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タイトルに引かれて図書館から借りてきて読んだ。
目次を見ると、それぞれの登場人物の日記、手紙、報告書など、それぞれの人物の目を通して書かれたものが各章にあって読みにくいものを借りてしまったかもしれないと思ったが、読み出したら面白くて一気に読み終えることが出来た。
両親が離婚し母親と暮らす少年トランスのもとに、父親のマルコム・スプーア男爵から手紙が届いた。
父親からの手紙にはスプーア一族には七百年に及ぶ呪われた歴史があり、一族の男子はみな五十歳を前に狂気に陥り、暴力的な死か自殺を遂げるという事が書かれていて、自分も狂気と死を予感したので、少しの間だけでも息子と暮らして爵位と全財産を譲りたいという事だった。
トランスはボストン近郊の岬にある父親の男爵の広大な邸で暮らし始めたが、そこで彼を待ち受けていたのは、十二頭の赤い目を持つ獰猛な大型犬と、地下室を埋めつくすセピア色の薔薇、そして至る所に仕掛けられた監視用のビデオカメラだった。
トランスが通う学校の女教師のシーラ・マシーフと、その恋人のデュエイン・オールブライトが彼の生活にからんで来る事で、男爵の真の目的と謎が明らかになっていく。
シーラは自分では気づいていないが、超能力者を中継する力を持っていて、デュエインは超能力を兵器にする国家プロジェクトにかかわりのある超能力者なのだ。
ある日、彼はシーラを通してとんでもない力を感知し仕事を放棄してシーラのもとに駆けつける。
彼がはじめてセピア色の薔薇が咲き誇る地下室に入った時の描写や、トランスが男爵とともにその地下室に降りた時に起こった出来事、シーラが空中を舞った一瞬に起こった出来事など興味深かった。
想像もしていなかった結末となった。
結局その不思議な薔薇がどこから来たのかは謎のまま終わってしまったのが残念だったが、想像にお任せしますという事か。
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