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本日は定点観測の日である。例によって「インベスティングドットコム」提供の週次データより独自に加工作図した、過去2年間の円ドル相場推移グラフを掲載する。
データを更新すると、円ドル相場の方が私の傾向線に接近してきた。今回傾向線はそのままにしている。
<米中貿易戦争の影響による円高と日本企業への影響>
表向きアメリカの雇用その他統計データが悪化し円高ドル安が進んでいるが、ベースには米中貿易戦争がある。中国政府の報復によるレアアース輸出規制を検討開始報道など、エスカレートは止まらない。
日本企業に対しても、米国の関税引き上げ表明は既に影響している。中国に輸出製品の製造拠点を置く日本の輸出メーカーは、関税を支払うか、米国に泣きついて関税指定の解除を要請するか、製造拠点を第三国に移転するか、関税を避けるために第三国の仲介業者に製品を販売し、その後米国向けに出荷する「積替え」を実施するか、思案のしどころである。
米国に泣きつく話は実現性が乏しい。トランプ政権は既にアップルなどの米企業を名指しで批判しており、自国企業を差し置いて、日本企業の便宜を図ると期待することは、初老爺の妄想よりも実現不可能な「願望」である。
スポット業者ならともかく、最後の手段は危険である。米国の貿易管理部署は、輸出入業者の統計を監視しており、主力工場からの出荷が別の第三国経由となると、すぐにばれる。また、別の識者は原産地証明書(Certifi cate of Origin)に基づいて、中国製品に対する関税をかけるため、このような姑息な手段は採り様がないと指摘する。
違反をすれば、「総額三倍返し(笑)」の追徴金を取られる危険性を、あえて犯す企業があるとは思えないが、妄想爺の知人の情報では、関税の本格課税の前に予め大量の商品を仕入れて置いて、当面対処するなど、様々な動きがあるようである。数年前に独メルケル首相の携帯電話を米国諜報機関が盗聴し国際問題になったように、米国が目をつけた企業の通信内容を全て傍受することは容易であり、輸出企業の行動は必ずばれる。どこまでを「違反」と認定するかは、米国政府の胸先三寸であり、いずれの手段を取るにしても「危ない橋」を渡る覚悟が必要である。
ファーウェイについては、「虎を野に放つ」事になると言う説と、ファーウェイは自滅すると言う説の2つがある。米政権の制裁発動直後に、ファーウェイの経営者は、「既に十数年前から米国の規制が発動されることを予測し、準備して来た」とコメントしており、独自OS、通信技術、半導体技術などほぼ全ての製品開発を独自で対応可能としている。
米国は、世界中のPC、モバイル、ネットワークのソフト・ハードの主要な供給会社を米国籍又は同盟国の企業に独占させており、それらの製品には米諜報機関独自の裏口があるとの「噂」がある。
そこまでしなくても、アマゾンやグーグル等がビッグデータとして世界中のネット情報を収集・分析し、ほぼ個人を特定してネット状で広告宣伝を実行していることは、周知の事実である。
ファーウェイ社は、米政府の制裁により、メジャーな米IT企業とすっぱり手を切ることで、今後自らの影響圏にある地域で、情報収集、分析、監視等の独自技術を開発・展開し、米IT企業とは独自の情報ネットワークを構築する自由を手に入れた。
中国政府が米国に取って変わる「覇権」を目指すとすれば、軍事技術と並んで情報通信・監視システムの独自構築は、必須の技術課題である。米国は制裁によって、中国政府とファーウェイの背中を押す結果となったのかもしれない。
<原油相場>
このところ、じりじりと原油相場が下がっている。OPECの原油生産制限は続いているが、それを上回る需要不安が高まっている。米中貿易戦争の影響で、世界最大の石油輸入国である中国の需要先行き不安が高まり、更に米国の経済停滞の情報も加わって、値崩れを始めている。安倍首相のイラン訪問に合わせて、ホルムズ海峡でタンカー二隻(内一隻は日本の会社のケミカルタンカー)が攻撃を受けて大騒ぎになっているが、これもイランを犯人に仕立て、対イラン戦争を扇動する勢力の動きとも言えるし、産油国が、下がって来た原油相場のてこ入れの狙いで実行した可能性も高い。
イラン政府は、2回攻撃を受けたタンカーの日本人乗組員全員を迅速に救助しており、「米政府との仲介役(笑い)」を自称して訪問中の安倍首相の面子を丸潰しにする意図があるとは、到底考えられない。また対イラン制裁の結果、イランの石油輸出は事実上ストップしており、原油相場を上げてもイランにはメリットが殆どない。日本は米国に強要され現在イランとの国交を手控えているが、昔はイランジャパン石化プロジェクトなど、資源の乏しい国の独自外交として、イランとは親交があった。今回安倍氏が訪問出来たのも、昔の貯金のお陰である。
イラン政権に攻撃の動機がないところで、米国政府が「具体的な証拠は示さないもののイランの関与を断定」してイラン犯人説を断定することは、私がやりましたと自白している気がする(笑)。
タンカー攻撃の情報で、原油相場は一時的に上昇したが、茶番劇では相場の維持は出来ない。既に、「通常取引が始まると上げ幅の半分は消えています。」と言う状況であり、早晩原油相場の傾向は元の需給に基づく動きに戻るだろう。
<ベネズエラではハイパーインフレ>
米国の制裁を受け、ベネズエラではハイパーインフレが続いている、既にピークは過ぎているが、紙幣が紙くずになっているようである。400万人が海外に亡命?しているとの情報もあり、ベネズエラ政府は対応に苦しんでいる。
しかし、現政権に不満をもつ大量の人民が国外流出することは、現政権にとって悪いことではない。クーデターの見込みがなくなり、不満分子が国内からいなくなれば、後は経済の建て直しに専念できることになる。
私が知らないだけかもしれないが、ベネズエラでのクーデターの事件報道が、最近なくなっている。米国の諜報機関が、現政権転覆を諦めたのであれば、歓迎すべきことである。
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ファーウェイに対するアメリカの戦争は技術主権に対する戦争
(コメント)マスコミに載らない海外記事さんの最新記事である。
部分的な抜粋をしないので、是非リンク先を読んでいただきたい。
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2018年5月10日(1年前)
焦点:中国企業に貿易戦争の長い影、米関税が迫る事業再考
(コメント)関税を避けるために第三国の仲介業者に製品を販売し、その後米国向けに出荷する「積み替え」が増えることは、1年前から議論されている。
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