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あなたと別れた夜の国道
前の車が小さく見えるほど静かで
後部座席に座り
仄かに香るあなたの髪の匂いに気付く
離れ難くて
あなたの香りを連れて帰ってしまったのかなと
何も知らないドライバーの後ろで
少しニヤケてしまった
「何か、いい事有ったんですか。」と陽気に話しかけるドライバー
「素敵なおみやげ貰っちゃいまして・・・」
そう答えながら頬が熱くなってた
おみやげの中身を訊いて来るドライバーに
秘密と言って話を逸らせた
真夜中に乗るタクシー
静かに音楽を聴く方が良い
話せない思い出をいっぱい抱えて乗るから
そっと静かな音だけ聴かせてくれればいい
そう思いながらあなたの匂いに抱かれてた
画・稲村トシゾー様
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