ペットのきもち

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猫の感染症 その7

こんにちは、獣医師のsinです。

猫の感染症のお話についてですが、今回は猫カリシウイルスというウイルスです。

このウイルスは一般的なワクチンに組み込まれており(3種混合)、予防可能なものです。

ただし、ワクチンを打っていない猫には、いわゆる「猫かぜ」と呼ばれるくしゃみなどの症状を出すとともに、口の中や足の裏などに潰瘍をつくることがあります。

何はともあれ、「猫かぜ」といわれる程度で、それほどに危険なものではないというのが一般的な考え方だと思います。

しかしながら最近、このウイルスに死亡率の高い変異体が見つかったのです。

このウイルスには少し困ったことがいくつかあります。

まず一つ目は、ワクチンの効果があまり期待できないことです。

同じカリシウイルスという仲間ではあるのですが、その顔立ちが微妙に違うらしく、これまでのワクチンで従来のカリシウイルスを覚えていても、役に立たない場合があるようです。

二つ目が、このウイルスは消毒薬に結構抵抗性を持つようなのです。

このウイルスとほとんど同じような症状が出るウイルスに、以前紹介したヘルペスウイルスというものがあります。

このヘルペスウイルスはアルコールで消毒可能なのですが、カリシウイルスはアルコールでは消毒できず、次亜塩素酸などのより強力な消毒薬が必要になってきます。

このようにいくつかの困った事情があるのが現状です。

私自身はこのウイルスに感染した猫を見たことはありません。

日本でこのウイルスがどの程度いるのかも分からない状況です。

そのため、どのように対策を立てるべきか等のアドバイスが思い当たらないです。

ウイルスも刻一刻と進化をしていて、ワクチンを打っているから必ずしも安心というわけではないようです。

日頃から他の猫との接触には十分に注意することが必要ですし、こうした新種のウイルスに獣医師もペットオーナーさんも気を配る必要がもっともっと出てくるものと思われます。

猫の感染症 その6

こんにちは、獣医師のsinです。

今回は猫白血病ウイルス(FeLV)についてです。

このウイルスの感染の仕方は前回お話した猫免疫不全ウイルス(FIV)とほとんど同じです。

主な感染はウイルスを持っている猫の咬傷などです。

このウイルスが猫免疫不全ウイルス(FIV)と違う点は、日本でもワクチンが販売されているという点です。

しかし、まだまだワクチンの普及はされておらず、実際のところどのくらい予防効果があるのかは不明な点が多いです。

猫白血病ウイルス(FeLV)は、白血球の病気を起こしやすく、リンパ腫などの腫瘍になる可能性があります。

そのため、このウイルスに感染しているかどうかによって腫瘍のなりやすさが変わるようです。

さて、このウイルスもFIVと同じように動物病院で気軽に検査できます。

少し採血をするだけで、10分もあれば検査できますので、これも気軽にできるのではないかと思われます。

ただこのウイルスの感染を確認する場合、ちょっとユニークな事情もあるのです。

実はこの猫白血病ウイルス(FeLV)は一度感染しても、ウイルスを完全に排除することがあるのです。

ですから、一度このウイルスに感染していることが分かっても、後日(6ヵ月後くらいが目安らしいです)もう一度検査をして、それでも感染が確認された場合にのみ、継続して感染が続いていると判断されます。

一度の検査では分からないところがFIVとは少し違う点です。

治療法もいくつか提案されていますが、ユニークな治療法があります。

インターフェロンαと呼ばれるものを口の中に少量塗ることで、口の中の粘膜から薬が吸収され、免疫力を高め、余命を延ばすとのことです。

今までは見守るしかなかった病気に、少しずつ治療法が発見されていくのは、本当に喜ばしいことだと思います。

このようなチャレンジにより、少しずつ治らない病気が治っていってほしいと思います。

猫の感染症 その5

お久しぶりです、獣医師のsinです。

ここ数週間、多忙な日々を過ごしていまして、無理を言って2週間の休みをもらいました。

さてシリーズ化が進んでいました猫の感染症について、今回は猫免疫不全ウイルスを書いていこうと思います。


猫免疫不全ウイルス(FIV)は、人の人免疫不全ウイルス(HIV)と近縁のウイルスであり、猫にエイズ状態を引き起こすものです。

ちなみに、猿には猿免疫不全ウイルス(SIV)というものがあります。

また、FIVに非常に近いウイルスでライオンやピューマに感染する免疫不全ウイルスも存在するようです。

このように、免疫不全ウイルスは様々な動物で見られるのです。

ちなみに、犬は今のところ見つかっていません。

不思議ですね。

このウイルスに感染した場合の根本的な治療法は今のところ存在しないのです。

現在、HIVの治療薬をそのまま利用した治療法や、抗ウイルス作用を持つ物質をいろいろと試してみてはいますが、本当の意味で完治することはないようです。

数年前、アメリカでFIVのワクチンが開発されたようですが、効果のほどは・・・(いろいろな解釈があります)

また、アメリカのFIVと日本のFIVは少しタイプが異なってるようで、アメリカで有効だからといって、日本の猫で有効かどうかは分からないのです。

結局は、FIVにかからない、かかっていたら他の猫に感染させないことが最も大事なのですね。

特に、日本はFIVがかなり蔓延している国であり、外猫の10%以上は感染していると言われています。

また、HIVと異なり、唾液にウイルスがいるため、猫同士の咬傷でも感染することがあります。

そのため、他の猫とけんかをしないために、去勢手術のように闘争心を弱めることも大事なのかもしれません。

いずれにせよ、感染させないことが第一です。

また、感染しても無症状のままで一生を過ごすこともあるので、根気よくお付き合いする病気でもあります。

一度も検査をしていない猫や、外によく行く猫にはこの検査をしておいたほうが良いと思います。

検査は動物病院で採血をし、10分ほどで行える手軽な検査です。

これ以上不幸な猫を増やさないためにも、予防意識を高め、感染率を欧米並み(大体2〜3%くらいと言われています)にしていきたいものですね。

猫の感染症 その4

こんにちは、獣医師のsinです。

さて、これまでずっとウイルスの話をしてきましたが、今回は少し視点を変えて違う病原体の話をしようと思います。

今回の内容は、マイコプラズマについてです。


犬や猫も、人と同じく肺炎になります。

ただし、その病原体は動物種によって微妙に違っています。

ですので、猫のマイコプラズマ肺炎が人に感染するという心配はほとんどありません。

猫の肺炎の原因は様々です。

非常に小規模な調査(21頭の猫)ですが、猫の肺炎の原因のうち、実に半分以上がマイコプラズマによるものだという結果があります。

大々的な調査ではないのでこの割合が本当に正しいのかどうかは少し疑問が残りますが、猫の肺炎はマイコプラズマによるものが多いという印象を持ちます。

マイコプラズマ肺炎は人では非常に穏やかな肺炎で、高熱が出ることもないですし、入院することも珍しいそうです。

猫も同様に重症になるケースはそう多くありません。

したがって咳が続く場合、マイコプラズマ肺炎の可能性が捨て切れません。

さて、人ではオリンピックの年にマイコプラズマ肺炎が流行するという、不思議な現象が起きます。
(4年に1度、流行するようです)

猫では‥、どうなんでしょうか?(私には、よく分かりません)

マイコプラズマ肺炎は、空気感染すると言われています。

普通、肺炎は細菌性肺炎であれば、結核や気管支敗血症菌(後日、話題として触れます)という特殊な菌を除き空気感染することはありません。

猫が変な咳をしていて、そんなに苦しそうでない場合は、アレルギーのような病気だけでなく、マイコプラズマも考えなくてはならないのです。
(次回に続く)

猫の感染症 その3

こんにちは、獣医師のsinです。

今回の話題は、猫の感染症の中では最悪の猫伝染性腹膜炎ウイルスです。

このウイルス、実はあまりよく分かっていないのが実情です。


まず、どうやって感染するのかというところですが、これがまたユニークなものです。

猫の腸には腸コロナウイルスというウイルスが「普通に」います。

この腸コロナウイルスは、普段はおとなしく、たまに下痢の原因になる程度のウイルスだといわれています。

しかし、このウイルスがどういうわけか「突然変異」を起こし、猫伝染性腹膜炎ウイルスになるのです。

猫伝染性腹膜炎ウイルスはこのように、体の中にもともと存在するウイルスが変化するので、あまり有効な予防法がないのです。

また、突然変異をして猫伝染性腹膜炎ウイルスを持っている猫から健康な猫へと感染をするのですが、感染の経路もそれほどよく分かっていません。

猫同士が触れなければいいのか、それとも空気を介して感染するのかなど、このようなこともはっきりとは分かっていないのです。

なるべく同じ部屋の中に猫を入れない、猫伝染性腹膜炎の猫を触った後はきちんと消毒をするなど漠然とした対策しかないのです。

ただ、猫伝染性腹膜炎ウイルスに感染しても、すべての猫で発病し、死んでしまうわけではありません。

せいぜい、1〜2割の猫しか発病しないといわれています。

ただ、発病すると死亡する確率が極めて高く、俗にウェットタイプと呼ばれるおなかに水がたまるタイプだと1〜2ヶ月で亡くなることも多いようです。

有効な治療法はありません。

発症してしまえば、いかに楽に余生を過ごすか、いかに他の猫に感染させないようにするのかということに焦点が当てられるものなのです。

さてこの病気、実は危険因子なるものがあります。

他頭飼育をしている場合に発症しやすいといわれています。

なぜなら、突然変異でできるウイルスなので、たくさんの猫がいるとその分、突然変異をする確率も高くなるからです。

そして、1〜2割の猫しか発病しないため、1頭だけ突然変異しても発病しないでそのまま治ってしまい、感染したことに気づかない状況になりえます。

一方で、他頭飼育ならその中で発病する猫がいる確率が上がるからです。

他頭飼育をしている方に今すぐやめたほうがいいとはいえません。

しかし、こういった病気があることを分かっていて、何か変な病気が猫の間で流行しているようでしたら、早めに獣医師に診てもらうようにしてください。

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