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惜しくて
今日は眠りたくなくて
何時もと変わらない夜だったのに
眠るには惜しくて
何かが在る訳でも無いのに
同じ夜を過しても
同じ夜など無くて
一日一日が微妙に違って
何も無い惜しさが
何か在るのかなと胸騒ぎを覚える
思い出す気も無かったのに
遠い日に
零時に跨るプラットホームで
サヨナラと刺した言葉に
折れるほど痛い握手で返した彼の
悲しそうな顔を思い出してる
そんな顔をしていた彼は
きっとこの時間
幸せな寝顔でスヤスヤと眠りの中に居るのだろう
彼を包む優しさの寝息の中で
思い出す心算もない深夜
余計な事まで考えてしまう
彼の幸せなんて今の私の癒しにはならないのに
だけど
不幸な彼を想像するのは今の私を不幸にする
何となく
そんな気がする
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