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前天皇 退位の儀式でおことば
 「令和が、平和で実り多くあることを、心から願い」 (2019年4月30日)

和風元号=右派の虚仮の一念!
― 漢籍外しも反中(中国嫌い)ナショナリズムの一環か ―
                     
[新元号・令和への違和感]
 
51日からいよいよ新元号の「令和」となる。和は良いが「令」とはねえ。「響きが良い」などと言う人がいたが、「レイ」ってなんだか冷たくないですか? レイ・・礼・霊・零(0)・冷・例・隷(奴隷)・齢・涙(これもレイと読む)・・なんだかなあ。あまり楽しい字が無い。あ、あったぞ、玲なら「玉が鳴る涼やかな音」を示し、「玲瓏」という美しい響きの言葉があるが・・
 
そもそも「大和言葉」(漢語ではない日本発のオリジナルことば)には、「れ」で始まる単語は無い。
アイヌの言葉にはあるが。冷静・零下・歴史・例文・礼儀・連立と漢字由来の熟語ばかり。名前の麗子・玲子・黎子も漢語に子をつけたもの。今までに「れ」で始まる元号は「霊亀」のみ。霊亀は麒麟や龍と同じく中国の霊獣。だいたい「れ」という音(おん)は嫌われるのだ。「礼記」は「らいき」だし「霊異記」は「りょういき」だし「律令」は「りつりょう」だ。「令和」も「りょうわ」だろう。
 
「令」ですぐ思い浮かぶ熟語は、やはり「命令」だ。これは「令」という字に、上から誰かに言いつけて「〜せしむ」という意味があるからだ。「法令」「律令」も「法と命令」を意味する。もちろん「良い(good)」の意味もあるのだが、明治時代じゃあるまいし今時「ご令息・ご令嬢・令夫人」なんて言ったり書いたりしたら、まちがいなくオタク変人扱いされるだろう。
 
アベ(俳人の金子兜太が、生前に「この人に漢字を使うのはもったいないから、カタカナで充分」)が227日の官邸での会合(晋如会)で、高級料亭の豪華な「仕出し料理」(税金かアベのポケットマネーかね?)に舌鼓を打ちながら、財界のVIP相手にしつっこく二度も「国書(から新年号の典拠を求める)はどうか、というハナシもありますと、自分の希望なのに、さも人の意見のような口ぶりで発言。どうあっても「和風元号」を実現するぞ! という意欲を示した。
 
自分の個人的な会(プライベート・サロン)の名称「晋如会」だって、漢籍『易経』から戴いたものなのにね。アベは若い時から「日本の元号には日本の古典から」が持論。むろん元号選定のメンバーにもこのことは官邸の補佐官や秘書から伝わるから、メンバーは「忖度」を働かせることになる。
 
もともと元号は、中国の皇帝が「自分の支配・影響地域では元号を用いよ」と命じたもの。だから西域から南のベトナムまで、東は朝鮮・日本まで元号という制度を使うようになった。これまでは『四書五経』のような中国古典から取られるのが「歴史的伝統」であり、「長年の慣用」であった。
                       
[万葉集は和風と言えるのか?]
 
今回の元号「令和」は日本最古の歌集『万葉集』(天皇の勅撰ではなく大伴家持らの編集による)の「梅の宴の歌32首」の序文から取られた。天平(これは字面も響きもスバラシイ)2年の正月十三日(今の28日)に大伴旅人の任地・福岡の太宰府での花見の宴の序文(原文は漢文)「初春の令月にして気淑く風和ぐ」から、令と和を取出し「令和」としたものだ。奈良時代の花見は中国からの外来植物で貴重な梅を、高級官僚らVIPが愛でるものだった。万葉集は確かに我が国最古の歌集だが、まだ日本には自前の文字が無い時代だから、歌も万葉仮名と言われる漢字で記されている。
 

例えば教科書に必ずのっている渡来人?柿本人麻呂の有名な歌「東の野にかぎろひの立つ見えてかへり見すれば月かたぶきぬ」の原文は「東野炎立所見而反見為者月西渡」である。つまり漢字を借りて和歌の音訓にあてはめた「借字文」なのだ。現在の中国でもアメリカの「コカコーラ」を「可口可楽」と書くが、それと同じだ。えっ、暴走族の「よろしく=夜露死苦」も同じですって?

 
万葉集はまだまだ漢文の影響が濃厚に残っている歌集である。後進国の文字無し日本は、先進国中国の文字を借りるしかなかった。漢字を崩して仮名を作る(以を「い」にしたり、江を「エ」にしたり)のはまだ先のこと。日本の国花は言うまでもなく「桜」だが、万葉集で歌われる花では圧倒的に梅が多い。梅が110首なのに桜は半分以下の43首だ。平安時代になり天皇の命令で編まれた初の「勅撰和歌集」である『古今和歌集』になると、これが逆転して桜が70首で梅はわずか17。序文も漢字の「真名序」と仮名で書かれた「仮名序」とがある。
 

「梅には鶯、竹には雀」といったマッチング、「春雨はしとしと降るのが本意」といった、日本特有の「約束ごと」が定着していくのは、この古今和歌集によってである。従って「和風」というのなら『万葉集』ではなく『古今和歌集』こそがふさわしいのに。まあ平安時代だと“女性っぽい”イメージが強いから「父性主義」(男が偉い)のアベらウヨには、とてもムリか(笑)?中国帝国の象徴的存在が元号だから、中国では「武」「隆」「始」といった勇ましい字が使われるが、日本では「和を以て貴しとなす」だから「和」「寛」「安」といった穏やかなものが好まれる。

 
[漢籍外しというナショナリズム]
 
ことあるごとに「戦後レジュームからの脱皮」を口にし、慰安婦問題にしても「歴史修正主義」的立場から日本軍の蛮行非行を否定し、道徳にしても「人権・個人の自由」よりも「秩序優先・日本的しきたり重視」のアベだから、「和風元号」も・・と思ったが、どうやら言い出しっぺは彼ではなく保守右派の学者や経済人たちのようだ。同じ「日本会議」の右翼メンバーでも、アベには漢籍と国風古典の区別もつかない(笑)?  元号選定に口出しして「政治利用」したと言われたくないし。それでなくとも「モリ・カケ疑惑」や「統計偽装」で四苦八苦のアベだ。
 
例えば日本文学研究者の東大名誉教授の秋山虔2015年死去)は一貫して「出典が漢籍だけなのはオカシイ」と主張し、「日本人が書いた漢文」を出典とする元号案を提出したりした。また今年一月三日の産経新聞に、日本財団(競艇が収入源)の笹川陽平会長が「中国古典にとらわれずに、新元号選定を」という内容の文を寄稿した。笹川は言うまでもなく、アベを「自分の別荘に招待する」ほどの仲のウヨ友達だ。
 
「日本の古典」と言えば、まずは『古事記』『日本書紀』『万葉集』『懐風藻』『源氏物語』といったところが思い浮かぶが、天皇の息子の「恋愛譚」である源氏物語でさえ、「和書」とはいえど漢籍をルーツに持つ表現がどっさり。まして日本書紀なんか、どこが和書?という感じ。むしろいかに有名な「漢語」を使いこなすかが、著者・編者の腕の見せ所なのだ。それに日本人が作った漢文は「和臭」があってデキが悪いため、専門家の間では評価が低いというし。
 
なぜそんなに「和風・国風」に拘るのか理解に苦しむ。それに漢籍は中国だけでなく、朝鮮や日本の必須古典だったから、言ってみれば「東アジアの古典」なのだ。漢字だって日本が作って中国に輸出?したものもある。漢籍も漢字も「中国だけの固有文化」ではない。中国外務省から「漢籍を使用するなら著作権料を支払え」と要求されているわけでもないし。そんなに漢籍が嫌いなら、いっそ漢字も止めて「仮名」にしたら? 「まほら」とか「たまゆら」とか。
 
それにアベらウヨが主張する「道徳」自体、中国発の「儒教」倫理そのものではないか。右翼が金科玉条とする『教育勅語』など、まさに『論語』精神のコピーと言える。日中とも「漢字文化圏」と考えれば、元号の出典が漢籍か和書かなどは、「ラーメンが中国起原か日本起原か」論争するようなものだ。文化であれ人種であれ「〜固有の」というナショナリズムは、はなはだ危うい。「自分たちは特別な存在で固有の価値を持つ」という考えは、残念ながら自惚れた錯覚であり、歴史的・科学的なファクトやエヴィデンスからみて間違いである。
 
「令和」の発案者は『万葉集』研究者の中西進(大阪女子大名誉教授)という。最初の元号候補にはこの「令和」は入っていなかった。英弘(古事記)・久化(漢籍)・広至(日本書紀と詩経)・万保(漢籍)・万和(文選)だったが、国書出典の「英弘」「広至」は人名の「ひでひろ」「ひろし」と読めるからダメ。そこであわてて万葉集の専門家・中西に追加を依頼した、という経緯があったようだ。
そうは言っても「令和」だって、「れな」「のりかず」「よしかず」という名の人がいる。
 
中西の師は東大名誉教授の久松潜一で、皇太子(このたび新天皇となる)の妹の「清子」(さよこ)と「紀宮」(のりのみや)という名の命名者である。ともに万葉集からとったもの。これで子弟宿願?の「漢籍排除」と「和風元号」が実現したわけだ。アベ首相の狙いもきっちり忖度して、メデタシメデタシ! とはいえ「平成」の元号決定の時にも、最終候補の「正化」「修文」「平成」がいずれも漢籍からの出典だったため、政府関係者の中から「次は日本由来の元号案を考えておいた方が良い」という意見が出て、以後国書由来の研究が進んでいたのだ。
 
41日朝9時半から官邸の特別応接室で開かれた「元号に関する懇談会」・・メンバーは寺田逸郎(前最高裁長官)上田良一NHK会長)大久保好男(日本テレビ社長)白石興二郎(読売新聞会長)鎌田薫(前早稲田総長)榊原定征(前経団連会長)林真理子(作家)宮崎緑(NHKアナ)山中伸弥(ノーベル医学賞)といった保守右派ごりごりの方々。11時前から開かれた「全閣僚会議」でも、官邸事務方がアベお気に入りの「令和」を忖度してプッシュした。
 
[元号が変わっても?]
 
えーと違和・・じゃない令和になって、日本の保守化右傾化は止まるだろうか? アベらウヨに乗っ取られた自民党は「健全な保守政党」(以前の宏池会のように)に戻れるだろうか。「令和」か・・アベ政治の右傾ぶりをみていると、「国民に命令して和を重んじさせ、異議や反対を封じ込める」という狙いか? 邪推なら良いが。そもそもいつまで「天皇制」を続けるつもりなのか?
 
戦後GHQ(アメリカ占領軍・マッカーサー司令官)はスムーズに日本統治を遂行したかったので、天皇制維持を決めた。「皇室改革」は11の宮家を廃止し、五十数人を“ただの民間人”にしたのみ。これでお茶を濁したのだ。むしろ皇室内部の三笠宮(昭和天皇の弟の一人)が「皇族にも基本的人権を与えよ、天皇は男系のみという皇室典範を見直せ」と、「日本国憲法」施行の1946113日、議会に意見書を提出したがスルーされた。
 
敗戦直後の世論調査では、「天皇の戦争責任」問題も取り沙汰されていたから「天皇制廃止」が56もあったが、今ではそんな本質的議論なんか「カンケイネエ!」とばかり、改元もイヴェントのひとつとでも言うのか、おバカがお祭り騒ぎだ。そしてそれを、衆愚政治の牽引車であるマスゴミが囃し立てる。平成も令和も「日本丸」が「愚者の船」であり続けるのはマチガイ無し?
 
アベ一強と言われるが、最近「保守分裂」による結果、野党が勝つ選挙がポツポツ見られる。小選挙区以前の中選挙区の時代のようにだ。二大政党を前提にした小選挙区だが、自民党一強では何の意味もない。日本人の政治意識が低いためか権利意識が脆弱なせいか、小選挙区制を認めておきながら、野党をサポートして二大政党制に育てる努力を放棄。与党・アベ政権のやりたい放題を黙認している。むろん公明党の保守化も大きな原因だ。
 
経済では「アベノミクス」というフェイク(ナマクラに金メッキほどこした紛い物)政策のために、日銀の黒田総裁が湯水の如くマネーを市場に氾濫させ金融緩和。国債保有(政府の借金)の金額は積み上がるばかり。アベは「後は野となれ山となれ」とばかりに、アメリカのトランプから言い値で超(兆)高い兵器を買わされている。原発クラッシュの後始末もできないまま、人気取りのオリンピックに便乗したりしている。
 
3・11大災害の爪痕と原発放射能汚染はまだまだ続いているが、「東京直下地震」と「東南海地震」のリスクも高まるばかり。「失敗から決して学ぼうとしない」権力者と、それを支持する国民大衆の二人三脚は、令和になっても何も変わらないだろう。願わくば「玲瓏たる平和」な時代であってくれれば良いのだが・・
 
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