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大学入試は私大が今、まさに入試日。遅くなってしまったが、センター試験の政治経済、第5問を見ておく。

 第5問は米ソ冷戦後の多極化する国際社会の問題だ。国際問題は、時事問題が出やすく、歴史、地理的な知識も必要なので、苦手だなあ。正直、対策のしようがあるの?というのが国際問題だ。

 米ソ冷戦は、軍拡競争が過熱化して、両国とも軍事費負担に耐えられなくなったことで終結に向かい始めた。とくにソ連では、戦争の脅威より、国民の日常的な生活が現実に支障を来し始めていた。経済の問題は影響力がほんとうに大きい。

問1 EUの基本知識で解ける問題。“(3)政治統合を先行させ、次に経済統合を進展させている。”が明らかに間違い。普通、経済的な交流があり、統合が進んで、次に政治統合、という流れだ。“(2)21世紀に入ってからも、加盟国が増加している。”とは2013年7月クロアチアのことだ。教科書に書いてあるようなことの後日談的な時事は、出題されるから要注意。まともな時事対策をしようと思ったら、教科書レベルの勉強は最低限やっておく必要がある、ということだ。

問2 これは知識問題。知らなければ時間をかけずに飛ばすしかないけれど、どんどん飛ばしているうちに問題が終わってしまうのは、ちょっと情けない。あらためて教科書を確認すると、軍事条約の記述って薄い。どのくらい薄いかというと、条約名と年号だけ羅列してある、みたいな。救いは、名前だけ憶えておけば良い、ということ。山川の教科書には、戦略兵器制限交渉(SALT)、中距離核戦力(INF)全廃条約、戦略兵器削減条約(START)核拡散防止条約(NPT)、包括的核実験禁止条約(CTBT)が載っている。名前だけで“(3)中距離核戦力を全廃した”は消せる。あとは素直になって、戦略兵器削減条約→戦略兵器削減→“(2)配備済みの戦略核弾頭を削減した。”と回答することかな。いちいち、用語集とかで調べても、内容まで暗記しておけるか、という問題があって、ムリなんだな、これが。

問3 イスラエルの地図だ。苦手感マックス!わからなければ、適当にマークして次へ。

“ア この地区で展開された、国連のPKOに、日本の自衛隊員が派遣されたことがある。” ゴラン高原のことじゃないですか。ゴラン高原ってどこですか?ソチってドッチみたいな、時事問題で登場する地名は、地図でこまめにチェックです。これがわかれば、(1)(2)に絞ることができて、正答率は50%に。

問4 難問が続く。難民条約って教科書に載ってないけれど、国連のホームページを見ると、主要活動のひとつとして位置づけられていて、政治問題だけでなく、自然災害による場合も含む。その数36.4百万人。教科書レベル(参考書レベルでも)では正答を絞れない問題。

問5 さて、ここで気持ちを立て直せるか?
“(1)国際司法裁判所が裁判を行うには、紛争当事国双方の同意が必要とされる” 教科書にもほとんどそのまま掲載されていて、これが正解。

問6 最後の問題も教科書には掲載されていない。4肢を見回すと、(2)だけが軍事問題で、他は人間の日常的な生活に関することなので、答えは(2)だと見当をつける。地域紛争の根源には、資源問題、環境問題、貧困など身近な生活感を伴う問題があり、それらを解決することが重要である、という認識が1994年の人間開発報告書で提示されている。紛争の無い国際社会の実現について、目には目を(軍事力には軍事力を)というアプローチを求めてはいけない、そんなメッセージを込めてセンター試験の政治経済は締め括られている。

第4問は日本国憲法の問題だ。問1から問3まで、アタマをグリグリと回転させられる良問を解いてきて、4問目が憲法かー。憲法好き?私は学生の頃は嫌いだった。憲法には大きく分けて、人権に関する部分と統治に関する部分があって、統治に関する部分はひたすら暗記で何とかなる、という意味で、わりと確実な得点源だ。問題になりそうな部分をガンガン暗記しまくるのが良い。

問1
肢(1)は、いきなり明治憲法だ。憲法嫌いの学生の逆鱗に触れるような問題の作り方だな。これでヤル気無くしてはいけない。日本国憲法の肢(3)から攻める。
(3)日本国憲法は、皇位は世襲のものであって男系男子に継承されることを、明文で定めている。
あー、一時期話題になった皇位継承問題だ。皇位継承のルールを具体的に定めているのは皇室典範で、日本国憲法にはこんな記述は無いから×。
(4)日本国憲法は、国会の指名に基づいて天皇が行う内閣総理大臣の任命に際して、不適格な人物については天皇が任命を拒否できることを定めている。
ははは。日本国憲法に、むしろ定めてほしい。内閣総理大臣、決まらないのでは?日本大空位時代。×
で、やっぱり大日本帝国憲法に戻って来てしまった。大日本帝国憲法まで読んでなければ、あとは感触でやるしかないが、テキストをしっかり読んでいれば(2)天皇機関説が正解だとわかる。

問2
国民主権を具体化している制度について。
(1)日本国憲法は間接民主制を採用しているので、国民が、国民投票によって直接に国政上の決定を行うことはできない。
安倍総理のライフワーク、憲法改正の議論がまさに、憲法改正の国民投票、直接民主制ですよね。×
憲法96条。
(2)は憲法95条に書いてある。×
(3)選挙運動の際の、候補者による有権者の住所への個別訪問禁止は、テキストに書いてある。×
(4)憲法79条 ○
日本国憲法は、とくに統治に関して、何がどこらへんに書いてあるか、暗記だ。

問3
各選挙区の当選者数は、
小選挙区   3,2,0
比例代表制 2,2,1
となるから、誤っているのは(3)(これが正解)

問4
出た、個数問題。個数問題は一般に難問だ。しかも、明治憲法についても正誤判定させるなんて、厳し過ぎる。
日本国憲法の場合(A,B,C)=(○、×、○)
これは簡単。
明治憲法の場合、
A 貴族院は公選ではないので×(テキストに記述あり)
B 勅令に関する規定があるので○(テキストに記述あり)
C 内閣総理大臣を指名する、というのは、明治憲法っぽくないので×
以上から正解は(5)だが、明治憲法を詳しく知っている必要は無いにしても、おおよその雰囲気を知ってないと、なかなか難しい問題だ。

問5
読図の問題。
参議院は3年ごとに選挙が開催されるので、Aが参議院議員選挙。
これで(1)(3)が正解の候補。
消費税導入は1989年で、この時の投票率が最も高いことから(3)が正解。
消費税関連の年号は暗記。
1989年 導入
1997年 消費税率5%に引き上げ
2014年3月 消費税率8%に引き上げ
2015年10月 消費税率10%に引き上げ
これ、全部テキストに書いてある。

テキストは最新版を使う。話題になったことでテキストに書いてあることは、しっかり覚えておく。これ重要。要するに、時事問題を知っているだけではダメで、テキストで扱っているような時代の流れ、テーマの取り扱い方の中に位置づけているか、が問われている。

問6
裁判所の違憲立法審査権について。積極的に行使すべき、という考え方の根拠となる考え方?
各肢を読んで答えるしかない。けれど、こういう問題は、その場で読んで考えれば正解できる可能性が高い。いわば、憲法の読解問題。
(1)はなんだかもやもやっとしていて、よくわからない。とりあえず保留して次へ。
(2)は、違憲立法審査をできれば国会に押し付けてしまおう、という考え方。
(3)これも(2)と同様。
(4)あ、これも(2)と同様。
つまり(2)〜(4)は消極説。ということで(1)は、実は積極説なのでは、と思って読み返すと、まさに(1)が正解。

問7
日米安保条約に関する問題だ。憲法第9条、自衛隊、日米安保条約に関して、テキストはわりとページを割いている。憲法改正の論点のひとつでもあり、やはり出題されたか、という感じ。
(1)が正解。テキストに書いてある通り。

以上、第4問も、テキストをしっかり勉強してあれば、ほとんど解けてしまう問題であることがわかる。






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(続き)
問6
この問題も、肢を順番に検討すると、法律の知識とか、テキストにあまり詳述されていないコーポレート・ガバナンスとかが登場するので、知らないと焦るかもしれない。その気持ちを抑えて(4)を検討すると、これが正解。

(4)は、株式会社の活動によって生じた利潤の使いみちだ。株主に配当するか、より収益拡大するため再投資するかだ。株式会社の基礎知識、というか常識であり、日本の株式会社について固有のことではない。日本企業の問題点は、利潤率が低いこと、従って株主への配当もそれほど高くないこと、また、儲かっても、再投資するでもなく内部留保として溜め込んでしまうことだ。儲かっているなら、社員の給料にも反映して欲しい、と思うけど。

さて、スキップした(3)は株式会社のコーポレート・ガバナンスの問題だ。山川のテキストをあらためて読むと、この問題に関する記述が意外にアッサリ。会社で仕事をしていると、とても身近な問題だし、企業の不祥事に関するニュースも相変わらず多い。企業統治の問題はとても重要だ。この肢をきちんと把握するなら、アメリカのSOX法の成立、そのキッカケとなった企業の粉飾決算の頻発というイベントを押さえておく必要がある。株式会社は所有(株主)と経営(経営者)の分離という原則で成り立つが、放置すると経営者が強大な権限を濫用し、不正行為に及ぶ可能性が高い。そこで、経営者の権限に制約を加える、というのがコーポレート・ガバナンスの基本的な考え方だ。

問7
大学入試センター試験って、ほんとにいろいろなことを質問して来る。
学生は、いちいち全部知ってるのか?そんなに勉強してるのか?と思うけれど、肢を順に読むと、常識で解答できてしまうものが、きちんと置いてあるので、このような肢を確実に見つけて正解することが大切だ。細かい知識を聞いているわけではなく、基本をしっかり勉強しているか、を確認するテストなのだ。

この問7の場合、肢を順に読むと、(2)“政府によって日本郵政株式会社が公社化され、”で、アレレ?とわかる。郵政民営化だね。これが正解。その他は、なんだかモヤモヤッとした内容の肢ばかりで、こういうのをいちいち考えて、正誤判定していたら、時間ばかり食ってしまう。

以上、第3問は終了!

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第3問の続き

問6
(1)法律の問題だ。独占禁止法。なんで?昨年、一部が改正されたからか?

改正の内容は次の通り。

・公正取引委員会が行う審判制度を廃止するとともに,審決に係る抗告訴訟の第一審裁判権が東京高等裁判所に属するとの規定を廃止する。
・裁判所における専門性の確保等を図る観点から,排除措置命令等に係る抗告訴訟については,東京地方裁判所の専属管轄とするとともに,東京地方裁判所においては,3人又は5人の裁判官の合議体により審理及び裁判を行うこととする。
・適正手続の確保の観点から,排除措置命令等に係る意見聴取手続について,予定される排除措置命令の内容等の説明,証拠の閲覧・謄写に係る規定等の整備を行う。

行政法の観点から重要だけれど、大学入試センター試験対策としては、ここまでは問われていない。でも、教科書に載っている法律が改正されたのだから、基本知識は確認しておけよ、ということだろう。山川のテキストには、直接的な記述は無いけれど、“株式持ち合い”の記述はあるから(1)は誤りだとわかる。独占禁止法が禁じているのは、過度の保有だ。

(2)会社法では、株式会社の設立にあたり、最低資本金の額が定められているか?また法律の問題だ。学生は法律の問題って好き?たぶん、日本国憲法だって消化不良気味の人、多いよね。私もそうでした。“1円起業”という言葉を知っていれば、誤だとわかるのだけれど。

第3問は、経済のグローバル化の問題を扱っている。企業にとっては金融、インターネットの影響で国際競争が激化している。短期間で他の企業を次々と買収し、巨大化する企業に対して、どのように歯止めをかけるか、という点で独占禁止法の運用が問題になる。国内市場だけに目を奪われて運用を厳しくすると、国際競争力のある企業が育たない。反対に国際競争力を優先して企業の集中化を容認してしまうと、国内市場は寡占化、独占化が進行してしまう。独占禁止法の運用はデリケートだ。

国際競争の問題から会社法を捉えると、2006年の改正は起業を容易にして、日本経済を活性化するという期待が込められていた。最低資本金制度の廃止も改正点のひとつだ。1円あれば企業できるぞ!なぜ起業しないんだ!なんて焚き付けられたなあ。確かに巨額の資本を必要としないIT企業などは、起業しやすくなった。しかし、そのまま成功しやすくなった、わけではなかったが。

(続く)




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ちょっと間が空いてしまった。今日は第3問。経済からの問題だ。学生Aと学生Bが、金融の影の部分について対話しつつ、社会的な責任とか、営利を目的としない経済主体の活動など、社会正義の実現に目を向けさせる、経済学の本質をついた、これまた素晴らしい問題だ。人間、生きていくために食わなければならない。経済的な利益は大切だ。しかし、それだけで良いのか?より良い社会は、それだけではない。そんなメッセージを、この問題から受け取りたい。

問1
(1)国民年金は、保険料の未納が問題となっている?新聞、テレビでも騒いでましたね。
(2)厚生年金は、在職中の報酬に比例して支給される?学生には難しい問題かもしれない。こういう問題は保留して次へ。
(3)急速に進展する少子高齢化の問題に対応するために、支給水準の引き上げが行われてきた?これが誤。支給水準を引き上げたら、問題が悪化してしまう。支給水準を下げるから、テレビでもお年寄り世帯が街頭インタビューで文句を言うわけだ。生活していけないよ、と。
(4)企業年金の管理を委託されていたノンバンクが運用に失敗し、払い込まれた年金の元本が失われるという事態が・・・、AIJ投資顧問の事件ですね。
大学入試センター試験の政治経済の場合、時事問題対策は、それほど詳細に内容が理解できていなくても大丈夫、テレビ、ラジオ、新聞などで、あ、なんか盛んに報道してるな、程度で十分かも。

問2
個数問題は難しい。すべての肢の正誤が判定できないと、なかなか正解できないから。肢を読んで、どれもピンと来なければ、適当にマークして次の問題に進んでしまうのも、時間対得点効果の観点で得策だ。

この問題は、経済循環という、重要なテーマで、経済学の基本。山崎広明/もういちど読む山川政治経済(山川出版社) P119は、とても詳しく描いてある。この図が頭に入っていれば、正解は(6)BとC

問3
読図の問題だ。知識が無くても、図が読めれば正解できるので、ある意味、政治経済の問題というより、知能テストに近い。ただ、手際良く処理しないと、時間ばかり食ってしまう。

全世帯を所得の低い方から高い方に並べた上で、世帯数を5等分したところでグラフを色分けしている。もっとも富裕な第Ⅴ階級が全体に占める面積が大きいほど、貧富の差が激しい格差社会であると読める。あぁ、なんだか、ウォール街を占拠せよ、の事件が甦って来る。

(3)(4)は、すぐに誤だとわかる。問題は、(1)(2)だ。
(1)日本では、第Ⅰ階級所得シェアに対する第Ⅴ階級所得シェアの比率が図中の中で最も小さい。
と書いてあるので、その通りに第Ⅰ階級所得シェア5.3 第Ⅴ階級所得シェア43.7で、たぶん、43.7÷5.3の値のことを言っていると考えられる。この値が小さい、というなら、ノルウェーのほうがさらに小さいはず。だから(1)は誤。この段階で消去法により(2)が正解。

この問題は(1)から順番に解いて、しかも、丁寧に計算などを始めたら、時間を消費してしまう。わかりやすい肢から消去するのは、確かに大切だけど、どのような順番で肢を解くかの切替は、試験本番でテンパっていると、なかなか難しい。ただ、言えるのは、リラックスしている時は、意外にパッと(3)(4)は簡単そうだな、とわかってしまう。不思議だけれど。

問4
難問かな?教科書レベルだと正解が見つからないかもしれない。(3)信用創造、(4)買いオペレーションあたりは正と判定できるけど、(1)基準割引率?基準貸付利率?(2)マネーストック?単に知っているか、いないかの問題なので、こういう問題は(1)か(2)か、適当にマークしておけば良いかも。

問5
部分均衡分析だ。山川の教科書P130では価格メカニズムとして説明されている。1ページだけだが、
(ア)消費者の所得の増加や流行で需要が増えると、需要曲線は右に移動する
(イ)豊作や技術革新による生産性の向上で供給が増えると、供給曲線は右に移動する
と説明がある。これだけで、解けてしまう。
(ア)は肢(2)、(イ)は肢(3)に対応していて、輸入量を増加させるのは肢(2)だ。
全部の肢がわからなくても、教科書をしっかり勉強してあれば、正解が出せる、という問題。
教科書だけと、割り切って勉強しておくと、肢(4)関税の引き上げでドロ沼にはまらなくて済んだりする。関税引き上げの分析は、大学級のミクロ経済学で、社会的経済損失とかを議論するなら必要な知識かもしれないけれど、じゃあ、高校生でそこまでヤルか?他に勉強すべきことがあるでしょ、って感じかも。

問6、7は次回へ。



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