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Before christmas

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第2章 夏の終わり、始まりの季節
 
(1)
 
仰木は、約束通りの時間に来ていた。
 
俺は、2分遅れた。
 
「待った?」
 
「今来たばっかりだよ〜。」
 
「ドラマみたいなこと言いやがって。」
 
「ウフフ♪ じゃ、行こうか!」
 
「デートじゃないんだから〜。」
 
「分かってるよ〜♪」
 
CDショップとはいっても、歌謡曲や「懐メロ」を多く扱う店だ。
 
俺もそういう店に行きたいとは思っていた。
 
しかし、店の場所を知らなかった。
 
その点仰木はいろいろな情報を知っていた。
 
典型的な女子と言ったところだろうか。
 
駅から5分ぐらい歩いたところに、その店はあった。
 
いかにも昭和を感じさせるようなたたずまいだ。
 
「こういう場所、来てみたかったんだ〜!」
 
「喜んでくれた? 私、ここに来るの今日で3回目。」
 
「そんなに来てるんだ…。」
 
「うちに専用のレコードプレイヤーもあるし。」
 
「へぇ〜。」
 
やっぱり、金持ちは違う。
 
「専用のレコードプレイヤー」って、なんだ?
 
その店に入ってみると、やはり普段はお目にかかれないようなものが多くあった。
 
昔のアイドルのレコード、演歌歌手のレコード、20年以上前のCD。
 
昭和歌謡好きの自分にとっては、まさに「天国」のような場所であった。
 
「どれがいいかな〜?」
 
「どういうのが好きなの?」
 
「私は…フォークかな?」
 
「へぇ〜。 俺は、アイドルとか歌謡曲かな?」
 
「フォークは!?」
 
「そこそこ好き。」
 
「そこそこって何よ〜!」
 
「そこそこはそこそこだよ。」
 
「もう、フォークのよさを分かってないんだから。」
 
「わかってるよ・・・。」
 
そうして一通りの買い物を終えて町を歩いていると、ジムの前で止まった。
 
−(2)へ続く−
その翌日。
 
俺は夏休みの部活動コンパをやっていた。
 
俺は弓道部で、男女混合だ。
 
コンパと言っても大人がやるようなコンパではなく、ただ一緒に飲んだりするだけだ。
 
今回はカラオケで、夜中の8時ごろまでずっと歌っていた。
 
昼前から歌っているだけあって、のどが痛くなってきている。
 
俺は今流行りの歌は何も知らない。
 
1、2回目は何とか流行りの歌で切り抜けられた。
 
しかし3回目ともなると歌のレパートリーが少なくなってくる。
 
そうして、昔の歌謡曲などを歌って空気をしーんとさせてしまう。
ただ、1人だけ趣味が合う子がいた。
 
斜向かいに座っていた「仰木 彩音」だ。
 
「ねぇ、そういう曲好きなんだぁ〜♪」
 
「う、うん。 今の音楽よりは…」
 
「そう思う? やっぱり昔の曲の方が深みがあっていいよねぇ〜!」
 
「深み? わからないでもないけど・・・」
 
「そんなぁ! 今度一緒にCDショップ行かない?」
 
「え!? いいよ♪」
 
「ウフッ、素直だね。 鵠沼くん!」
 
「・・・」
 
そうして、部活動コンパが終わった。
 
合計4950円。
 
あまりにも高い金額になってしまった。
 
しかし、仰木が半分を出してくれた。
 
「そんなに出して平気なの?」
 
「いいのいいの! うちのお父さん、スーパーの社長だから。」
 
「え? っていうことは、お嬢様?」
 
「そういうことになるかな〜♪」
 
以外にも、仰木は社長令嬢のようだ。
 
気品のよさは目に見えて分かる。
 
ただ、ここに柳がいないのはさびしい。
 
恐らく、差別されているからであろう。
 
義父が在日だから。
 
ただ、それだけ。
 
今日はどこで何をしているのだろう?
 
「ねぇ、いつにする?」
 
「・・・ん? じゃぁ、明日はどう?」
 
「じゃ、明日の朝10時にJRの駅前ね!」
 
「わかった・・・」
 
柳は、トライアスロンの練習でもしていたのだろう。
 
−第2章(1)に続く−
突然の告白の翌日。

今日は夏でも特に暑い日だった。

デパートの温度計は41度を指している。

そんな日に、柳は炎天下の中マラソンをしていた。

自分の家の前を柳が通りかかったときに、柳はこちらに気づいた。

「お〜い! 鵠沼! ちょっと出てこいよ〜!」

少しビビった。

なぜなら、俺はマラソンと暑さが大嫌いだからだ。

「自転車でもいいならな〜。」

「構わね〜よ!」

それなら、ということで出ていくことにした。

出ていくと、柳は笑顔で立っていた。

「なんでこんな暑い日に?」

「やっぱり、あれだな。 地球温暖化って怖いな!」

「そうじゃなくて、マラソンだよ。」

すると、今まで聞いたことのなかったことが発覚した。

「俺、トライアスロンに出たいんだ。」

「トライアスロン!?」

「そう、トライアスロン。」

柳は確かに運動能力は抜群によく、クラスでも1位2位を争うほどだった。

しかし、トライアスロンともなるとフルマラソンにスイム、バイクの3つだ。

そんな過酷な競技に柳は出ようというのだ。

正直なところ、正気かと思った。

だが、柳は本気だった。

「俺さ、「在日の息子」とか「チョン」って呼ばれてるじゃん。」

「そ・・・そうだな。」

「でもさ、そんなこと言ってるやつらを見返したいんだよ。」

「ほぉ〜。 でも、厳しいぞ?」

「だからこんな暑い日に走ってるんだろうが。」

「まぁな・・・。 俺は応援しかできないけど。」

「それだけで結構だよ。」

そうして、俺らはしばらく走ることとなった。

川辺の道、緑の桜並木、正面には連峰。

俺らはどれだけ走ったことか。

昼過ぎに出たというのに、もう夕日がさしていた。

「コンビニ行ってくる。」

「あぁ。」

そうしてコンビニに行って帰ってくると、

「じゃ、走るか。」と。

本気なのだ、と初めて気づいた。

「まぁ待て。スポーツドリンク買って来たぞ。」

「ありがとな。」

というと、少し飲んでドリンクのボトルを俺に預けて走って行った。

俺は、こいつなら信じていいかもと思った。

少し人間不信なところがあり、人を疑ってしまうところが俺にはあった。

しかし、俺はこいつは本当に信頼できると思った。

道の前には夕陽が当たり、とても温かかった。

−(3)へ続く−
「Before christmas」
 
序章  偶然の産物
 
 
「俺の父さん、本当の父さんじゃないんだよ。」
 
いきなりの告白だった。
 
正直、言われた時は意味がわからなかった。
 
「でも、詳しいことは言いたくない。」
 
つまりは、こいつは「養子」だったのだ。
 
そのうち詳しいことも言いだすだろう。
 
「そうか・・・。」
 
としか言えなかった。
 
どれだけこいつ、「柳」がひどい境遇に立たされているか。
 
自分には理解しえないものがあった。
 
いや、理解したくてもできないのだ。
 
「俺が父さんと血がつながってないって分かったのは5年前なんだけどね。いまだに心の整理がついてない。」
 
いつも、俺らの前では笑顔だった。
 
その柳が、こんな暗い顔をするなんて。
 
想像がつかなかった。
 
柳だって高校2年生という微妙な年齢だ。
 
「ガキのくせに」と言われることもあれば、「いい年こいて」と言われることもあるだろう。
 
でも、愚痴1つこぼさなかった。
 
弱音だって吐かなかった。
 
裏ではどんなに苦労していたことか、考えるだけで胸が苦しい。
 
 
柳は在日朝鮮人の息子だって言ってた。
 
名字が日本らしいのは、「創氏改名」で無理やり日本風の名字に変えられたかららしい。
 
ただ、父親と顔が似ていなかった。
 
高校で保護者の集まりがあると必ず来るという父親だった。
 
でも、学校に来るたびに後ろ指を指されていた。
 
在日朝鮮人、蔑称「チョン」だからだ。
 
保護者は必ずと言っていいほどひそひそ話を始める。
 
日本人というのは、昔から差別をしてきた。
 
奈良時代には「賤民」や「奴婢」として人を扱うことがあった。
 
江戸時代も、「えた」や「ひにん」として扱っていたりもした。
 
そんな日本人だから…という考えは、あまりにも悲しい気がする。
 
しかし、柳はというといかにも日本人らしい顔つきをしている。
 
でも、「朝鮮人の息子」と言うだけで勝手に悪い評判がくっついてくる。
 
 
日本と朝鮮…この間には、断ちたくても断てない因縁がある。
 
この日を境に、柳と俺は妙な絆で結ばれることとなった。
 
 
(2)へ続く

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