千一本目の記事は、千本釈迦堂(京都)から。昨年の春に行った京都の記事が、まだ途中だった。山門にも“千本釈迦堂”と堂々と書いてあるけれど、正式には大報恩寺だ。
本堂の前には大きな松と桜。あまりに大き過ぎて、本堂を隠してしまうほどだ。向かって右が有名な阿亀桜。
鎌倉時代(1227年)に創建された本堂。戦乱や大火など、火事が多かった歴史の中で、珍しく被災を免れた京都市内最古の建造物だ。たしかに、そんな気がする。
おかめ像。本堂の建立に関わった棟梁である高次の妻、阿亀の像だ。本堂を建てるために使う4本の柱のうち、1本を過って短く切り過ぎてしまい、困った夫に、阿亀は“斗組”を使ったらどうか、と助言して窮地を救った。その後、女の提言で棟梁としての大任が果たせたと世間に知れては夫の面目が立たないことを懸念して、阿亀は上棟式を待たずに自害したと言う。その阿亀を偲んで当時の人々宝筐院塔を建てたのだそうだ。写真は、それとは違って、昭和54年に建てられたもの。
この“おかめの物語”を読むたび思うのが、今も変わらない、男と女の仕事の仕方の違いだ。会社で、トップの指示がどうにも奇妙な形で現場に伝わることがある。いったいどうしてこんな奇妙な手続きになっているのか、よくわからないまま、奇妙で複雑な手続きを、手間をかけながら男性社員が忠実にフォローしている。そうかと思うと、同じ仕事を別の部署では女性社員がまたたく間にサクッと片づけていたりする。どちらも最終的には同じ成果を出しているのだけれど、かけた時間と手間、アプローチがまるで違う。男性社員は、言われた通り、マニュアルに書いてある通り、忠実に作業している。マニュアルに書いてないと、「どうするのか」なんて電話かけて聞いたりしている。電子メールで返事が来るのを呑気にいつまでも待ち続けているのも居る。いっぽう女性社員は、満たすべき条件と完成イメージを明確にして、省ける作業を容赦無く省いて強引に完成に持ち込む。早く仕事を終わらせて、保育園に子供を迎えに行かなければならないから。いっぽう、トップはというと、細かいこと、まして手続きなんて気にしてないから、成果を早く出してくれればOKなのだ。
だから“おかめ物語”を読むと、おかめの機転を偲ぶ、というより、男の仕事ぶりのまずさは今も昔も変わらないな、などと思ってしまう。
阿亀桜
千本釈迦堂
2012年4月7日
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