Piazzollatime裏ブログ

ピアソラばっか弾いてます。

曲紹介 A〜F

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五重奏のためのコンチェルトです。
まだレパートリーではないんですがね。

個人的にはかなり気に入っている曲のひとつです。

動画は(おそらく)Zero Hourに収録されている音源です。
音質は悪いですが…

Quinteto Suarez Pazの音源はこちら
Gidon Kremerの音源はこちら


・曲の背景
この曲は割と後期の作品です。
名前の通り、五重奏の魅力がきっちり現れていて出だしのそれぞれの音は鳥肌ものですね!

とくにいわくがある曲ではないのですが、この曲辺りからスアレス・パスが五重奏でメインのバイオリニストになってます。
それはそれまでのバイオリニスト、アントニオ・アグリが体を壊すからなんですけどね…



なんといってもCD「Tango: Zero Hour」に収録されている音源が有名で、かなりいい出来になってます。



・曲の構成
この曲は後期の作品ということもありますが、編曲のバリエーションはほとんどありません
それだけ完成度が高い作品ともいえるでしょう。

編曲のバリエーションがない曲は、この曲のほかにもいろいろあります。
有名なのはブエノスアイレスの冬ですが、この曲は基本的には一つのテーマをいろいろな形で繰り返し、メロディーとしては変化に富むとは言えないですね。(雰囲気はうねるような変化を見せますが…)

一方でこの曲はさまざまなテーマが現れ、まるでシンフォニーのような雰囲気です。


個人的な思い入れも相当入っていると思いますが、この曲の良さを一言で言うならば

ピアソラの一つの集大成

という曲ですね。


まるでシンフォニーと評しましたが、まさにその通りで、根っからのタンゲーロでありながら、クラシックの作曲法を学んだピアソラならではの曲だと思います。
その上、曲名の通りタンゴ革命の1要素である、五重奏団というスタイルのために書かれた曲です。

ピアソラも言っているように五重奏団が最も自分の音楽を表現しやすかったようで、エレキギターを取り入れたこと、すべての楽器が「ソリスト」として扱ったことなどからも今までのタンゴとは一線を課しているような気がします。



・編曲
譜面は手元にあるんですが、まだ編曲はしてません…
そもそも五重奏のためのコンチェルトをトリオでやってもいいものなのか?という疑問もありますね…。

是非やりたいという思いはあるものの…

Fugata フガータ


フガータです。

ピアソラ本人の音源も探したんですがなかなか見つからず…
ヨーヨーマの演奏です。

これはこれでかなりのインパクトがありますね。
事実Libertango程ではないですが、この曲もヨーヨーマが有名にした曲という感じですしね。



嗚呼、こんな風に弾きたいなぁ…



・曲の背景
フガータという曲名の通り、フーガ形式です。

この曲は「風と水の精」の組曲あるいは「組曲Tangata」(たまに組曲Soledad)と呼ばれる3曲の中の一曲で、ほかの2曲が寂しさ溢れる中、この曲はフーガに乗って前へ前へ行く曲です。

バレエの組曲らしいですが、二曲目のSoledad以外は躍れると思えないんですが…


・曲の構成
この曲は個人的な意見も含みますが

フーガ形式の最高傑作

だと思います。

フーガ形式はピアソラがバッハに影響されていた証拠でもありますが、「ピアソラらしいフーガ」を確立していて、ほかにも
フーガと神秘
天使の死
あたりが有名ですね。(単にFugaっていう曲もあります。)


その中でもやはりこの曲は最高傑作だと思うのです。

その理由もいくつかありますがやはり端的にいえば
フーガの良さが最も効果的に表れている曲だと思うのです。

前半のフーガ、まさしくフーガのメロディからtuttiへの移行。
盛り上がった後の、少し緩んでバイオリンの下降音。
(ここでピアノソロが入ることもあります。)
そして不思議な終わり方…


これがすべて曲として強烈な印象を与えながらも美しさを保っているのは、やはりフーガ形式のおかげなんじゃないかと。


・編曲
フーガ形式はどこかでも言ったかもしれませんが、編曲自体は楽ですが、もうひとつ楽器があれば…と悶絶する曲です。

もうひとつ楽器があればもう少しそれっぽい雰囲気を出せると思うんですが…
ま、このままでも3人ともなかなか健闘してると思います。


ヨーヨーマはフーガをチェロから始めました。
確かにそのほうが凄いインパクトはあるんだけれどもー
そんな自信ないよー。



ピアソラのすごさ
ヨーヨーマのすごさ

そういったのを弾くたびに思い知らされる曲ですね。





ちなみに。
完全に余談ですが、youtubeを漁ってると「Fugata Quintet」なる団体があるらしく…
なかなかうまいです。びっくりです。


なぜかFugataはupされてないですがw
天使のミロンガ
ブエノスアイレスの春
はオススメです。

Biyuya  ビジュージャ



譜面を一度整理しようというプロジェクトが始まってまして、ついでにこちらもアップしてしまおうという試みです。

うちのバイオリン弾きが大変気に入っているみたいです。
渋いですな〜


・曲の背景
Biyuyaとはそもそも「お金」という意味です。
ちゃんとしたスペイン語ではなくスラング(俗語)ですね。


お金というイメージからとこの曲の雰囲気はあっているような、あってないような…
なかなか日本人には理解できない範囲なんですかね??

スアレスパスも「この曲は楽しい曲だ。」といってたらしく(バイオリニスト談)…
ちなみに同名のアルバムの表紙は「札束をくわえたオウム」です。

よくわかんないですね…



・曲の構成

とにかくこの曲は

繰り返されるテーマ

が特徴のため、下手をするとすごくつまらない曲になりかねません。


真ん中のバイオリンとバンドネオンのソロはすごく美しいのですが、その前後のくりかえされるメロディー…

リズム感、アクセントが狂ったり、逆に単調だったりすると聞くに堪えない感じになりますね。
それだけ、腕が要求されます。

タンゴには時折こういう曲があるみたいですが、やはり楽団としての完成度が問われる曲なのは間違いないと思います。



・編曲
ピアノはあえてそのままです。
そこにはいじる余地ないですね…

あとは基本通りチェロはバンドネオン、バイオリンはバイオリンのままなのですが、音域の関係上、テーマが繰り返される部分はバイオリンとチェロが入れ替えてあります。

これには断腸の思いでして…
スアレスパスにも驚かれたので、チェロが上でも…とも考えましたが…

んー。
さすがにこの音域は厳しい。
あくまで音域が上のほうが目立たなくてはならないので、そういった音色でこの音域をチェロが担当するのは厳しいんです…
ですがそれゆえの雰囲気の違いも生じてしまっている感は否めませんね…


途中のソロは基本通りなのでうまくいってます。
個人的にはあらゆるソロのなかで(Kichoをのぞく)、一番うまく弾けると思います。

Escualo 鮫



今回はエスクアロ(鮫)です。

後述しますが、この曲はバイオリニストフェルナンド・スアレス・パスのために書かれた曲なので、動画はスアレスパスの最近の動画を載せておきます。
なかなか円熟の演奏で、やはりこの人のための曲なんだなという気がしますね。



・曲の背景
「鮫」というと日本人的には映画のジョーズの様な大型のサメを想像してしまいがちですが、この場合の鮫はチョウザメの様な小型の鮫です。
アルゼンチンではこの小型の鮫は釣って楽しむのが一般的で、スポーツの様な感覚らしいです。
バス釣りみたいなものですかね。

ピアソラも鮫釣りが好きだったようで、鮫釣りに関して
「私の中の凶暴性が――鮫に向けて鬱憤を爆発させたのだ」
とも語ってますね。


この曲はピアソラの晩年の五重奏団のバイオリニストとして活躍したフェルナンド・スアレス・パスのために書かれた曲です。

五重奏団でもそうですがタンゴではバイオリンはバンドネオンと並んでメロディを多く担当するので、意外とバイオリンが明らかに主役という曲は少ないですね。

有名どころでは
Escualo
Vardarito (バルダーロのために書かれた曲ですが…それ程バイオリンは活躍しません…)
Historie du Tango(タンゴの歴史、フルートでも演奏されることがある)


タンゴの歴史は五重奏のための曲ではないので、五重奏団の曲という意味ではコントラバスよりも少ないかも…
それだけ普段活躍してますからね。


曲自体は割と有名なんだけれども、これといった決定版といえるような録音もなく、収録された有名なCDも無いですね(CD:Biyuyaとか…)

スアレス・パスの演奏を聴き比べるのが面白いですね。
作られて、初期のころの録音と暫くしてからの録音、最近の録音を比べるとテンポが結構違うせいか雰囲気がそれぞれあって面白いですね。


小松亮太氏のデビューアルバム「ブエノスアイレスの夏」のスアレスパスのバイオリンもなかなか良いですね。かなり速いテンポです。



・曲の構成
この曲は一言で言うと

タンゴバイオリンの魅力を最も端的に現した曲

ですかね。


全体通して、途中でバンドネオンのソロが入る以外はバイオリンがテーマを色々な形で弾く曲です。
基本的には4/4なのですが、2小節で一単位という少し不思議なリズムののお陰もあって飽きないようなつくりになってます。
さらに途中に出てくる2/2の全楽器の休み、ブロックが緊張感を与えてくれてますね。


キレの良いテーマはタンゴバイオリン、特にスアレスパスの良さをうまく引き出してますね。



・編曲
これは市販されている譜面を使ってます。
というかこれしか手に入らないですね。

予想ですが、五重奏の譜面も割とバイオリン以外は単純なものだと思いますね。
特にギターとバスは2小節繰り返しが多そうです。

なので、誰が編曲しても似たような感じになると思います。


ただ冒頭の雰囲気は少し気に入りませんが…
チェロの和音も気を衒いすぎているような…


この曲はいずれ紹介しないとは思ってたので。


やはり最高傑作です。

動画は、モントリオールジャスフェスティバルの映像です。
伝説的演奏ですよ。鳥肌ものです。



・曲の背景
この曲を紹介するのは僭越な気さえしますが、紹介させていただきます。

Nonino(ノニーノ)というのはアストル・ピアソラの父、ビセンテ・ピアソラのことです。
ピアソラはノニーノのことを尊敬・敬愛しており、タンゴを聞かせてくれたのも父、バンドネオンを買い与えてくれたのも父でした。
つまりは音楽的な意味でも父親だったといえます。



1958年ピアソラがニューヨークを拠点にアメリカで活動していた時のこと、やや不遇にありながらも演奏活動をしていた。
メキシコでの2ステージに臨む。
ピアソラが2ステージの前半を終え、休憩時間にノニーノの訃報を知る。

最愛の父親を失いながらも、後半のステージを執り行います…


その後ニューヨークに戻ったピアソラは自室にこもります。

息子ダニエルはこう語っています。
「父は、しばらく一人にしてくれと私たちに頼んだ。私達は台所に入った。
初めのうちは全く静かで、それから間をおいてピアノを弾くのがが聞こえた。
それは悲しい、恐ろしいまでに悲しいメロディだった。」

こうして生まれたのが生涯弾きつづけていく代表作。「アディオス・ノニーノ」です。





こうして生まれたこの曲は、当初冒頭のピアノソロはありませんでした。


1969年5重奏団を再結成するとき、ピアニストとしてジャズ畑で活躍していた「ダンテ・アミカレリ」が加入します。
手が小さい分、類稀なるテクニックを有していたピアニストで、「初めて見る楽譜もスラスラ弾いていしまう」という評判でした。

いたずら好きのピアソラはいろいろ難題をふっかけますが、あっさり弾いてしまいます。
余計に怒ったピアソラは、「明日のためにピアノソロを書いておくから、もしそれが初見で弾けたら、おれは音楽家なんかやめて、残りの人生は編み物でもして過ごすよ。」
といういったそうな。


次の日、集まったメンバーたちの前で、落ち着き払った態度でアミカレリはあるメロディーを弾き始めます。

あまりの美しさに、メンバーたちも聞き入ってしまった…
それが「アディオス・ノニーノ」の新編曲だったわけです。



・曲の構成
さてこの曲は前述したようにやはり最高傑作なのです。

そのなかでも

曲としての最高傑作

といえます。

というのは、アルバムとしての最高傑作はやはりTango Zero Hourですし、
組曲としての最高傑作はブエノスアイレスの四季(異論はあるかと思いますが…完成度として)かと思います。

これらの作品にアディオスノニーノは含まれて居ません。
それはやはりそういった作品この曲を入れてしまえば、作品全体としてアディオスノニーノがテーマになってしまいます。

それだけ存在感のある、完成度の高い曲なのだと思います。
でもその分孤高な曲ですね。


さて各論ですが、この曲は大きく二つのテーマからなります。
1つは(ピアノソロから続く)冒頭のテンポの良い、キレの良いメロディです。
2つめはバイオリンソロやバンドネオンソロによる、ゆったりとした部分です。


さてここでクイズです。
ノニーノ本人そのものを象徴しているのはどちらでしょう??



ま、色々意見はあると思いますが、個人的には前者のテンポのいいほうだと思います。

というのは、この曲はモチーフあって、この曲の数年前に発表されている「ノニーノ」という曲です。
「ノニーノ」をモチーフとして作り上げられているのはテンポのいいほうのメロディだからです。
(「ノニーノ」はあまり収録されていませんが、最近出た小松亮太セレクションのピアソラベストに収録されてます。)



では、残りのゆったりした部分はなんなのか。

悲しみでしょうか、後悔でしょうか、単なる鎮魂歌でしょうか…


個人的には父への感謝だと思います。
タンゴに導いてくれた父。
バンドネオン奏者として英才教育してくれた父。

本当に文字通り「父が居なければ今の自分はない。」という思いが詰まっているのではないでしょうか。





・編曲
編曲というほどたいしていじってはいないのですが…


編曲らしいことを始めてすぐのころに取り組んだ曲です。
それでも割とうまくいってますね。
同時期に編曲した曲とはくらべられないほど。


それだけ、曲としてしっかりしているんでしょうね。



基本的には
バンドネオンをチェロに移した程度です。
ただ、速い部分はチェロだとなかなか雰囲気でないので、そこもバイオリンにお願いしてますね。


冒頭のピアノソロは今無いのですがなんとかしてあげたいですね。
ただチェリストの自分が譜面かしょうがないですよね…

お持ちの方はご一報ください。
うちのピアニストがアミカレリばりの初見弾きをしてみせますので(笑)

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