ここから本文です
ブログ始めました!

書庫全体表示

38年間の教職人生で、5校の高校で教壇に立ちました。
新設開校の高校、藩校からはじまり200年以上の根腐れした「伝統校」、地域に根差した高校、商業高校などでまじめで素晴らしい生徒たちと過ごすことができました。生浜高校定時制の生徒たちとの素朴な授業も楽しかった思い出です。また、いわゆる「進学校の底辺校」でのチャレンジドな授業も充実してました。
中でも、生浜高校の存続運動にかかわったことは、わたしの教職人生で一番の財産になりました。
生浜高校に三部制定時制高校が設置されたのは2007年ですが、2004年秋に千葉県教育委員会の高等学校改変(「統廃合」「高校つぶし」)計画が発表され、生浜高校の全日制過程を廃止して、県立千葉高校の夜間定時制課程を生浜高校に移し、定時制三部制高校(朝・昼・夜の定時制併置高校)とすることが発表されました。突然の新聞発表があった日「生徒が混乱するので全校集会を開いて、説明してください」と朝の打ち合わせで校長に迫りました。急遽、時間割を変更して、6時間目に全校集会が開かれ、校長が簡単な説明をして「心配しないように」という話がありました。
集会後の放課後、16:30頃にバレーボール部の女子生徒が「先生、署名用紙を作ったので、これでいいのか見てください」とやってきました。部活の顧問の先生に見せたら「こういうのは近先生が詳しいから」と言われてやってきたのでした。手書きの文章でしたが、大変よくできた心のこもった要請文でした。署名用紙に住所欄が無かったので、一瞬「住所も書いてもらったら」と言いそうになりましたが、言葉を飲み込んで「県教委が住所がないと言って、受け取りを拒否したら、そこでやりあう」覚悟を決めて「OK」を出しました。それから1週間で2万筆の署名が集まり、最終的には15万筆の署名が集まりました。わずか3か月の大騒動でしたが、学校(生徒・保護者・教員・校長・教頭・同窓会)、地域住民、労働組合、市民運動、県会議員、市長、知事、マスコミを巻き込んでの幅広い闘いをつくりあげました。
生徒たちは放課後の駅前で独特の署名の集め方を繰り広げていました。まず、生徒指導部長に署名の場所と時間を伝えると生徒指導部長が最寄りの交番に挨拶の電話を入れ、生徒たちは駅前に散って個別に声をかけて「母校を守る署名をお願いします」と署名集めをしました。運動部の生徒が交流試合で出向いた高校の運動部に署名用紙を手渡して「署名を集めて生浜高校に送って」と依頼したり、遠征先の駅前で署名集めをしていました。
わたしが、いま思い出しても涙が出るのは、千葉駅前で署名集めをしている制服の生徒の中に見た顔だけど私服の生徒がまぎれていました。その生徒が、わたしに駆け寄ってきて「先生!オレの事覚えてますか?」というのです。半年ほど前に退学した生徒でした。そして「先生、オレもがんばって署名集めてるよ、だってオレの母校だから」と言うのです。中退した生徒にとっても大事な学校です。それを県教委のお役人が机上の計画で潰そうとしていることに、ホントに怒りがこみあげました。県教委に生徒や保護者を連れて署名提出に何度も通い、その度に新聞に書いてもらえるように資料を用意して記者に配ったりしました。県教委に署名用紙を渡して終わりにせず、その場で県教委のお役人に生徒や保護者や同窓会の思いを直接伝えました。可哀想だったのは、中学校から県教委に来ていた担当が精神のバランスを崩してしまったことでした。
学校内でも、内心「存続運動やっても県教委がどうせ勝つよ」という教員もいたと思いますが、だれも公然と「やめろ」と言うことはできませんでした。校長も止める無かったのは、一つの見識だったと思います。教頭は教員と一緒に印刷機を回して署名用紙を一緒に印刷していたぐらいで、管理職の将来をわたしは心配してました。ボクは事務方とネゴシエーターとして県議会でロビー活動などの遊撃部隊をやってました。県教委はかなり嫌がっていて、議員のところに行くと「いま、県教委のやつがお前の悪口を言って帰ったぞ」と言われたりしてました。自民党から共産党まで丁寧にご理解いただけるように資料をもって話して回りました。こういう教員はあまりいないので、県教委も扱いに困ったようです。しかし、処分もされずにこの3月には定年退職の辞令と教育長の感謝状(即シュレッダーしました)が配られて教職を終えました。人事も給与でも、都教委のようないじめを受けることはなかったのは幸せだったと思います。
つづく。

この記事に

顔アイコン

顔アイコン・表示画像の選択

絵文字
×
  • オリジナル
  • SoftBank1
  • SoftBank2
  • SoftBank3
  • SoftBank4
  • docomo1
  • docomo2
  • au1
  • au2
  • au3
  • au4
  • 名前
  • パスワード
  • ブログ

本文はここまでですこのページの先頭へ
みんなの更新記事