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ルドン

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ルドンとその周辺―夢見る世紀末展
三菱一号館美術館
2012年1月17日〜3月4日
 ルドンの最後を飾るのは、展覧会の注目作品、グラン・ブーケ。
 美術館の壁面1枚にひとつだけ飾られた、縦248.3cm×横162.9cmという巨大な花束の絵だ。

 色彩の時代のルドンの絵を見ると青や緑からは日本画の美しい色彩を思い浮かべてしまう。仏陀のシルエットが描き込まれた作品もある。日本、東洋の影響が強く反映しているのかな、と思う。

 照明を極端に落とした部屋に、ひとつだけ飾られたグラン・ブーケを見た時、あまりの美しさに思わず泣けた。



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オディロン・ルドン/グラン・ブーケ 1901年



 さまざまな花、さまざまな色、それが全体として輝き合っている。あの、ルドン黒も、その輝きの中で美しく映えている。ルドンは、華厳、という言葉を知っていただろうか?それとも、様々な経験を経て、この境地に辿り着いたのだろうか?

 これがルドンが見た、華厳の夢。


華厳については、
夏京都入門22 南禅寺 お庭鑑賞
http://blogs.yahoo.co.jp/pensee823/30607261.html

ルドンとその周辺―夢見る世紀末展
三菱一号館美術館
2012年1月17日〜3月4日

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やはり自分も混乱しているなあ。
ルドンの描く黒は、純粋に黒も美しいでしょ、という、ただそれだけなのだ。
赤、青、黄、緑、それらの色と並べてみると、同様に黒だって負けず劣らず美しい色ですよね、という、それだけのことだ。

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オディロン・ルドン/青い花瓶の花々 1904年頃

この絵は、手前にせり出したようなピンクに、なぜかホッとする。いや、ハッするかな。花瓶の青も良い。そしてもちろん黒も挿し色のように置いてある。

いろいろな色が良い。敢えて言う必要は本当は無いけれど、もちろん黒も良い。

さまざまな色の花が青い花瓶の中から咲いている。
さまざまな色の花、その響き合いが美しい。


ルドンとその周辺―夢見る世紀末展
三菱一号館美術館
2012年1月17日〜3月4日

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 ルドンは色彩の時代に入って、若い頃の黒をどうしてしまったのだろう。

 それは既に
http://blogs.yahoo.co.jp/pensee823/31144389.html
で最後に少し触れたのだけれど、相対化されてしまった、と私は思っている。ハイライトは白、それ以外は全部まとめて黒、という対極ではなく、黒はいろいろな色彩のうちのひとつに過ぎない、という位置づけに変わってしまったのだ。

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オディロン・ルドン/神秘的な対話 1896年頃

 この絵は全体にピンクがかって見えて、とても温かい、やわらかな印象の絵である。華やかだけれど、よく見ると黒が画面上に散りばめられている。黒の存在も許されているというか、黒の居場所も確保されているというか、そんな感じがする。自分の気持ちは、この少量の黒にどこか深く引き寄せられているのかもしれないけれど、他の色彩によって適度な距離に押し戻されているのかもしれない。毒っぽくもあり、同時に癒やしでもある、そんな矛盾が絵の上で均衡し、静止しているように思うのだ。

 ルドンの黒は、赦しの黒。


ルドンとその周辺―夢見る世紀末展
三菱一号館美術館
2012年1月17日〜3月4日

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 ルドンの絵を今回、ゆっくりと見て、青、緑の美しさにあらためて気がついた。

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オディロン・ルドン/瞳をとじて 1900年以降

 瞳を閉じて見えて来るもの、心象風景。

 この絵とは別に鉛筆画で繊細なタッチの“瞳をとじて”も展示されていた。モノクロで、これはまたこれで、やすらかな印象で美しい。とくに眼を閉じた人物は、本当に狭い幅の微妙な濃淡で立体感、肌の質感が正確に描写されていて、見るほどに驚きがある。

 それに対して色彩豊かなこの“瞳をとじて”は、人物より背景の青と緑に心奪われてしまった。実物は日本画の青、緑に近い。とても親近感を感じる、穏やかな色だ。この絵は、瞳をとじた人物よりも、むしろ瞳をとじた時に味わう、やすらかな気持ちを、色彩の組み合わせで表現することに重点を置いて描いたのだろう。

 ルドン青。良い。


ルドンとその周辺―夢見る世紀末展
三菱一号館美術館
2012年1月17日〜3月4日

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