金融戦争の現局面

五十路平社員と自称した所、娘から五十路疲労社員を拝命したダメ親父です。筆者と本サイト上の広告とは一切無関係です。

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>為替取引の現場では、基軸通貨が無いと困る。よって、基軸通貨がその地位を追
>われる際の絶対条件は、「交代可能な対立候補」の登場だ。

「困る」と言う程度の理由が、「絶対条件」として規定されている。この論者の論
法には、あまり巧妙でもない論理の「すり替え」が含まれる。下記論者は、日本の
個人投資家にドルを買い支えさせようとする一派の人間であろう。

国際基軸通貨の必須条件は、国際的に流通しているだけでなく、通貨としての価値
が将来に亘って保証されるだろうと誰もが考えるということである。現在のドルは、
国際的に幅広く流通しており、凡そ両替可能な全ての国の通貨と交換できる。つま
り前者の条件は満たしている。しかし後者の条件は満たしうるだろうか?。例えば
今後数年間密かに保有し続けようとする場合に、ドルで保有し続けることが、最良
の選択と言えるだろうか?

一昨年の終わりごろから、私の毎月行っている定点観測によると、ドルは1昨年8
月から長期的な下落傾向に突入している。昨年3月のベアスターンズ危機以降、米
国の緊急経済対策(戻し減税)や、日米政府間為替密約、SECによる不良債権時
価評価見直し指導などの、複数の政策の相乗効果により、この傾向は一時的に昨年
4月から7月にかけて中断し、反転上昇するかに見えた。

しかし、それらの効果が剥げ落ちると、ドル円相場で見たドルの下落傾向は、昨年
8月以降、1昨年夏から昨年春までの傾向よりもより一層急速なペースで下落傾向
を強めている。下記引用の筆者が強く主張する『経済活動に不可欠な匿名性を担保
した価値の保蔵、取引需要に応えられないという問題がある。古今東西、公にでき
ない貯金や決済の需要が消滅したことはない。』と言う内容は、今のドルの実力で
は到底保証できない。

例えば大富豪が数兆円相当の現金をドルに換金して「保蔵」し、5年後に自国通貨
に戻すことを考えてみるとする。しかし今のドルでは3年後に価値が半減している
可能性すら否定できない。とするなら、数兆円の資産を保有する富豪は、「ユーロ」
「円」、「人民元」、「金」、「不動産?」等の現状で近い将来価値の下落が起こ
りにくい対象に資産を分散して、リスク分散を図ろうとするのではないか?

基軸通貨の要件を失った通貨は、徐々に市場から退場を迫られるのみである。昨年
に行われたTARPと呼ばれる7000億ドルの金融機関救済だけでなく、FRB
が2兆ドル近い不良債権を買い上げている。更にオバマ政権の8000億ドルを超
える景気刺激策や今後より一層深刻となる米金融大手に対して、従来通り救済資金
が注入し続けられることを想定すると、今後ドルが価値を維持するのは非常に困難
である。

となると、ドル基軸通貨体制は徐々に弱まり、既に崩壊は始まっていると判断する
方が実態に即していると考えるのが妥当であろう。下記論者の指摘する「出来高不
足」等と言うのは、「困る」よりもさらに根拠の薄い反論材料である。ユーロが発
足しててたったの10年で、現在のシェアを取っているとすれば、後10年以内に
「逆転」することがあっても何の不思議も無いことである。

++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
ドル基軸通貨体制の崩壊は始まったか(09/01/16)
野村証券 金融経済研究所 経済調査部 国際金融調査課長 シニアエコノミスト
植野 大作 氏
http://markets.nikkei.co.jp/features/22.aspx/features/22.aspx?site=MARKET&genre=000z6&id=MMMAz6000004122008

 近年の為替市場で「ドル基軸通貨体制の崩壊」を唱える向きが増えている。昨年夏場に米ドル実効為替レートが戦後最安値まで暴落したこともあり、米国発の金融危機が世界中に拡散した2008年を「米ドル基軸通貨体制の崩壊元年」と位置づけ、「構造的なドル価値の瓦解が今後一段と進む」という見方は、一部において非常に根強い。「ドル基軸通貨体制の崩壊」は、本当に始まっているのだろうか。

交代可能な対立候補は

 債券市場に指標銘柄が必要なように、為替取引の現場では、基軸通貨が無いと困る。よって、基軸通貨がその地位を追われる際の絶対条件は、「交代可能な対立候補」の登場だ。しかし、現時点ではドルに代替可能な対立候補を見つけるのは容易ではない。

 例えば、「金本位制への回帰」や「商品バスケット本位制の導入」を主張する向きもあるが、昨今の国際商品市況の暴力的な変動率の振幅を考えると、これらを次世代の通貨秩序を担うシステムとして市場参加者が選択するというシナリオはあまりに非現実的だ。

 また、1969年に国際通貨基金(IMF)によって設立された特別引き出し権(SDR)に類似した「混成通貨バスケット」を次期基軸通貨として採用すべきとの案もあるが、仮想通貨には現金が存在しないため、経済活動に不可欠な匿名性を担保した価値の保蔵、取引需要に応えられないという問題がある。古今東西、公にできない貯金や決済の需要が消滅したことはない。実際、99年に大陸欧州の統一通貨ユーロが誕生した後も、現金の流通が始まる2002年まで、ユーロは「バーチャル・カレンシー」であった。この間、公にできない欧州域内の現金需要は、一時的にマルク紙幣やフラン紙幣からドル紙幣にシフトし、当該期間のユーロ安に寄与したと見る向きは少なくない。

覇権争いのカギを握る英国

 現在、ドルへの挑戦資格を持っている唯一の通貨はユーロだろうが、現時点では「出来高不足」が最大の足かせになっている。例えば、国際決済銀行(BIS)が3年ごとに実施している世界為替出来高調査によれば、07年時点で、世界第1位の出来高占有率を誇るドル(43.2%)と2位のユーロ(18.5%)の間には、ダブル・スコア以上の開きがある。ユーロ域内にニューヨーク市場に比肩しうる国際金融の集積地が無いことも、ユーロの問題点だ。そうした観点に立つと、世界最大の国際金融取引の集積地であるロンドン市場を擁し、第3位の日本円(8.3%)に次ぐ出来高のある英国ポンド(7.5%)がユーロに加盟して初めて、ユーロはドルへの挑戦権を獲得できるのではないか。

 現時点では、ドル基軸体制を維持するコストの方が、放棄して他のものに取り換えるコストよりも小さい。「ドル基軸通貨体制の崩壊」は、長期的検討を要する課題だが、現時点ではやや時期尚早の感が否めない。ただし、今後長い目でみると、かつて基軸通貨国の座を米国に禅譲した英国が、「ユーロ参加の是非」を通じて、次期基軸通貨の覇権争いの「キャスティング・ボート」を握ることになりそうだ。

 荒唐無稽な話だが、もしも英国ポンドがユーロではなく、ドルとの統合を選択し、例えば「アングロ」などという名の通貨が生まれることを夢想してみると、ユーロとの取引量の格差はさらに拡大し、ロンドン市場とニューヨーク市場を内包する巨大通貨圏が誕生する。その場合、ユーロがドルへの挑戦権を獲得するのに要する時間は、少なくとも50年以上は先に延びるだろう。「英国のユーロ加盟問題」は、長期的な為替市場の鳥瞰(ちょうかん)図を考える上で、とても重要なテーマであり、国際分散投資を長期的視野で考える人々にとっては、必須の検討課題であると言える。

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