労働力不足となると、いわゆる3K(きつい・汚い・危険)仕事をこなしてくれる労働者として、旧植民地のアルジェリアやマリといったアフリカの国々やカリブの島の人間を、移民として受け入れてきたのだが、利用はしても二級市民扱いの差別をするから、移民は相変わらず貧しく非行や犯罪に走る若者が跡を絶たない。アラブ系の名前と分かっただけで、就職の電話はプツンと切られてしまう。怒りと絶望から彼らが犯すのは麻薬か暴力かテロか…だ。
 
当時内務大臣だったサルコジに「社会の屑」と言われた移民の間では、ジネディーヌ・ジダンは移民の「輝ける星」だったのだが、ウヨ(イタリアやスペインは特に多い)のマテラッツィの挑発に乗ってしまった。よりによって全世界が注目している「ワールドカップ決勝戦」でだ。汚い言葉の挑発には乗らずに、ジダンはマテラッツィに向かって鋭い毒のある美しいコトバで応酬できればすばらしかったのだが、お勉強ぎらいのジダンにそれを要求するのはちと酷というもの。そういう私だって、そんな“気の利いたコトバ”を繰り出すより、カッとなってクドテット(頭突き)を一発お見舞いしてしまうかもしれない。『アラバマ物語』のアティカス弁護士のようにはとてもとてもなれない。
 
                            −  つづく  −

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残念な結末でした。

ジダンのボルドー時代のプレー動画です。キラーパスが炸裂します。
https://www.youtube.com/watch?v=kr0T8ewE83Y

2019/1/25(金) 午前 3:23 [ daikubo ] 返信する

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