金融戦争の現局面

五十路平社員と自称した所、娘から五十路疲労社員を拝命したダメ親父です。筆者と本サイト上の広告とは一切無関係です。

無題

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福田康夫元首相が自民党政調会の住宅土地調査会長であった平成19年5月に、鳴り
物入りで決められた「200年住宅ビジョン」が事の起こりである。要するに、200年
間は主要な構造部分に特に補修することなく、住み続けられる家を提供すること。
と言うのが趣旨である。

さらに色々と細かい定義はあるが、日本国内での木造住宅で既存の建売は、住宅
ローンが終わる頃には、家の価値もなくなるという実態が当たり前となっている。
不動産相場でも築20年?を過ぎると、中古住宅ではなく、古屋付きの土地と言う扱
いとなっている。

方やアメリカでは、築90年とかのどう見ても古屋でしかない建物が、庭付き一戸建
て中古住宅として堂々と売られたあげく、地震も来ないのに新婚カップルが入居直
後に自然倒壊したという例が、cheeさんのブログに紹介されていた。後に残された
のは巨額のローンと、撤去が必要なガラクタ(廃棄物)である。

今回の倒壊事例で分かったことは、従来の建築基準法の考え方は、要するに木造建
築には「そぐわない」ということである。法律の基準を作った人たちが正しいと考
えた、木造住宅の仕様は、実際に起こりうる地震波(阪神大震災のピークより弱い)
で崩壊してしまった。

長期優良住宅は200年の耐久性を持つことを「想定」されたものであったが、構
想からたったの2年で、専門家が合法的であるとお墨付きを与えた実物が倒壊する
ことが、耐震テストの結果証明されてしまったのであるから、今後は「2年住宅」
と呼ぶことにしよう(笑)。

200年も住める住宅と言う構想自体は立派な考え方である。しかし既存の建築基
準法に無理やり当てはめると、木材の性質を無視して従来より強固に柱や梁の接合
部をボルトや金物で無理やり強く結合させて補強するという非科学的な発想にしか
ならなかった。

科学的と言うのは、分かっていないものは「分かっていない」とはっきりと認める
事からしかアプローチが始まらない。東大寺南大門を建設した棟梁は、木組みの架
構が組みあがると、5mも軒を出し上に極めて重い瓦を載せても台風でもびくとも
しないし、地震でも倒壊しないことを事前に構想し理解して建築している。しかし
日本の現行建築基準法のアプローチではこの構造の強度計算が出来ない。

現行の法律の基準では、現在まで残っている鎌倉時代の建物の強度計算も出来ない。

日本中で「2年住宅」に35年ローンを払って住む人たちが、徐々に増えていって
いる。住宅ローンなどでも優遇され、推奨されているようであるが、木材の局所的
な強度を超える過剰な金物で「補強」し、(金物のネジ穴自体がミシン目のように
なって取り付けた部分の木材強度を低下させる)その結果地面からの地震力を、低
層の鉄筋コンクリート住宅と同様に、減衰や免震させることなくモロに受けるとい
う住宅は大地震となった時に、中の住民や家具なども地面と同じ様に揺れる。

日本古来の伝統構法による建物は、最新鋭の高層住宅と同じく免震構造である。石
場立てと言うのは平らな広い土台石の上に柱を立てただけの構造である。強力な横
揺れがくれば、建物は木材本来の粘り強さで耐え分散させると共に、土台が滑るこ
とによって地震力を上部の構造物に直接伝えないのである。

土台が広い石というのがミソで、今の布基礎とは異なり、有る程度の広さの石の上
で柱が横に滑っても、柱脚が土台から外れて落ちる心配はない。また振動は、一方
向にだけ揺れておしまいではなく、通常往復するので一方向にだけ異常にずれ続け
ることにはならない。

土壁はあるが伝統構法には筋交いは殆ど存在しない。構造物が何故倒壊しないかと
いうと、丈夫な貫(ぬき)によって組み上げられた複数の柱同士が立体的に一体化
され、さらに接合部に遊びがわざと作られたりしている。これは金物で固定するの
とは正反対の考え方で、接合部の遊びや木材のたわみによって地震のエネルギーが
至る所で吸収されるようになっている。

このような建物の中にいる住人は、地震の時にも実際の地盤より弱い揺れしか感じ
ない。と言うのは建物自体が色々な箇所で地震力を吸収分散し、和らげてくれるか
らである。高層ビルで当たり前に採用されている土台と構造物を力学的に分離し、
間にバネやダンパーなどの振動エネルギー吸収減衰要素(鉄板とゴムを何層にも重
ね合わせた緩衝装置)を挟んで地震のエネルギーを吸収分散させて、建物を破壊か
ら守る。

石場立てでは、振動を減衰させる装置は存在しないので柱脚が持ち上がったり石の
上で滑ることで、地震のエネルギーが直接100%建物に伝わらないようにすると
いう仕組みである。上部の構造物は土台に固定しないでも自立している。伝統構法
では、木造建築自体が先ほど述べたように地震のエネルギーを吸収分散する仕組み
を持っているので、鉄筋コンクリートのビルのような振動ダンパー(自動車やオート
バイの前輪にも同じものがついている)を必要としない。

日本の工人の匠の技は、それどころか木材を伐採してから、建築後長年の間に乾燥
する間に自然に発生する、木材の歪みさえも吸収するような木組みの技術として完
成され、一つ一つの木組みはぐらぐらでも全体としての構造体としてはびくともし
ない。しかも地震・台風という日本特有の自然災害の中で数百年間も存続している。

最建築以来800年間建っている東大寺南大門も土台部分は石場立ての構造である。
軒の出は5mもある。重心が高く、上には普通の民家の10倍以上の重さの瓦が載っ
ている。これが過去800年間に実際に発生した全ての地震で倒壊していない構造
物の実例である。

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偶然見つけたリンク
http://www.midori-kk.com/06_menshin/earthquake.html

免震構造の方が高くつくが、建物への地震のエネルギーが伝わり難い(つまり長持
ちする!)。

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200年住宅ビジョン(自民党)
http://www.jimin.jp/jimin/seisaku/2007/seisaku-007.html

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長期優良木造3階建てが「想定通り」倒壊
http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/building/news/20091030/536517/

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東大寺・南大門・・・・直観による把握、《科学》による把握(下山先生のブログ)
http://blog.goo.ne.jp/gooogami/e/41213e261c84b87fca29ee145d088ab7
(抜粋)
南大門、現在の木造建築の「耐震診断」法を適用すると、明らかに要耐震補強の
建物になる。しかし、実際は、建立当時の材で、建立以来800余年にわたり、健在
である(柱は礎石に載っているだけ、壁も少ない。重心は高い・・・、
すべて今の《常識》に反する!)

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バカリフォルニアンの失敗 その2(米中古住宅倒壊20070508)
http://blogs.yahoo.co.jp/giantchee2/31887533.html

SAN FRANCISCO
'Dream house' collapses on Sunnyside hill
http://sfgate.com/cgi-bin/article.cgi?f=/c/a/2007/05/07/BAGF3PMD2L1.DTL

(抜粋)
若いカップルが買ったFixer-Upper(別名Shit Box)が、文字通り、潰れました。
幸い犬もレスキューされ、誰も怪我はなかったようです。

潰れた家は$525,000。
普通、サンフランシスコで、この価格で家は買えません。何億とかです。
つまりこの家は、元々訳ありなのです。

1910年築、建物面積たったの870sq.ft、1ベッドルームの家。
お年寄りの姉弟が住んでいたそうです。姉の方が亡くなったため、
家は売られて、弟の方は病院に入ったのです。

閉じる コメント(2)

私は日本の伝統工法は時代にそぐわないと思います。
サンフランシスコの倒壊例は、手入れがされずに放置された家をバブルで買って、無理な改築をしようとしたからです。古いからではありません。アメリカの古い都市ではみんな築100年の美しい2x4に住んでいます。
日本の伝統建築のようなものは、ティンバーフレームと呼ばれ、昔はアメリカでも牛舎なんかに良く建てられていました。組み木が美しく強固ですが、難点は、全ての部材にいい木材を使い、職人を使い、正しい組み手がつくられていることが、維持の条件になることです。
こういったことは、クオリティーコントロールの面からして、大量生産型にもっていくのは非常に困難です。
ましてや、日本人のように、自分で家の手入れをしない国民性では、どんなに強固につくっても持ちません。
日本の建築の問題は、安普請の在来構造と、ちゃちい基礎(地下室が無い)、そして断熱、換気システムがほとんど無いことだと私は思っています。
アメリカの2x4のように、多数の部材の組み合わせで構成され、耐震、防湿、防寒の役割をする地下室を有し、ちゃんと自分たちで直せるようにしない限り、長期住宅

2009/11/20(金) 午前 7:46 Chee

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cheeさん、コメントありがとうございます。
私の知人で、殆ど自分ひとりで家を建てた人を2人知っています。
日本でもつい数十年前まで、家を作る時に棟梁が差配するにしても、
持ち主も参加するのが普通の光景だったと思います。

私も実家を建て直したときは、かなり積極的に関与したつもりです。
「国民性」ではなく現行建築基準法とローンで建てるやり方が、職人
の生活基盤を破壊し、無資格者の参加を阻んでいるように思います。

cheeさんの米国の指摘については、勉強不足で申し訳ありません。

伝統構法については勉強しなおして改めて書きたいと思います。

2009/11/20(金) 午前 8:39 [ phon_BB ]


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