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最近日本では中東圏への興味が高くなりつつあるらしい、と云う事をどこかのネット情報で読みました。 確かに随分いろいろな人々が、様々な中東関係の話題を書いたり、話したりする様になっている様です。 ありがたいことです。
日本での中東研究は新しくなく、もうずいぶん前から研究され続けてきています。
特に言語と宗教を中心に、そうでなければ政治と原油の問題としての研究課題となってきたのだと思います。
面白い事に日本(だけではないのですが)中東研究と云うと、多くの場合『中東、イスラム研究』『アラビア語・イスラム文化』と言うカテゴリーに分けられることが殆どの様です。
ところが、
【中東イスラム文化】だと、トルコ、イラン、(アフガニスタンまでも)を含んだ地域の歴史、文化、美術などが研究対象となります。
【アラビア語・イスラム文化】となると、アラビア語で書かれたイスラム教原典、アラビア語、イスラム文化、文学、美術などが対象になります。
不思議なことに、殆どの中東研究は【アラブ世界】と言うカテゴリー分けはしないかの様に見えます。
実際、アラブ人達が自ら敢えて【アラブ世界:Arab world】と呼ぶ地域文化は、アラビア語を母語とする広範な地域(国々)にすむ人々に共通に共有、或いは分かち合われている文化、習慣、歴史、社会の諸々の事どもです。
【アラブ世界】とはモロッコからイエメンまでを含む、中東北アフリカ(MENA)地域の22カ国からなる地域世界で、宗教や人種による国家分類ではなく、共通の言語である【アラビア語を話す人々の住む地域】と言う緩い結びと繋がりの【世界】なのです。
そこには、地理的には『中東』に属すトルコ、イラン、クルド地域、アフガニスタン、イスラエ ルは含まれません。
こうした違いをハッキリと理解しないと、本当の意味で深く『中東』を理解することはできないと断言して良いと思います。
ワタシが中東の歴史や文化を中学高校の世界史で学んだ時、7世紀から起こったアラブ文明圏は、【サラセン帝国】と記され『アラブ文明圏』『アラブ世界』などと表されていた事はありませんでした。 それは、アラブイスラム教徒達の統治から、非アラブ イスラム教徒統治に替わっても1000年以上『イスラム帝国』として続いた文化圏だからでしょうが、そこにも西洋史観を基本にした日本の歴史学者達の考え方、見方が反映されていたのだと思います。
初めてアラブ人に会って歴史の話をした時、ワタシは習って知っていたとおり「サラセン帝国」と表現しましたら、『それは余り良い表現ではなく、アラブ人達は良く思わないですよ』と注意を受けました。
日本(=欧米)の中東研究の歴史は古く、熱心であるにも拘らず、ワタシ達の多くは中東地域のことは殆ど何も知らないのが現実だと思います。
アラブ人=イスラム教徒だと思い、トルコ人もイラン人もアラブ人だと思い、アラブ世界にはキリスト教徒もユダ ヤ教徒も現在も住んでいて、様々な人種が混じっていて、3億5千万もの人々が一つの言語で共通に理解し合える大きな文化圏が存在していることさえ意識にないのが現実でしょう。
膨大な数の書籍、世界を結ぶIT技術、無料で簡単に入手できる情報の山...
にも拘らず、こんなに大きな世界が厳然と存在する事実さえワタシ達の目には見えないのですね。
この話題を考える度につい【ナルニア国物語】を思い起こしてしまいます。
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中東 アラブ周辺諸国
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ナルニア国物語って、あのフィクションの映画の事ですか?
つまりは、要するに、「アラブ世界」と言うものを、何らかのカテゴリーに分類すること自体無理がある・・・人間の固定された枠組みには当てはまらない、既成概念に収める事の出来ない「感覚的」に捉えなければ理解が難しい世界がある・・・という事でしょうか?・・・
で、この映画、ビデオでナンバー2まで観ました、面白い映画でしたね〜。続編が出そうですけど、まだなのでしょうか^^☆
2010/6/30(水) 午前 8:46 [ - ]
「アラブ人=イスラム教徒だと思い」←これは多くの人がその傾向にありますよね。レバノン人の友人はキリスト教徒なのですが、その彼に向かって「なんでキリスト教徒なの?」と聞いた人がいます。なんで、、、って(汗)その質問をした人にとってはレバノンの人は全員ムスリムという概念だったのでしょうね。
2010/6/30(水) 午前 10:13
思い出しますね。サラセン帝国!
ところでアラビア語は1種類しかないのですか?日本の方言のような違いは無いのですか?
2010/6/30(水) 午後 4:15
MESTさん、そうでしょうねぇ〜 外国人にアラビア語を教えるには、先ずはそう云う基本的「アラブとはなんぞや」みたいなところから始めないとならない訳なんでしょうねぇ...^^
2010/6/30(水) 午後 6:26
akaharaさん、モーリタニアは勿論(北)アフリカで全く間違いないのです。 「アフリカ」と言う地理上の位置ですね。 それとは別に「アラブ世界」とは「言語文化圏」と言う考え方での同じ母語を持つ人々の住む地域...と云う事でしょうね。^^
2010/6/30(水) 午後 6:30
...負けましたけれど、よくあそこまで残ったものだと思います。 やればできるじゃないのぉ〜... ですね。^^
以下ご指摘、全く同感です。そのとりだと思いますです。
2010/6/30(水) 午後 6:34
山田さん、良かったですねLIFT が見えて...^^
過去は過去、歴史は歴史...と言う風に観て考える様に教育して来たのが日本の、特にも戦後から現在までの教育だったのだと思います。 さらに史実を改竄してまでも「お上が認める正史」として教え覚えさせる...これは何処の国でもある事ですが特にも世界を力で制覇、分割してきた西洋の歴史の描き方だと思います。 日本の学問界主流は西洋学問観に沿っていますから、やはりそう云う歴史観を教えて来たのでしょうし、西洋が変えれば日本も変える...と言うことなんでしょうね。
2010/6/30(水) 午後 7:04
山田さん、『外国は...』と云っても世界に何百と言う国がある訳で... また何時の時代でもどんな国でも「国家の力」についた者は当然自分達の描いた「正史」を誇るように民衆を誘導するでしょうね。 ただ日本の場合は戦争に負けてかつての「敵」に「戦後改革」をデザイン、指導、プログラムされ来た訳ですから、西洋列強に立ち向い揺さぶった戦前は仕業は全て悪い...と教えるのは当然だと思います。 もう二度と同じ事を繰り返させないために... だから統治機関に働き、経済活動を担うエリート達はみな『アメリカで教育を受けなければエリートとはなれない』と思い込まされてきた訳でしょうね。
2010/6/30(水) 午後 7:12
山田さん、小難しい事は解りませんが、もっと単純に、イスラム教徒が多く住む国々、地域はイスラム圏で、アラビア語を母語とする人々が住む地域がアラブ世界です。 アラブ人イスラム教徒人口は、世界中のイスラム教徒人口のほんの20%にしか過ぎないのです。 トルコ人、イラン人、パキスタン人、アフガン人、インドネシア人など、イスラム教徒が殆どですが、彼らはアラビア語が母語ではないですから、アラブ人でもないしアラブ世界でもない訳です。実際彼らはアラブ人達が共有する多くの文化、伝統を共有しませんし、感情的な近さも持っていないのです。
2010/6/30(水) 午後 7:20
山田さん、ナルニア国物語は、C.S.ルイスと言う児童文学者が書いた7巻に及ぶ長編作ですが、その中に出てくる意固地な小人は、自分の世界しか見えず、主人公達が見ている生き物や物事が見えないのです。 実際に存在するものでも見えない者には見えない...と言う事はありうるのだ、と言う意味でこの物語を思い出した訳です。
2010/6/30(水) 午後 7:26
KYOKOさん、お元気ですか? お久し振りです!^^ そうなんですよね、中東・アラブ=イスラム教徒圏と思っている人々は世界の大半だと思います。それ程「ステレオタイプ」流布政策は見事に成功したのでしょうね。 ^^
2010/6/30(水) 午後 7:28
legさん、古典=クゥラーンの言語=共通語としてのアラビア語は一つです。ただ勿論、日常口語の方言は多種多様で、例えばアルジェリア人の話すアラビア語はレバノン人には解らないとか、湾岸地域の口語アラビア語は、チュニジア人に解り難い...とか云う事は大いにあります。 しかし例えばアル・ジャジーラなどのニュースキャスターが話すアラビア語はどこのアラブ人も理解する訳です。 同じく外交、公式の場の会議などでは共通語である古典アラビア語を話すので、みな理解できる訳ですね。 この事こそが西洋が真に恐れる点で、それ故の終わりの無い「アラブ崩し政策」が弛み無く続けられているのだとワタシは思っているのです。
2010/6/30(水) 午後 7:37
言葉の違いが文化の違い…ですね。これは日本国内のような狭い地域でも感じることです。逆にいえば、日本人が狭い島国に暮らしている同じ人種の人びとでありながらも、山ひとつ超えただけで口語は違う…でも公用語はあった…ということも考えて見ると面白いです。
2010/6/30(水) 午後 8:44 [ MoranAoki ]
情報があふれているのに
聞こえてこない 見えない 認識されない世界があると言うのですね
面白いお話です
世の中にはフイルターをかけられ 無視されている
事があるらしいですね、怖いです。
でも大きな耳と良い友を持つことで 見えて来る事もあるでしょう。
2010/6/30(水) 午後 10:26
モランさん、そうですね。どんな地域でもそれは同じことなのでしょう。人口160万人程の街ストックホルムでも東西南北中心地それぞれ微妙にアクセントの違うスウェーデン語を話し、どの地域の人々か判ると云います。更に狭いベイルートなども同じで、アラビア語の発音によって検問所で止められたり、殺されたりした時代もありました。日本全国の方言は江戸から遠ければ遠いほど難しくなるのは、外様大名配下に、江戸のお上から放たれたお庭番にできるだけ理解されにくいように、敢えて解り難い方言を話す努力がなされた歴史背景がある、と聞いた事があります。
2010/7/1(木) 午後 5:34
ヨシさん、そうですね。 フィルター程度ならまだましですが、もっと極端に全く知らせないとか、或いは完全な大ウソを配信、意識的な情報誘導など、露骨でエゲツナイ『情報操作』で世界を動かすのだと思います。
2010/7/1(木) 午後 5:41
PINK さ〜ん、おひさしぶりですぅ〜お元気ですか〜^^
書中お見舞いです〜
家の娘たち今、パレスチナに滞在中です、、、ヨルダンへ行く前では、ドバイで乗換えをしたんですよぉ。(ただの乗り換えだけですが、、、)(笑)娘達アラブ生活エンジョイしてますよ!
2010/7/5(月) 午前 6:19
モスリママさん、コンニチハ! お元気ですかぁ〜?? ^^
お嬢様達楽しく、有意義な夏休みを過ごせると良いですねぇ〜 ^^ 体験感想レポート楽しみにしていますね!
2010/7/5(月) 午後 7:31
最初読んだときサラセン帝国って懐かしいなあとそのままにしていて、今日新たなピンク記事更新で舞い戻ってきました(失礼)。
前々からサラセンて何だろうと思っていましたが、古代ギリシャ=ローマ人がアラブ人を呼んだ古称なんですね。7C以降アラブ=イスラム帝国が成立後もヨーロッパ人は十字軍遠征を通じてイスラム世界を否定、蔑称としてのサラセン帝国を呼称、日本もつい30年前まではそれに倣っていたのですね。勉強になりました。☆
2010/7/6(火) 午後 11:28
迷えるオッサンさん、舞い戻って来てくださってアリガトウござりまするぅ〜 ^^
最近しばらく、アラブ世界の歴史を観たり考えたりしているのですが、やはり西洋史学観に相当侵され、改竄歪曲されているんですよね。それでも西洋人学者達は新たに掘り起こし、見直しはされていて面白いのですよ。毎日の様に遺跡発掘、発見どんどんされていて興味深いですし。 西洋はホントにアラブ世界の出ないお化けを今でも恐れ続けている、と言えると思いますですぅ^^
2010/7/7(水) 午後 5:31