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もし父が私を愛さなかったら
私は待つと言う事の出来ない人になっただろう
温もりを求めて物の怪の蠢く闇夜に徘徊し
人肌を求め甘い蜜を吸うように
花から花と闇の中へ堕ちていたかも知れない
そんな私がそこに居ればどんな言葉を投げようか
愛と言うものに触れなかった者に
どんな言葉で説けばいいのか
もし其処に子供の私が怯えた目で睨んでいたら
手を握りそっと抱き寄せ背中を摩りながら
大丈夫怖がらなくてもいいんだよと言えるだろうか
もし荒んだ目をした未成年の私が居たなら
そんな私に理解できる言葉があるだろうか
愛と言うものを言葉で伝えることが出来れば
荒んだ目に小さな希望の光を注ぐ事が出来るだろうに
私が知る愛は
何があっても味方で
どんなに離れていてもいつも想い
必死に探し出し二度と手放さないと
思いっきり抱きしめてくれた父の腕の中に在り
それを言葉にするには難しすぎて
一生懸かっても説明出来そうにないのです
愛を知らない子供には
途方もない長い時間を懸けて
愛を育むしかないのでしょう
画・大嶋キリア様
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