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中近東、アラブ諸国、イスラム圏、と言う言葉はよく聞くけれども、何処から何処までがアラブで、何がイスラム圏か??
アラブ=イスラム教=原理主義者=テロリスト
と言う短絡イメージが植えつけられて来ましたが、実際には人種も、民族も、文化、伝統風習習俗も多様に異なるモロッコからインドネシアまでの膨大な地域を「イスラム圏」と言い「アラブ諸国」に属さない国々も沢山あります。
メジャーマスメディアの予算不足からの怠慢か、単なる知識不足か、意識的操作か、よく解りませんが、
アラブ=イスラム教=原理主義者=テロリスト
についてのキチンとした政治地理、文化地理的説明を怠ってきていることから生じる「巨大な誤解」が横行しているようです。
アラブ人・アラブ諸国と言った場合、一般的にはアラブ連盟に属する国々と理解して良いと思います。 アラブ連盟加盟国は現在22カ国です。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%A9%E3%83%96%E9%80%A3%E7%9B%9F
西はモロッコから東はイエメンまで、広く北アフリカ、東地中海沿岸、中東、アラビア半島に至ります。
このアラブ連盟加盟22カ国の公用語はアラビア語ですが、全ての国が「イスラム教国」である訳ではありません。 また、「イスラム教国」と言った場合、何を基準にしているかもハッキリしている必要があります。
では西から...
モロッコ:
スペイン、フランスの支配を受けますが、7世紀後半以来の王国です。主流宗教はイスラム教ですが、イスラム教支配体制国ではないです。フランス語共通語・アラビア語公用
アルジェリア:
共和国です。アラビア語公用語、フランス語共通語
チュニジア:
共和国です。殆ど独裁専制。アラビア語公用語、フランス語共通語
リビア:
イスラム教人民共和国と言いますが、実際には世襲制独裁国家
エジプト:
共和国です。事実上独裁専制型。 公用語アラビア語 英語、フランス語。イスラム教徒が大半ですが、コプト派キリスト教徒も多くいます。
ヨルダン:
王国です。 独裁専制。イスラム教主流ですが、キリスト教徒多宗派あり。
パレスチナ:
イスラエル占領下、暫定的共和国形態。 スンニ、シーア両派、ドゥルーズのイスラム教。 キリスト教各派。
レバノン:
共和国。イスラム教スンニ、シーア派、ドゥルーズ、キリスト教マロン派カトリック主流と多宗派。
シリア:
共和国とは言うものの、事実上世襲的バース党独裁支配。スンニ、シーア両派、ドゥルーズのイスラム教。 キリスト教シリア正教、各派。
イラク:共和国のつもりらしいが、アメリカ率いる連合国軍占領下。只今混乱中。スンニ派少数、シーア派マジョリティー、イスラム教。 キリスト教各派。 クルド族(イスラム教徒)
サウジ・アラビア
王国。 イスラム教スンニ派多数。 事実上、独裁専制。イスラム法支配。
クウェート:族長型 専制政治。 イスラム法支配ではない。イスラム教両派。
バハレーン:族長型から王制に変更。独裁専制。 イスラム教両派。シーア派多数。
カタール:族長型独裁専制。 イスラム教両派。
アラブ首長国連邦:族長型専制の連邦共和国。イスラム教両派。
オマーン:族長型 独裁専制。イスラム教両派。
イエメン:共和国 独裁専制。
この他、スーダン、ソマリア、ジブチ、コモロ、ジブチ、モーリタニアが加盟国ですが、イスラム教が大半。 スーダンはキリスト教徒もいる。
トルコ、イランはイスラム教徒が大半であることから、「イスラム圏」範疇には入りますが、アラブではありません。
トルコはアルファベットを使用したトルコ語が公用語。
イランはアラビア文字を使用したペルシャ語が公用語。 イランは大統領を仰ぐ共和国ですが、イスラム法に則った法制です。
その他、西アジア、中央アジア、東アジアのイスラム教徒の多い国々は「イスラム圏」とは言われても「アラブ諸国」ではありません。 インド、スリランカはヒンズー教、イスラム教、キリスト教が共存します。 インドネシアまで延びる「イスラム圏」ですが、インドネシアもキリスト教、仏教、インズー教、の共存です。
また、殆どのアラブ人はセマイトといわれる セム族ですが、これにはユダヤ人も含まれますが、逆にエジプト人はセム族ではありません。
トルコ人も、イラン人もセム族(セマイト)ではありません。
ユダヤ人達がよく欧米人を避難する言い方に「アンチ・セミティズム」と言う表現を使いますが、この言い方だとアラブ人を含んで「ユダヤ・アラブ人差別主義」ということになってしまいます。しかし、実際には、彼らはユダヤ人だけを対象に入れての「アンチセミティズム」のつもりです。 一般民衆が詳細な知識が無い事を鵜呑みにしての、不正確な表現です。「どうせ知らないから...」的な傲慢であるとも言えますね。
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トップ:18世紀の絨毯商人
(Jean-)LŽon GŽr™me (1824-1904) 「The Carpet Merchant」
2番目: 18世紀 モスク ミナレットからの祈りの時間を知らせる呼びかけ
(Jean-)LŽon GŽr™me (1824-1904) 「The Call to Prayer」
3番目: 現在。 シリア、ヨルダン地方の老人
4番目: 現在。 サウジアラビアの少年
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