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『ワシントン コンセンサス』と言うものがある。
この政策が良いか悪いか、有効性があるか否か、と言う経済政策を論議するためではなくて、そうした政策を必要とする諸国が存在する、と言う共通認識がワシントンD.C.を本拠とする国際金融政策機関、IMFや世界銀行などの人々の間ににハッキリとある、と言う事を指摘したい。
経済政策論として、機能したか失敗したかを論議して、ワシントンコンセンサスは終わった(前英国ブラウン首相)とする人々もいるが、今世界を見渡してみると、決してそうではない事は明らかだ。
世界中の経済活動を監視し、それらをどう動かしていくかなどを討議し、より円滑に機能させるための政策を打ち出したり、それを実行させるために助言したり、援助したりする、ノーベル受賞経済学者や、欧米諸国中央銀行出身者や、政府金融テクノクラート、銀行金融専門家などの集まりだ。
そう言う人々が、世界中を見回し、経済も政治も社会も上手く機能していない国々を見つけてはリストアップし、そう言う不機能諸国を改革改善しなければ、欧米先進諸国の恒常的な経済成長に必用な、世界市場が拡大成長しない、それ故、IMFや世界銀行主導諸国(=欧米)は、不機能諸国を『改善修復し経済自由化、市場開放』する必要がある、と言うのがワシントンコンセンサスだ。
西洋メディアが命名した『アラブの春』と呼ばれて昨年から始まった『アラブ民衆蜂起』は、中東アフリカ地域の不機能諸国、即ち産業経済が未発展で、深い汚職構造故に不機能な独裁政府により経済の民主化が大幅に遅れている諸国の『解体修復作業』が始まった、と云うことだ。
即ち⇒
外国(先進諸国)資本の直接投資市場の開放
よりスムーズな市場機能化
急増する人口に対応すべき社会インフラ建設推進とメガプロジェクト建設市場創出
急増若年層人口の中産階級化による消費財市場の創出
サービス産業創出による未熟練職の創出と地元人口への職の創出
等など
一見して表層的には、経済の自由民主化による社会発展..の様相をとる変革=恰も民衆自身で到達した『革命』による社会発展に見せる。
今年に入って以来、次々に頭を落とされた、チュニジア、エジプト、リビヤの独裁政権政府が、長年その座に居座り続けていられたのも、実際には他でもない旧帝国諸国=欧米政府、政財界が認め、合意後押し、支援し続けてきた一族長達だったからだ。
ところが、特にもこの20年来、欧米はもとより、世界は大きく変わり始めていたが、資源豊富な上、西洋価値世界観とは別の社会文化価値圏である中東アフリカ諸国の発展への理解と努力は鈍過ぎた。
汚職構造の重層化、広範化、慢性的習慣化が激しく、経済危機・低成長期を迎えていた西洋世界が必要とする市場開放がスムーズに進まなかった事が、70年代から変わらない発想の不機能独裁政権を据え替え、21世紀の新しい『民主国家』の下の市場を開放する必要があった。
ワシントンコンセンサスの要求するところに一致する。
米国オバマ政権は、アフガニスタン/イラク侵略戦争での失敗から、これ以上中東アラブ世界での武力紛争には当分関わりたくない。これ以上、米国民税も人命も費やしたくないばかりか、アラブ、イスラム世界からの人気と信望も取り戻したい。
そこで導入されたのが『民衆自身による改革要求の蜂起』と言うスタイルの戦略だった。 エジプト革命が3年前から準備され、米国の支援、カタールの資金により綿密に準備、訓練された末に起された事は、既にウィキリークスやアル・ジャジーラの報道、独占密着取材ドキュメントで明らかになっている。
準備期間が短かったためリビヤのケースは、裏仕掛けが洩れ、NATO介入後後は既に多くの良識ある層の支持を失い、ロシア、中国の強い批判を免れない結果となった。
『リビヤ民衆蜂起』は早い時期から、反政府派国旗や携帯電話、サテライトインターネット施設などなど始め、カタールの資金投入によって大量の武装イスラム原理主義民兵の投入、演出され、そのまま欧州、カタール、UAEの軍事直接介入と暗殺劇に至り、多くの武装グループを産み出し、いまやアルカイダ潜入、イラクの如く混乱と混沌を招きつつある。
リビヤもまたやがて、スーダンの例の如く、国土分断にいたるだろう。
そしてシリア...
リビヤケースの不祥事により、シリア解体は更に難しくなり、ロシア、中国、イラン他、多くの良識ある人々により、外国軍介入に強く反対されているが、欧米サウジ、カタール、更にはイスラエルまでもが関わり、武器、通信機器、訓練、現金提供などにより、軍内部紛争、武装原理主義グループ組織など、異宗教、異宗派間の分断による市民内戦の泥沼へ引き込む戦略の様相を見せている。
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