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以前の記事で「テンポ」と曲の関係についてお話しした回がありました。まだお読みになっていらっしゃらない方のために、どんなお話だったかをお話します。
*ここにすべてを載せることはできませんので、詳しくお知りになりたい方は、わがブログの書庫「曲選び/楽譜選び」のところのテンポとの関わりのところに載せてあります。
まず、レッスンの曲でも発表会など人前で演奏するときのための曲を選ぶときにも、いつでも選曲には細心の注意をはらわなければなりません。どういうことかといえば、たとえば何かのCDやテレビで流れていたのをきいただけで、”これをやりたい!!!”と思い、それだけですぐにその曲に決めてはいけません。もちろん、その曲が今すぐの自分がやってもレベル的に可能ーーーつまり、きちんと十分にその曲を弾きこなせつようであれば、OKなのです。でも、「曲」の数は無限にあります。そうはいかないことのほうが多いのではないでしょうか。
なぜ選曲に気をつけなければならないかといえば、「曲」というのは、エチュード(=練習曲)でも「曲」でも必ず、”弾かれるべきテンポ”というのがあります。どんなに遅いテンポであっても、または速いテンポの曲であっても、楽譜に書かれているとおりに弾かなければなりません。
大変多くの人が、曲でもエチュードでも、”行き当たりばったり”のテンポーーー楽譜の指示を無視した”自分の勝手なテンポ”で演奏しているのを見かけます。これは、絶対にあってはいけないことです。
Beethoven(ベートーヴェン)も、テンポについて次のように言っています。
<テンポは西洋音楽(=クラシック音楽)においてとても重要であり、テンポがわるいとその曲が壊れてしまう。>
さて、今回のブログで私がお話したいことは、テンポと技術の関係です。
私がわがブログでいつもお話する、今も大変にお世話になっている師匠のところでは、大学1年、2年のころに、夏休みの間にある宿題が出されます。それは、1年生のときは「ツェルニー30番をテンポ表示のとおりのテンポで演奏し、それを1〜30番まですべてテープに録音してくる。」 2年生のときには「J.S.Bach(バッハ)のインヴェンションをすべてテープに録音をしてくる」というものでした。そしてそれは、ただ録音するだけでなく、その師匠の門下の同じ宿題を出された人(同学年全員)と師匠とで集まって、全員のそのテープを聞き合うのです。
結局、インヴェンションのほうは録音をしただけで、皆で聞きあうことはできませんでしたが、ツェルニー30番のほうは聞き合いをしました。録音をしているわけですから、ミスタッチがちょっとでもあれば、また録音し直しますし、自分の満足のいくような演奏ができなければなりません。良い経験をさせていただいたと思っています。
さて、ここからが今回私がお話したいことの本題ですが、みなさんの中でツェルニー30番を勉強なさったことがある人、または今勉強中☆という方がいらっしゃると思いますが、まず、ツェルニー30番のNo.1について。
No.1の場合、テンポを表示よりもかなりの遅いテンポで弾いていらっしゃる方が相当に多いと思います。楽譜の表示は色々かもしれませんが、そんなに印刷表示に差はないと思います。みなさんは、どのくらいのテンポで弾いていらっしゃいますか? 四分音符=100とか90とか、そういう感じのテンポでなさっている方。少なくないと私は思います。私が勉強したときもそうでした。でも、この「テープ録音」の条件は、印刷表示の通りに演奏する。もしそこまで及ばなくても、できる限り届くように努力する。ということでした。
私が持っているツェルニーの楽譜をみると、No.1のテンポは四分音符ではなく、二分音符=100です。ということは、四分音符=200ということになります。この速さは、弾くとなるとものすごく速いです。
みなさんの中には何か曲をやるときに、トリルやオクターブ等々・・・・出てくるたびに、”そのテクニックの初心者”のごとく、”1から(?)”練習なさっている方、いませんか?確かにみな「練習」はするわけですが、何か一つのテクニックーーー例えば、トリルが出てきたら、その曲の中のトリルだけではなく、<トリル>というものが弾けるようになるようにならなければなりません。そのためにはエチュードはもってこい!!の教材ということになります。
何か曲を勉強するとき、”やらなければならないこと”というのは山のようにあります。やることはいっぱあるのです。それなのに、一つの技術を出てくるたびに”そのテクニック初心者”のようにさらっていたのでは、とても間に合いません。
ツェルニーに限らずなんでも、エチュードでもなにか曲でも、「適したテンポ」で演奏しなければ、その曲(エチュードも含む)を弾いたことにはなりません。そのテンポで弾く☆☆ことに大きな意味があるのです。エチュードはとくにその意味が強いです。ツェルニー30番のNo.1を、勉強の過程でゆっくりとさらうことは絶対に必要ですが、(「”歩けない人は、走れない”」ので。)そのゆっくりなテンポが仕上げのテンポであってはいけません。
中途半端にやるから、いつになってもそのことが”できるようにならない”−−−自分のものにならない。だから、出てくるたびに同じことをいつも練習しなければならないのです。日々の練習の中で、良い意味で欲張らずに、でも徹底的にさらって、寝ていても何をしていてもそのことができる☆☆というふうになるまでさらえば、もうあとはその練習を一生しなくて良いのです。身についたのですから。。
私もまだまだ足りないところはたくさんありますが、時間のあるうちに色々勉強して、もっともっと良い演奏ができるようにしたいと思っているところです。
テンポは、意外に”行き当たりばったり”のその人がそのときに可能なテンポで演奏すれば良いっと思っている方が多いです。これは、本当にあってはいけません。何のときでも、選曲をする際にはテンポのことも曲を弾きこなすことも、すべてをOKにできるものを選ばなければならないものです。
もし、”これを弾きたい!!!”と思う曲が今すぐにはできない(=十分に弾きこなせない)という場合は、いつの日かその曲を弾けるようにもっと勉強しよう☆☆☆と励むものです♪♪♪♪♪
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