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命どぅ宝:転載はご自由にどうぞ:頂いたコメンへの返事は、ほとんど出来ませんのでご容赦

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エクアドル大使館から連行されるアサンジ容疑者

告発サイト「ウィキリークス」
のアサンジ氏逮捕!
― エクアドル挟んで米中の鍔競り合い? ―
 
権力の悪を告発するサイト「ウィキリークス」の創立者ジュリアン・アサンジ氏(47)が保釈条件に違反したとして、411日逃亡(亡命?)先のロンドンにある「エクアドル大使館」で英国警察により逮捕拘束された。七年間籠城していたのだが、四十七歳とはとても見えないサンタクロースのような白髪白髭のお爺さんのようで、相当ストレスが強かったことが窺われる。
 
英国警察がアサンジ氏を逮捕したと知り、アメリカの司法省は声明を発表・・「機密情報の不正入手に関係した容疑で、既に183月彼を起訴している」と。「マニング上等兵(すでに有罪が確定)が国防総省のコンピューターに侵入する手助けをした」というのだ。大量の機密文書が暴露されたのはオバマ政権時代だが、「アサンジ氏が自らをジャーナリストと名乗っているため、起訴した場合に、検察が“報道の自由”を侵害したと非難される恐れがあるため、立件を見送った」という。
 
えらい違いだねえ、日本とは。「検察司法がジャーナリストを起訴したら、報道の自由を侵害したとして非難されるから止めた」というのだ。度し難い国アメリカだが、報道の自由に対するリスペクトだけは日本も見習って欲しいものだ。もっとも日本のメディアは“マスゴミ”なんて呼ばれるテイタラク。同じくゴミのような検察からでさえ、リスペクトなんてとてもとても無理か?
 
[逮捕の背景]
 
でもなんで今になって? エクアドルがアサンジを見放したから? アメリカの圧力? トランプの「ロシア疑惑」と関係あるのか? ヒラリー・クリントンのリベンジ?
 
そもそも英国の警察がアサンジ氏を201012月に逮捕したのは、彼が犯したとされるスウェーデンでの性犯罪容疑で国際指名手配されていたからだが・・この性犯罪容疑というのが何とも不可解というか、“ハニートラップ”だったのか、はたまたコミュニケーショ上の齟齬だったのか・・8月にスウェーデンの女性団体に招かれて出かけて行ったまでは良かったのだが、天才ハッカーのアサンジもしょせんはオトコ? 女性の誘いには弱い。
 
講演が終わった後メンバーの一人に「ねえ、今夜ウチに泊まらない?」と誘われて、止せば良いのに講演でテンションが上がっていたのか、それとも単にスケベ心を刺激されたためか、ノコノコついて行ってしまった。そしてまんまとベッドに誘われて・・と言っても別に大きなトラブルがあったわけではない。無事にスウェーデンを出て英国に来たのだが、問題はそれ以後だ。
 
その女性が友人に「アサンジは、私がコンドーム付けてと言ったのに無視したのよ」と話したところ、「それはスウェーデンでは強姦罪にあたるから、絶対に彼を訴えるべきよ」と言った。彼女にアサンジ告訴を勧めた友人が、どういう経歴のお方か詳細は不明。これでアサンジは国際指名の犯罪容疑者になってしまった。そう「コンドーム装着」(性感染症予防には有効だから、オトコの皆さんは面倒臭がらず必ず実行しましょう)が原因で・・こんなことウィキリークスで報じたのかしら(笑)?
 
逮捕されて9日後に保釈(人権後進国日本みたいに、自白しないとン百日も勾留なんてアリエナイ)されたが、1年半ほど経ち「英国最高裁がアサンジ氏をスウェーデンに移送か?」という記事が出て、保釈中のアサンジ容疑者は126月支援者の手助けで、ロンドンの「エクアドル大使館」に逃込み「亡命申請」した。スウェーデンの検察は175月「捜査」打切りを公表。しかし英国警察は「保釈条件(住む所を限定されるなど)違反」などで逮捕する方針をずっと堅持していたから、エクアドル政府がアサンジ氏保護を止めれば、いつでも再逮捕できる状況ではあった。
 
エクアドル政府がアサンジ氏追放に踏み切ったのは、もちろんこの希代の個性的(アクが強い)人物のアナーキーぶりに手を焼いたからだ。といっても「彼は大便を壁に塗りたくったり、館内をキックスケーターで走り回ったりして困る。夜中には大声を出すし。それに彼を保護するのに、もう650万ドル以上の持ち出しだ・・」なんて問題ではないでしょう(笑)。ホンネは?
 
アサンジはエクアドル政府が「止めろ」というのも聞かず、16年のアメリカ大統領選挙では「ヒラリー・クリントン憎し」(彼女が国務長官だった時に、ウィキリークスを国家への反逆と罵ったから)の気持ちから、民主党陣営より漏洩したメール(これはロシアの情報機関がハッキングしたもの)を公表したりしたのだが、これによりヒラリーは大打撃。その結果「漁夫の利」を得たのがトランプだ。大喜びしたトランプは「アイ・ラヴ・ウィキリークス」と選挙期間中はしゃいでいた。
 
また一昨年(17年)のスペイン「カタルーニャ独立運動」をめぐっても、アサンジがスペイン政府批判のコメントを出したりして、エクアドル政府とスペイン政府の軋轢を生む原因を作ったりした。エクアドル政府としては「もう、いい加減にしてくれよ」となり、遂にアサンジを放り出すことに決めた、という成り行き。
 
さらに「反米左派政権で連帯している中南米諸国」・・親中で中国から投資を受けたりカネを借り、石油を代価として支払ってきたが、カネを返せなくなると自国の港の占有権使用権を中国に奪われたりするので困っていた。そこを突いて「中国憎し」のトランプ政権が、オセロゲームのように各国の態度をひっくり返す戦略に出た。ヴェネズエラでは、左派チャベスの後継政権をCIAを使って揺さぶり、貧乏エクアドルに対してはIMFから42億ドルの融資を受けられるように根回しした。だからエクアドル政府は「アメリカ国家権力の敵(目の上の瘤)アサンジ」を、追放することに決めたのだ。
 
[内部告発の重要性]
 
ウィキリークスが世界の注目を集めたのは、言うまでもなくブッシュ&チェイニーが始めた「イラク戦争」の闇を暴露したことだ。当時情報分析官だったマニング上等兵が「米軍ヘリによるイラク民間人射殺」を内部告発しようと決心し、それをウィキリークスに提供し、ウィキリークスが世界の一流メディアに持込んで世界に発信させたのだ。その生々しい映像は「グアンタナモ収容所における捕虜拷問」の事実と共に、いかにアメリカのイラク戦争が大義も正義もない「人道に反する国家犯罪」であるかを、白日の下にさらすこととなった。
 
しかし911で頭に血が上ったアメリカ国民の999%は、ブッシュ政権が911とは何の関係もないイラクの独裁者フセインに対し、「アルカイダと関係がある」「核兵器を隠し持ってる」と言いがかりをつけ、イラクを攻撃して大量に住民を殺害しても、それは当然の復讐と考えていた。
 
ラムズフェルド国防相やチェイニー副大統領を筆頭に、このブッシュ政権の中枢を担う者たちは戦争で大儲けする「軍需」産業(チェイニーのハリバートン社は戦争によって資産を10倍に増加させた)CEOばかりだったから、何が何でも戦争を始めたかったのだ。だから戦争に反対する国民を黙らせ逮捕するため、『愛国者法』を始めにテロ防止も口実にした「なんちゃって法」が次々に成立した。こうしてすべての国民を盗聴できることにしたのだ。
 
「内部告発」といえば、何と言ってもベトナム戦争の権力犯罪を告発した『ペンタゴン(国防総省)ペーパー』だが、この国家機密を暴いた国防総省・核戦略分析家のダニエル・エルズバーグも、国民からは「売国奴」「裏切り者」と罵られ、「スパイ防止法違反」で逮捕拘禁された。
 

イラク戦争の内部告発では、04年にマスコミのCBSが「米軍によるイラク人への人権侵害」を現地報道している。そして06年にウィキリークスが創設され、2010年には「国民に知られたくない膨大な機密文書」(数十万点)が内部告発によって明らかにされた。さらに2013年には、元CIAの職員スノーデン氏がNSA(国家安全保障局)による「世界的盗聴網」の存在を告発。なんとアメリカの仲間や手下の英・独・日の首相(メルケルもアベも)の会話やメールまで盗聴していた。                                                                        

アサンジとスノーデン両者の違いは何か?  スノーデンは典型的な「良心故に不正を糾弾する内部告発者」であるが、アサンジは内部告発をサポートして受け皿となるジャーナリストと言えよう。政治的スタンスも二人は異なる。スノーデンは「個人の自由」に何よりも価値を置く自由主義・個人主義(リバタリアン)であるのに対し、アサンジは徹底した反権力主義であるから、内部告発により権力側の人間(例えばCIAFBI職員や軍部の幹部や政治家)が危険に陥っても躊躇はしない。
 
スノーデンの内部告発は「国家権力の行政組織が違法な盗聴行為を行い、個人の自由を侵害することは絶対に許されない」という信念に基づく。だから個人としての「内部告発」は正義であり、告発者のプライシーや自由は絶対に護られなければならない、と考える。一方アサンジはもっとカゲキ?で、「情報の独占こそ権力の源泉なのだから、権力側の人間のプライヴァシイなど認めてはならない。すべてを公開すべきだ」という主張。確かに日本でも森首相の過去の「買春疑惑」が報じられた途端、『個人情報保護法案』が国会に提出され、あっという間に成立。政治家や官僚の汚点・醜聞・破廉恥行為が「プライヴァシイ保護」の名の下に、隠蔽されるようになってしまった。
 
とはいえ二人とも「反国家主義」(スノーデンは保守的立場から、アサンジは左翼アナーキーから)であることは共通しているので、「アサンジ逮捕」を聞いたスノーデンは「アサンジ氏を非難する者たちは喜ぶだろうが、報道の自由にとっては最悪の暗黒日だ!」と言った。
 
あ、スノーデンも本当はエクアドルに亡命するはずだったが、手違いからか、エクアドル政府が準備ができていなかったからか、それともアメリカがいち早く知って圧力を掛けたのか、モスクワの空港から一歩も出られなくなり、不本意ながらロシアに亡命となった。これによりアメリカ政府としては「ほら、彼は正義のヒーローなんかではなく、ロシアのスパイだったのさ」、というイメージ操作ができることになったわけだ。
 
[ヒトゴトに非ず=報道の危機はもうすでに?
 
報道の自由と権力とは決してウインウインの関係にはなれない。なぜならメディアの仕事とは「権力を監視すること」だからだ。そして権力は自分にとって不都合なことは必ず隠そうとし、メディアの「表現の自由」を奪おうと脅しをかける。その鬩ぎ合いが「民主主義の歴史」である。最近の日本でも例えばこんなことが・・高市早苗(総務相)が「放送法を適用して局に電波停止を命じることもできる」と発言・・暗に「アベ政権を批判するな」と言っているのだ。
 
権力側は「権力悪を暴こうとする内部告発者」には、猛然と牙を剥いて襲いかかる。告発者の人格を否定するようなスキャンダルを探しだすのだ。「沖縄返還密約」をスクープした毎日新聞の西山記者の場合は、情報を提供した外務省の女性事務員と「不倫」したと騒ぎ立て、「政治問題」をまんまと「性治問題」にすり替えた。マスゴミはワイドショーで連日この下ネタを取上げ「大衆の興味はこっちだろう」と、本題本命の「密約」という国民を欺いた国家犯罪のことはスルー。
 
最近ではアベの口利き疑惑の「加計学園事件」・・当時文部次官だった前川氏が「加計学園の事案は“首相案件”と確かに聞いた」と証言したところ、アベ御用達である読売新聞が早速下半身スキャンダルをデッチあげにかかった。前川氏は未成年女子が援助交際に走る背景(貧困とか虐待とか)を、個人的に調査するため「出会い系バー」に出かけ「話を聞き謝礼も払っていた」のだが、これをあたかも買春したかのように報じて前川氏の人格を傷つけ、彼の証言の信頼性を貶めようと図ったのだ。
 
この二つの例をみてもわかるが、権力は必ず「告発者とメディアを分断させ、対立するように仕向ける」・・これが権力の常套手段。マスゴミが喜んで飛びつくような「告発者についてのネガティヴ情報」をリークし、自分たちにとって不都合な事実から、国民の目を逸らさせたり軽視させたりするように仕向ける。「政権の腐敗や軍の犯罪事実」などは、何としてでも隠蔽したいからだ。
 
先に「アメリカ政府が報道の自由を尊重していて羨ましい」と書いたが、どっこいそれはオバマ政権時代のアメリカのことで、トランプに乗っ取られたアメリカでは通じない。自分に不利な事実=エヴィデンスはすべて「マスコミのフェイクだ!」と罵り、自分に都合の良い嘘だけをトゥルースと広言するのがトランプ流だ。
 
アメリカ司法省による「アサンジ起訴」の訴追理由の危険度は、「報道の自由」も「表現の自由」も根底から奪われかねない“ハンパない”シロモノだ。何しろメディアやジャーナリストが内部告発者に「情報を提供するように頼む」と、なんと共犯関係と見なされ「共謀罪」が成立する恐れがあるというのだ。これではおちおち取材などできるわけがない。「部外秘の情報教えて」と言うと、「煽動・教唆」で逮捕されることもあり得る・・と司法省はメディアを脅している。
 
まるで「軍や安全保障機関の犯罪やミスを暴くことは、国家に対する反逆である」と言っているようなものだ。これではジャーナリストの仕事など、なにひとつできなくなってしまう。だから「アメリカ自由人権協会」や「電子フロンティア財団」が、「司法省の主張は、表現の自由を根本から破壊するものだ」として猛反対しているのだ。外国での調査報道なんてすべて「スパイ容疑」となってしまう。
 
NYタイムズはこう書いている・・内部告発者の告発も我々記者の仕事も、内容的に何も違いはない。それなのに司法省は、「内部告発は国家に対する犯罪だ」と言いたいようだ。権力に都合の悪いことを報じると「反逆罪」にしたいらしい・・アメリカの言う通りに動く日本のことだ。自己愛肥大型のファシスト・トランプとそのミニチュア版のアベが、仲良く二人三脚で「報道の自由=民主主義」潰しに取りかかる日も近い。いやもう始まっているのに気づかないだけ?
 
                                                                        −−完−−

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てんさい

2019/5/14(火) 午前 10:19 [ 櫻(N) ]


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