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長江哀歌(エレジー) ジャ・ジャンクー (中国)2006 ★★★★☆☆
不思議な映画でした。
三峡ダム建設のために、立ち退きを進めている古都奉節。
この奉節、歴史も古く、三峡下りや白帝城などで日本人にもなじみのある場所です。
映画にも出てきますが、人民元10元札にもも描かれている長江の景色はつとに有名。
先日、日本における佐久間ダムの映画を見ましたが、水没の地の哀歌というのは世界どこでも同じなのでしょう。
水没後のゴミとならないように、建物も取り壊されるようですが、そうした廃墟が独特の哀感を漂わせています。
これも、先日見たアニメの『鉄人28号』では、この廃墟を人工的に作り郷愁を押し付けていましたが、ここに描かれている廃墟たちは本物。
しかも、奉節の歴史が長いだけに、水没する古都の姿はいっそう哀愁を誘います。
まさに題名通り「哀歌」。
ただ、物語はわかりやすものではありません。
この奉節にやって来た一人の男。
うらぶれた鉱夫ですが、別れてしまった妻と子供を探して、この町にやって来たというのです。
義兄やら義父やらを訪ねながら、妻の行方を捜し歩きます。
彼の周りに胡散臭い人間が現れては消えて行きますが、どれもまるで景色のよう。
そして、どこか現実離れした、不思議な雰囲気を持っています。
ゆでた麺を食べる人夫たち、飛び上がっていく現代建築、電子ゲームに興ずる京劇メイクの役者たち。
彼らの醸し出す超現実の世界に引き込まれていきます。
物語を追うのではなく、その雰囲気を楽しむ映画ではないかと思いました。
僕は中国好きなので退屈することはありませんでした。
ただ、そうでない方には、少々退屈かも。
(CS)
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たしかに今の日本から見ると現実離れしていますね。人を探してまた帰るということだけでは、たいしたことはないのですが、やはり雰囲気にカルチャーショックのようなものを感じます。
TBさせてください。
2017/8/11(金) 午前 8:03
> ギャラさんさん
ありがとうございます。今頃のお返事ですみません。
この監督の作品って不思議な雰囲気のあるものが多いですよね。でも、テレビドラマのスペシャル版ばかりの今の日本の映画に比べると、その雰囲気だけでも見る価値があるような気はするんですよね。でも、絶対寝ちゃうような気はしますけど。
2017/8/20(日) 午後 10:49