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昨日14日が日曜日だったので、本日15日定点観測を投稿する。例によって読売オンラインより、ロイター提供の過去2年間の円ドル相場グラフを拝借し、傾向線や注釈は、私が勝手に追加したものを掲載する。以下のコメントは、初老爺の妄想に基づくものなので、その旨ご承知の上、ご笑覧頂きたい。
グラフの目盛り幅(最高値と最低値の差)が今月また狭くなった。従って傾向線は上下に拡大し、従来の傾向と合わせた。グラフは見掛け上、上下変動が大きくなったように見えるが、実態は逆で過去2年間狭い範囲での変動幅に収まっているということである。
<世界経済に冷水>
右肩上がり(円安ドル高)で順調に推移し続けるように見えた相場に、つい先日冷や水が浴びせられた。「氷水」かも知れない(笑)。米株式市場で、「恐怖指数(VIX)」と呼ばれる指数が急激に高まり、売買ロボットが勝手に判断し、一斉に売り注文を市場に出したとされている。
一般の人間には見えていなかった?、崖っぷちを、ロボットが先に覗いてしまったという事である。トランプ政権の下、米経済の立て直し下声高に叫ばれ、順調に成長を続けているように報道されてきたが、既に次なるバブル崩壊の臨界点が迫っている。
円ドル相場は、つい先日までの中東や、極東の軍事政治情勢の課題から離れて、米国を中心とする世界経済の純粋に経済的な要因で動き始める時期に入った。その警鐘が、今回の10月10日、10月11日の2日間に、約1400ドルも米国株(NYダウ平均)が下がったことにより、世界中に鳴り響いた。
きっかけは、米金利の引き上げである。FRBが金利を引き上げているだけではなく、米国の借金総額が、市場の貸せる臨界点に近づいているため、マイナスを含む超低金利の世界は、日本国内だけ除け者にして世界中で終わりを告げている。
途上国では、既にドルの一方的な引き揚げによるハイパーインフレが起きている。当然金利が高騰し、生活困窮者が町中に溢れている。
日本は、今回のショックの直接的な影響はなく、相変わらずぬるま湯に浸っており、政府、企業や国民は「ゆで蛙生活」を堪能している。今回のショックもグラフで見る限り、少し行き過ぎた円安ドル高の、修正局面の一つ(笑)にしか見えない。
米中経済戦争はますますエスカレーションし、関税の引き上げ競争が起きている。ここに来て、対米輸出に頼って経済成長を続けて来た中国側が、やや不利な傾向となっているようである。日本は一部製品の輸出で損害を被っているが、農業を犠牲に日米2国間交渉を大筋合意に持ち込み、製造業を守っている。
但し安倍政権の上記の合意は、国民生活や、「食料安全保障」の観点からは、「最低の合意」と言える。自動車に高関税をかけられても、困るのは関係する民間企業だけである。さらに高関税を継続し続ける米国自身の弊害から、いずれ高率関税は解除されることは明らかであるが、日本の自動車産業がその間持ちこたえる余力を持っていることは、自明である。
また、歴史的に見て、高率関税で自国産業を守ろうとした例は、失敗の歴史と言われている。守られた産業は努力を怠り、国際競争力を一層失う。関税が廃止されると、守られてきた産業は、国際競争を戦えなくなくなり、産業そのものが消滅する。
ラストベルトの象徴とされる、米国の製鉄業は、この典型例である。
国内農業基盤を破壊されると、相当な割合の国民が困窮する。既にTPP準備の段階で、JAの中枢部は破壊・解体されており、今回の合意に対しても反対勢力は声を出すことも出来なかった。日本の農業従事者は、ごく一部の専業農家と、サラリーマンを生活を加計の主体とする兼業農家、及び退職した高齢(後継者なし)のみなし専業農家等で構成されており、JAが崩壊すると団結のよりどころも無くなり、今後格安の農産物が大量に入荷(いつまで続くか?、世界的な食糧危機で突然供給が止まる恐れもある)すると、弱いところから順次潰れていくだろう。
日本の動きは別として、世界全体で今後何が進行するかは、次第に明らかになってくるだろう。
<世界中でバブルの進行>
一時的なショックにもかかわらず、世界中でバブルが絶賛進行中である。相変わらず、無理矢理消費を掻き立てられて、世界中で商品が流通し、更には「ITコンテンツ?なるもの」が、今や世界の主流商品として、大手を振って流通している。
電脳空間(笑)では、ゲーム、PC、スマホアプリ、OS、音楽や映画のデータ、個人が勝手に作成した動画など、ありとあらゆるデータのやり取りに、広告や実費の徴収を含む、金銭のやり取りが実行され、仮想通貨を含む、怪しげなポイントや、電子マネーが飛び交っている。
既にGDPのかなりの部分が、これら無形のデータ送受信の対価として計上されている。日立製作所では、今後製造業としてでは無く、ITを軸にデータのやり取りへの参加を通じて、経済活動を実行するらしい。家電、重電の日立は無くなるということか?、中国系企業の傘下で再建中のシャープも同じらしい。
人間の生活に必要な衣食住のどれにも直接には属さない、データなるものに人類の生活が振り回され、第一次産業や第二次産業の本来補助的な役割に過ぎなかった物が、今や最重要且つ最も高い価値を持つものとして、「珍重」されている。
我々日本人は、学校教育で散々右へならへ、と協調性重視の教育を叩き込まれてきたが、もの作りをするのであればともかく、独創的なデジタルコンテンツを含む研究をするには、中等教育までの基礎教育を丁寧にやった上で、大学では創造性を最大限活かす教育をしなければならない。政府と文部科学省は、従来の延長線上の教育に加え、目先の成果主義で大学を縛りつけ、極めて偏った予算配分で独創的研究の芽を一生懸命壊し続けている。
「独創」の出来る人材も国内にいない元で、デジタル化の大合唱だけがむなしく響く、しかもそのデジタルバブルも、その内弾ける事になるだろう。賃金の安い「途上国の労働者」が団結して生産を拒否すると、「先進国」国民は衣食住のどれも満たせない世の中がやってくる。そして「デジタルデータ」はただの補助的役割に過ぎないことを、その価値は、ごく一部に過ぎないことを、思い知らされることになる。
とりわけ災害大国日本では、地震台風、豪雨など自然災害の度に、既に通信網や交通網が寸断され、一気に原始的な人力だけが頼りの事態に度々見舞われている。食料の安全保障だけでなく、水、その他製造業の基盤崩壊を推進し続けるのは、民族の自殺行為となるかも知れない。
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コラム:トランプ政権の矛先、日米協議で円安に向く可能性=亀岡裕次氏
亀岡裕次 大和証券 チーフ為替アナリスト
(コメント)
日米交渉で、為替に焦点が当てられる?
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ロン・ポール氏曰く:米ドルは崩壊する。銀行制度は破綻している。
(コメント)
ロンポール氏の米ドル崩壊論、別の論者も同じようなことを主張している。
米国の借金生活が行き詰りつつあるのは、間違いないだろう。
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本日は、定点観測の日である。例によって、本日読売オンラインより、ロイター提供の過去2年間の円ドル相場
グラフを拝借し掲載する。傾向線や、注釈(お題)は私が勝手に付け足したものである。
今月から、グラフの縦軸が、更に縮まった。なのでグラフの傾向線は、逆に拡大補正している。見掛け上先月より変動幅が大きく見えるが、実際にはグラフの表示範囲は狭くなっている。円ドル相場は、ベタ凪ぎ(笑)である。通貨当局が特段介入しているようにも見えず、レンジ相場の中でわずかな円高傾向が継続している。
ほんのわずかなサヤ取りに忙しい方には充分相場が動いているように見えるかもしれないが、トルコリラや、経済制裁時のロシアンルーブルなどの外国通貨の乱高下に比べれば、コップの中の嵐にもならない。
<日米貿易障壁は、日本政府が対決回避>
日本政府(戦後自民党政権)は、対米従属を国是としている。官僚の代表と米軍極東の幹部が秘密会議を開く仕組みなど、過去の占領政策の都合で決められた手順に、未だに従っている。
田中宇氏によると、米国トランプ大統領の登場で上記の仕組みは表向き現在棚上げにされ、安倍トランプのホットラインに、経産省が加わって日米関係の政策を廻しているらしい。
実際のところ、官僚機構は従来の仕組みを踏襲し、トランプホットラインに基づく安倍首相からの指示がある場合のみ、それに従うというダブルスタンダード(八方美人)な対応をしていると思われる。
宗主国(笑)の米トランプ政権自体が、メディアと軍事産業に対する敵対で、二重権力状態となっており、矛盾に満ちた対応を迫ってくるので、日本政府自民党の外交におけるダブスタを追及する矛先が鈍ってしまう(笑)。
安倍首相は、露プーチン大統領にもお友達外交を推進しており、ついにその甲斐あって、つい先日、領土問題と切り離した前提条件なしでの日露平和条約という素晴らしい提案を受けた。安倍氏はこれほどの素晴らしい提案を足蹴にし、だんまりを決め込んでいる。
日本と米国の間には、サンフランシスコ講和条約があるが、その他諸国間では、第二次大戦の後始末は、実際のところ何も終わっていない。対米条約を、諸外国が事実上黙認?しているだけで、田中角栄首相時代に中国とは一定の和解に達した「1972年9月に日中共同声明を発表」が、旧ソ連及びロシアとの間では、けじめをつける条約として、「1956年の日ソ共同宣言」以降、国境線が未確定なまま、放置されている。
日ソ、日露交渉は、進展の可能性があるたびに、宗主国の軍事産業を代表する勢力から、度々横ヤリが入るため、領土問題を含めて、自民党は解決を模索しつつ、決定的な前進は尻込みするという、不真面目な姿勢を続けている。
この度のプーチン提案は、日本の優柔不断な態度に対し、「いい加減に腹をくくって、態度を決めろ」との決断を迫るものである。なぜなら日露平和条約が締結されてしまうと、ロシアは、「1956年の日ソ共同宣言」に従うとするなら、最低2島の返還を断る理由が無くなる。
また、同時にこれは、日本が米国べったりではなく、米露両国と対等の関係を結ぶ宣言になり、「外交・軍事」を米国に丸投げの日本政府は、進退窮まる事になる。民主党鳩山政権は、対米自立を模索したが、官僚の公然たる反乱で潰された。今回のプーチン提案は、安倍氏の取っての毒饅頭で、食うわけにも行かないし、食わないわけにも行かないジレンマである。
このあたりの政治危機が、為替相場に全く反映されない(笑)のが、本邦の特色である。安倍氏は有耶無耶にしたいだろうが、今後プーチン氏に会うたびに、あの件はどうするんだとせっつかれることになるだろう。
<シリアで最後の戦い>
シリア情勢は、反政府ゲリラが立て篭もる(政府軍に負けた連中の吹き溜まりでもある)イドリブ県の奪回を巡る、最後の戦いが始まっている。米諜報関連勢力は、またしてもシリア政府の偽毒ガス騒ぎを起こし、それを口実にシリア政府軍を攻撃しようと画策していたが、ロシア・シリア連合軍と、トルコも米国と距離を置いている現状で、毒ガス工作は困難になっている模様である。
既にロシア航空宇宙軍による、イドリブ県での大規模な空爆が実施され、反政府ゲリラ陣地は、着実に破壊されつつある。ロシア軍は、事前に攻撃地点を教えたりしないので、着実に反政府ゲリラの抵抗は弱まらざるを得ない。
今回攻撃には、中国軍が新たに加わるとも言われており、中露2大国が正式にバックアップするシリア軍に、米国諜報勢力が簡単に手を出せない状況が固まりつつある。既にISISの幹部は、米軍特殊部隊のヘリ等で救出され、他国に転戦しているが、イドリブ奪還作戦が完了すれば、シリア国内の反政府勢力は、ほぼ一掃される。
<中国が経済的苦境に>
トランプ大統領が仕掛けた、米中経済戦争が、予想外の効果を上げている。既にあちこちのサイトで指摘されている通り、中国が推進している一路一帯政策が行き詰ってきている。
トランプ氏の狙いは、中国に無理難題を押付け、中露両国が対米経済圏から離反する動きを加速させることにある。
ところが、薬が効きすぎて(笑)というより、もともとの構想の出来が悪く、中国資金による周辺各国のインフラ投資が、成功しても直ちに産業の発展や経済規模拡大に繋がらず、過大な投資の回収目処が立たないために、関係国は借金苦に追い詰められている。
いくつかの国では、既に政権交代にまで問題は深刻化し、IMFの支援を申請する国も出てきている。
米国は、中国からの借金をIMFが肩代わりすることに難色を示しており、IMFによる救済も暗礁に乗り上げそうである。
中国にとっては、米国に取って代わる覇権国になるための試練であり、一路一帯構想を本気で推進する積りであれば、この危機を乗り越えることは必須である。
日本政府は米国の顔色を伺いながら一路一帯構想に部分的に関与し、利益のおこぼれに与ろうとしている。米中覇権戦争の最重要課題であり、この問題こそ旗幟を鮮明にせずに中途半端な関与をすると、日本政府や関連企業・法人は大やけどをするだけと思われる。
日本もバブル崩壊前には、覇権を引き継ぐか否かを米国から迫られた時期があったが、米国の軍産複合体は現在より圧倒的に強く、日本の台頭を許さなかった。中国に対しては、お手並み拝見という姿勢であり、正面から潰しに掛かっているようには見えない。
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中国新聞趣聞〜チャイナ・ゴシップス
中国・一帯一路の挫折と日中関係
日本財界に急速に高まる戦略への期待の意味
福島 香織 2018年9月5日(水)
(コメント)
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8月14日は定点観測の日であったが、お盆休みであったので、本日投稿する。このところ毎月14日と自分で決めた期限を守れていない。私の妄想(笑)ブログなどをわざわざ見てくださる読者の皆様には大変申し訳ないことである。
例によって、本日読売オンラインより、ロイター提供の過去2年間の円ドル相場のグラフを拝借し掲載する。傾向線や、注釈(お題)は私が勝手に付け足したものである。
今月は緑の傾向線を右に延長した。ほんの少し右下がりにしているが、当面これで支障はないと考えている。最近のグラフの上下幅は、かなり狭い範囲に偏っており、このような環境で慣らされると、本当に激動の時代が来た時に耐えられないのではないかと危惧する次第である。
<中東と石油を巡る情勢>
シリア情勢が収束に向かう中、対イラン制裁が俄かにクローズアップされている。米トランプ政権は、イランと敵対するサウジやイスラエルの意向を受けて、5月8日イラン核合意からの離脱を表明し、続いて国際社会の反対を押し切ってイラン制裁を一方的に宣言し、関係諸国にイラン産原油の輸入禁止への参加を強要している。
米国は、中東でも空母機動部隊を展開しているが、トランプ大統領の勇ましい発言に関係なく、中東で目立った米軍の対イラン軍事行動の動きはない。イランの方も、ロシアや中国の後ろ盾があり、「ホルムズ海峡封鎖も辞さない」と気勢を上げるが、先に仕掛けて、国際社会の非難を浴びれば、米国の攻撃に口実(大義名分)を与えることになるので、早まった暴走をする気配はない。
規制実施は、11月5日からであるが、既に世界中が大騒ぎになっている。日本政府は、イラン産原油を全輸入枠の5%程度輸入してきたが、米国の方針に正面から反対する意思は表示していない。イラン製原油は軽質で価値の高い揮発油成分を多く含んでおり、ガソリン価格高騰を囃す声が早くも出ている。
米オバマ政権がイラン核合意に基づき、制裁解除に踏み切るまで、対イラン制裁でイランは原油の輸出を禁止されてきた。今回の制裁再開は、EU諸国などでも強い反発が出ているが、米とランプ政権のゴリ押しが今のところ優勢である。
EUは、イラン産原油輸出禁止に明確に反対しており、世界最大の石油輸入国の中国は、米国の要求をはねつける方針と考えられる。こうなるとイラン産原油の輸出先は、制裁発動が決定されても、ゼロにはならず半分程度となるだけである。
イランは、制裁解除まで石油輸出を禁止されつつ、政治経済を維持した経験を持っており、今回制裁が再開しても、影響は極めて大きいが、露中(+シリア、イラク)を中心とした支援国との関係強化で、危機を乗り切る体力は持っている。
但し、トランプの交渉術は、初めに目一杯のハッタリをかまし、相手の出方を見て落とし処を探るやり方である。最終的な制裁がイラン産原油の全面禁輸か否か、今後の関係諸国の動きによって、状況が変化する可能性がある。
一部メディアでは、イラン産原油の輸出が禁止されれば、たちまち石油相場が高騰すると煽っている。OPEC他の石油輸出国は、最近の減産合意でようやく暴落を食い止めただけであり、イランの輸出枠分を増産は容易とされており、実際に制裁が実施されても、石油相場が以前のように高騰することはないと言われている。
また、石油相場が上昇傾向になれば、米国内のシェールオイルが一斉に増産するので、従来の石油輸出国にとっては、シェアを下げるマイナス要因となる。
日本国内でのガソリン価格の実態は、余計な税金と日銀の円安政策の弊害で、既に過大に高騰し、国民生活を大きく圧迫している。
そんな中、更に世界中でガソリンがより高騰すれば、電気自動車やハイブリッドカーの普及が加速し、世界中の産油国や石油業界は自分で自分の首を絞める。また、日本政府は電気自動車からガソリン税を徴収出来なくなるので、ハゲタカファンドたちの操る原油相場高騰を放置することは、愚かな日本政府にとってもマイナスに働くだけである。
<北朝鮮情勢>
北朝鮮問題は、歴史的なトランプ・金正恩会談のあと、米国内軍事産業や共和党内での巻き返しにより、一時的な後退局面となっている。しかし北朝鮮は、従来のような挑発的な核実験やミサイル発射実験を止めているので、米国が一方的に制裁を強化することも無く、実際には中国やロシアの後ろ盾を確立し、従来より安定した北朝鮮も変な行動を起こす気配はない。
日本政府は、北朝鮮情勢を理由に馬鹿高い地対空ミサイルを購入したが、この用途は失われた。実際は、対中対露の兵器と指摘する声もあるが、本気で中露から多弾頭やゴミ(ダミー)ミサイルを含む飽和攻撃を受ければ、数量限定の対空防衛手段など物の役に立たないことは、ど素人の私でも解る(笑)。
<露中を核にドル離脱の動き進む>
従来、イラクのフセイン政権のように、公然とドル離脱を宣言した国は、米国から滅ぼされてきた。石油とリンクしたドル相場の維持は、米国の覇権維持にとって死活問題であり、弱小国の勝手な動きを、米国が許すことはなかった。
しかし、世界第二位の軍事大国ロシアと、第三位の中国が同盟関係を強化しつつ、対露経済制裁や、対中経済制裁に対抗する形で、独自に政治経済圏の拡大に着手しており、米国は、自らの滅亡を覚悟することなくこれら両大国に対し、軍事的な行動を実行することは、極めて困難である。更に都合の悪いことに、中露両国は、軍事・政治・経済面で実質的な同盟関係となっている。
対中経済制裁は、中国の対抗策として、東南アジアでの「一路一帯」政策や、中国国内でのドル離れ化を加速させる動きを強めている。「一路一帯」政策に中国は今後1.3兆ドルを投資する計画であるが、対抗する米国は、1.1億ドル(1000分の1未満)で「対抗するぞ!」、と空威張りし、北朝鮮復興と同じく「後は日本が金を出せ」と日本政府・経済界に要求している。日本の経済界は、賃金カットで内部留保をたっぷり溜め込んでいる(笑)が、本気で中国と経済戦争する体力・気力は既にない。
日本政府は、対中政策では、外相がASEAN拡大外相会談を利用し中国の王毅外相と会談し、「一路一帯」政策への協力で合意している。従って、日本政府・経済界は中国と経済戦争を仕掛ける気は全く無い。中国に対し、おこぼれを求めて擦り寄っているのが実態である。
米国は、対ロ政策として、ソチ五輪の後、ウクライナで親露政権を転覆させることに成功したが、ウクライナ自体は、経済的に破綻しており、既に隣接するEUや米国などのやっかいなお荷物となっている。
EUは既に域内では、独自通貨のユーロを使用し、ドル経済から離脱している。西側諸国と呼ばれる中で、ドルに主軸を置いているのは、カナダや日本、韓国など一部だけであり、北朝鮮和平を受けて、今後韓国が徐々にドル離れを進める可能性もある。
ロシアは、既に米国債(財務省証券)を961億ドルから146億ドルへと大幅に削減しており、本気でドル離脱を推進している。対露経済制裁は、ロシアを一時的な経済苦境に追い込んでいるが、却ってロシアア国内の産業の偏りを補正し、広大な領土と、豊富な国内天然資源を利用した、国内発展を可能にしている。
中国も、対米貿易戦争を受けて、従来の輸出主導型から、内需依存型経済への転換を本気で開始しており、東南アジアから中東へ跨る「一路一帯」構想の一層強化と相俟って、経済情勢だけでも中国政府がドル離脱を本気で実行せざるを得ない状況となっている。
今のところ、中国政府が1兆ドルを超える米国債を売却し、ドルの下落を仕掛ける動きはない。中国が保有する米国債は、人民元相場を固定するための副産物とされている。人民元は、完全な変動相場制への移行を模索中だと推定されるが、今のところ中国政府は、変動相場制実施に踏切る自信がない、又は必要な準備が整っていない。トランプ政権が調子に乗って、対中経済戦争をより拡大すれば、それだけ中国がレッドカードを出す日が近くなるだけである。
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2018.08.14「櫻井ジャーナル」
ロシアが4月に続いて5月もアメリカの財務省証券を大量に売却、ドル離れを加速
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中国包囲網はもう不可能
2018年8月15日 田中 宇
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14日が土曜日で3連休であったため、円ドル相場の定点観測を本日投稿する。例によって読売オンラインのサイトより、ロイター提供の過去2年間の円ドル相場グラフを拝借し、傾向線や注釈を私が追記したものを掲載する。緑の傾向線は先月傾きを修正しているので、今月はそのまま少しだけ延長している。
グラフを見て頂くと解るとおり、円ドル相場は、直近ではやや円安気味である。緑の傾向線はほんの少し右下がりで、このまま進むと乖離が大きくなりそうだが、今月は様子見とする。
と言うことで、円ドル相場は様子見である。ドル高が一層進むと考える方は、清々自己責任でせっせと買いだめして頂きたい。以下は妄想爺のヨタ話なので、何の根拠もない「純度100%の妄想」である。請うご笑覧。
<妄想爺のとりとめもないヨタ話>
シリアでの内戦がシリア政府軍の勝利で収まりかけ、北朝鮮和平が紆余曲折を伴いつつ完全な決別には至らないで徐々に進む中、米中貿易戦争(関税合戦)と米EUの貿易戦争(NATO加盟国の軍事負担金の争いを含む)が勃発している。トランプ大統領は、米国内での反トランプ派によるロシアンゲート疑惑を逆手にとって居直り、昨日?プーチン大統領と正規会談を実行した。米露首脳会談は対EU、NATOで米国とEUの間に楔を打ち込みたいプーチン大統領にとっても大歓迎で、二人は固い握手をして会談に臨んだ。
米軍事産業や諜報機関は、ロシアで開催されていたサッカーのワールドカップ終演直後の対露軍事工作を画策していたとされているが、トランププーチン会談の直後にロシア周辺で軍事衝突を仕掛けるのは、「握手をしながら殴り合いをする」ことになり、政治的なハードルが高くなったと思われる。それでも強硬に実行するには、世界中に報道された両首脳のトップ会談で和平に向かおうとしている世論をひっくり返す、かなりの仕込みが必要になってくる。
米露会談の詳細は、まだ良く知らないが、トランプ大統領はG7ではなくG8に戻す(ロシアを会議の正式メンバーに復活させる)ことを以前から提唱しており、対露経済制裁の解除も公然と口にしている。
客観的には、トランプ政権の米国がグローバル覇権主義から今後徐々に後退し、世界的な地域覇権の寄せ集めになるに伴い、世界第二位の軍事大国であり、政治的影響力も極めて大きいロシアに対し、難癖をつけて国際会議から締め出すことは、世界中の主要問題を本気で解決したくないと言うに等しい愚行である。
対ロシア経済制裁解除は、EU諸国も本来喉から手が出るほど望んでいることであるが、米軍事産業と諜報機関が中東やEU圏内で過去に実行してきた悪行に恐れをなして、口に出来ないだけである。
EU首脳は、トランプ政権と米軍事産業や諜報機関の二重権力間の国内闘争結果を固唾を呑んで見守りつつ、慎重に行動しようとしている。
<NATOはEUの手に預けられようとしている>
サウジの財政破綻によるペトロダラー還流の停止や、日中両国の買支え行き詰まりなど、米国の軍事的覇権の裏付けとなる米ドル基軸通貨体制の終わりが見えてきている。
北朝鮮和平は、日米・日韓軍事同盟と並ぶ極東での対ソ冷戦構造の最後の残りカスであり、NATOは、同じくEUの対ソ冷戦構造の最後の残りカスである。ソ連邦崩壊により、ソ連側のワルシャワ条約機構が消滅しているので、これらの「残りカス」は、歴史的な寿命がとっくに終わっている。
トランプは、EUの盟主であるドイツのメルケル政権にNATOの面倒を見ろ、と恫喝している。つまり、米国は手を引くから煮るなり焼くなり勝手にしろという訳である。
<残りカス一層に対する抵抗勢力との戦い>
米国の一国覇権の夢から覚めたくない、一部の米軍事産業や諜報機関及びその手先は、トランプ政権に反発し、彼の行動に対し選挙不正や女性スキャンダル等別の理由で難癖をつけ、これらの「残りカス」の後片付けに抵抗している。
日本政府は、公式にはトランプ政権全面支持を掲げつつ、裏では「残りカス」にしがみ付く連中に隷属している。彼らの行動に首尾一貫性が無いのは当然であり、それを求めるのは無いものねだりである。
仮にトランプ政権が仮に倒され、「残りカス」にしがみ付く連中が一時勝利したとしても、歴史的寿命が尽きている限り、次の旗手が現れるだろう。さもなくば、熱核戦争で人類絶滅に向かうのみである。
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昨日は、定点観測の日であった。本日投稿する。「定点」と言う言葉が、中々守れない状況が続いており申し訳ない。
例によって、読売オンラインのサイトより、過去2年間の円ドル相場グラフを借用し、傾向線と注釈は私が追記したものを掲載する。
今月は、傾向線を少し変更した。円ドル相場は、やや上下はあるものの、当面こう着状態に入ったと考えるからである。
<何も決まらなかったとボロクソに酷評された米朝会談>
トランプと金正恩の歴史的会談で、「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化(CVID)」が盛り込まれなかったことを、失敗と決め付ける報道が国内のメディアを埋め尽くしている。
トランプが『「北朝鮮の体制を保証する」と約束した』ことも犯罪のように言われている(笑)が、過去に「核兵器を開発した」ことを理由に体制を転覆された国があったのだろうか?、トランプは「手を出さない」と言っただけである。両国の間には、朝鮮戦争停戦以来戦闘行為は一度も発生していないのだから、「手を出さない」のは、これまでどおり何もしないだけの話である。
CVIDとは、一方的ない言い分で、相手国を徹底的に締め上げ、丸裸にしてすり潰すために従来米国が取ってきた手法であり、元々独立した主権国家が到底受け入れられる条件ではないと言われている。
上記2つの論点を冷静に見ると、日本のメディア(政府)は、米国が北朝鮮の体制転覆を狙って、特殊部隊と太平洋艦隊を主力として「斬首作戦」を含む一方的な先制攻撃を実行するのが当たり前で、「攻撃を実行しない」と表明したことがケシカランと、一生懸命に報道している。
安倍政権と自衛隊は、日米同盟を理由に、なし崩し的に「敗戦国条項」を踏みにじって、上記「攻撃」に参加したい。と考えており、絶好のチャンスを失って、怒り狂っている。メディアはその状況を「忖度(笑)」して、上記のような報道を一生懸命やっている。
朝鮮半島が平和になると、在韓米軍と、在日米軍駐留の存在意義が失われ、近い将来撤退が日程に上ってくるのは避けられない。これもまた軍国主義復活を狙う日本政府の思惑とは真っ向から対立する要素である。
金正恩は、当面核実験やミサイル発射を実行しないし、米韓軍事演習もトランプ大統領が、交渉中は実施しないと明言したので、物別れにならない限り、極東情勢は平和状態が継続する。
「日本政府は、拉致問題や中距離ミサイルの問題が片付かない限り、経済支援はしない」などと、書いているメディアがあるが、米国大統領が調印した文書の決定履行を日本政府の一存で反故にすることができる(笑)のか?、そんなことが出来るのであれば、日本はとっくの昔に米国から政治的に独立し、国内の米軍基地を全て撤去しているだろう。
つまり日本はまたもや「米国の便利なATM」の役割だけ(笑)を引き受ける。安倍氏がもしこれを「拒絶できる」のであれば、カケモリ疑惑を許してやっても良い(爆)。それほど強烈な日本国家と国民財産の浪費が待っている。トランプは朝鮮戦争で米国が破壊し尽くした、北のインフラ修復に関わる経済負担を、日本にまんまと押付け、「にんまり」している。
本気で「批判」するのであれば、「米国は自分が戦争で破壊した国の復興に責任を持て」と声高に言うべきだ。
<シリア情勢はほぼ内戦終結>
シリアでは、政府軍とロシア空軍の協力と親政府同盟軍などの働きで、ゲリラ支配地域が着々と掃討され、内戦終結に向かっている。周辺の反政府勢力がいなくなれば、米軍がシリア国内に勝手に建設した基地も孤立を深めるだろう。
アサド大統領は、「イスラエルと米国が介入し、地域のテロリストに圧力をかけ、関係正常化や平和的問題解決を阻止している」「イスラエルはシリア軍を直接攻撃してきたし、テロリストを直接支援してきた。」と米国とイスラエルを非難している。米国(の軍事産業の手先)やイスラエル政府がテロリストを支援し、独立した国連加盟国の内戦を煽って来たことは明白である。
外国の支援が無ければ、シリア国内の反政府ゲリラは勢力を維持できない。
<為替要因となる政治事件がない前提で当面膠着>
イスラエルの首都移転問題は、最近報道が少なく詳細が不明である。トランプが提案し5月14日に式典まで開かれたが、トランプ本人は出席しなかった。シリア情勢と北朝鮮情勢が安定に向かえば、次の大きな政治経済事象が発生するまで、為替相場は当面膠着と考えて良いだろう。
グラフを見て、上下していると見る人もいるだろうが、過去の経緯と比べれば数円程度の上下は、「コップのなかの嵐」である。需給、景気、雇用、金利などの経済指標と思惑に従って、日常的に揺れ動く。そのあたりの分析は専門家に任せれば良いことである。
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アサド大統領イランのアーラム・チャンネルのインタビュー(2018年6月13日)
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