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最近、動物園関係の報道等で、「○○展示」(主に旭山に乗っかる形での「行動展示」)という言葉の 乱用および誤った用法が顕著に目立ちます。 最近のニュースでは、東山動物園のニホンザル舎の改修と脱走事件を取り上げたこのニュース http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/aichi/news/20100130-OYT8T00051.htm 「再発防ぎ実現へ サルの脱走事件」 ・・・山を模し、野生本来の姿を見せる「行動展示」・・・ ・・・生息地を再現した「行動展示」・・・ 誤った「行動展示」の用法が連発です。 あぁ、気持ち悪い! 専門用語なので素人には分からんよ、と言ってしまえばそれまでだろうか。 とりあえず何でも、最近の動物園の取り組みは「行動展示」って、言っとけ、みたいな傾向ですよね。 わたしどもの、正しい知識の普及・伝達という面においての力不足でもあるのですが・・・ ということで、 これを読んで下さっている、稀有な、少なくともある程度は動物園に興味のあるであろう皆さんに、 今一度おさらいという意味でも、「○○展示」のさわりの部分を簡単に解説します。 動物園の中にはいろんな単位があって、例えば、 個体<種<飼育・展示場<エリア・ゾーン<動物園 というような単位に分けられます。 「行動展示」という言葉は、この中の「飼育・展示場」における展示方法の種類の一つになります。 飼育・展示場というのは、動物が暮らし、来園者がそれを見る領域のことです。 “舞台”とでも言いましょうか。 英語で言うとenclosure、(基本的に)動物と来園者の物理的な交流が隔絶されています。 で、「○○展示」なのですが、その飼育・展示場のコンセプトや形態により大きく分けて3つに分類されます。 舞台の上の“演出”の方法論、というわけです。 1.形態展示:動物の形態、つまり動物「そのもの」を見せることが目的 2.生態展示:野生での生息地等を再現し、動物の生態を含む生息環境の全体を見せる 3.行動展示:動物の種に特徴的な行動が引き出せるような工夫を施した展示 ※必ずしも生息環境を模しているとは限らない ザックリと、この3つのうちいずれかには属することになるでしょう。 勿論、いずれか1つとは限らず、どれか2つの性質、あるいは全部を併せ持つ場合もあるでしょう。 そもそも動物園で動物を展示することには、動物そのものの姿形を見せるという目的(つまり形態展示的性質)が少なからず内在しているものだとも言えるかもしれません。 また、3つしかないのかというと、今後もっと斬新な展示手法の開発で今は想像もできないような画期的なカテゴリが増えるかもしれませんが、現状としてはまだこの3つの区分で満足していると思います。 さて、そういったところで、 東山動物園の報道を検討してみますと、 ・山を模し、野生本来の姿を見せる「行動展示」→必ずしも間違ってはないのかもしれませんが・・・ 「山を模す」が第一目的なら生態展示ですし、 行動展示を言いたいなら「野生本来の行動を見せる」とかの方がより正確ですね。 ・生息地を再現した「行動展示」→これは明らかに間違いです。日本語として可笑しい。 繰り返しますが、環境の再現は行動展示とは言いません。 ということになるでしょうか。 生の植物や巧妙な擬岩・擬木で生息地を再現しても、種に特有の行動を引き出せるとは限らないし、 鉄塔やコンクリート製の設備などでも、工夫によってその動物の身体的機能や特徴的な行動を展示に引き出すことは十分可能、 ということです。 それで、東山の展示場の写真を見る限りでは・・・ これまでのいわゆる“サル山”の展示方法とは異なり、森林で・樹上で暮らすサルたちの生態を “機能的”には引き出すことが可能かもしれませんが、「生態展示」と呼ぶには鉄塔などの明らかに人工物な 調度の割合が少々多いような気もしますので、 メイン・コンセプトとしては「行動展示」というカテゴリに分類されるでしょう。 今回はあまり時間がなく、実例の紹介ができませんでしたが・・・ 要するに、何の考えもなしに、軽はずみに「行動展示」という言葉を使わんでくれ、っちゅうことです。 もし何かご意見・ご質問があったらお気軽にコメント下さい。
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動物園・水族館
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このブログのテーマに則り、動物園話題で。
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ふーっ、今日の2つのテストは、つつがなく、しっかり書けたような気がします。 つつが虫病もバッチリ出題されたし・・・ 残りあと9個(まだ9個もあるのかぁ)、つつがなく終わるといいなぁ。(そればっかり) てなわけで、雪の北海道・動物園巡り編。まずは旭山から。 旭山動物園の冬季開園は、10:30〜15:30の5時間だけ。 駅前からのバスは行列で、1台に乗り切らないこともあるし、定刻に入園できるか分からないし、中はそれなりに混雑しているし、、、で、計画的に行動することが求められます。 坂道が多いので、滑りそうで、あまり早く歩けないし・・・ 今回は、雪の中での、旭山でしか見れない動物たちの姿を見る!が目標。 まず最初の1時間ちょっとは、ペンギンだけに費やしてしまいました。 雪の塊をプールに沈めて遊ぶ、ジェンツーペンギン。 ここは北半球だけれど、きっと南の海でも、こうやってペンギンたちは遊んでいるのだろう・・・ と、地球の反対側のことに思いを馳せてみたり。 そうこうしていると、ペンギンたちのお散歩の時間(11時)に。 現在は1日に2回お散歩の時間がありますが、新雪の中を歩く1回目の11時狙いでいく作戦。 15分くらい前になるとペンギン舎前は人が徐々に集まり始め、3列くらいになって通路を囲みます。 飼育の皆さんによる解説や注意のあと、11時ちょうどになると、お出まし〜 そのときお散歩に行きたい子たちだけがお出ましになります。 今回はキングだけでした。 ペンギン舎を出発すると、牛歩ならぬペンギン歩で、ゆったり、寄り道したりしながら、散歩コースを進んでゆきます。 散歩コースでも出迎えようと、コース終盤、車椅子優先席の直前辺りに陣を取りました。 ここはゆるい下りの斜面になっていて、新雪の上のトボガンが見れるかも?!&背景が雪の斜面なので人がいない!!ということもあり、絶好のポイントと見切る。 先が読めないので、ここと決めてひたすら待つのですが、雪の振る中立ち尽くすのはなかなか寒い。 でもガマンガマン・・・待つこと30分、11:40頃にやっとペンギンたちが通過〜 寒い中待った甲斐がありましたね、読みどおり♪ 愉快なぐらいふわふわの雪の中をかき進んでいく姿に感動。 このオススメポイントは、日にも依ると思いますが、11:30くらいまでは人がまだまばらなので、お出ましを見た後、空いている他のところをちょっと眺めてきて、それからポイントで通過待ち、とかするといいかもしれません。 この冬、これから旭山に行く予定の方はどうぞ参考に・・・ ペンギンにかなりの時間を割いてしまいましたが、想定内。 他の、寒い国の動物たちもバッチリ見れました。 種類として、旭山で一番見たかった(写真撮りたかった)のは、ホッキョクギツネ。 はじめは雪の中で丸まって寝ていたので、いろんな意味で冷や冷やしていたのだけれど、閉園が近づくにしたがって、結構歩き廻ってくれました。 雪の振る中、なかなかいい写真が撮れたかな〜と思ったけれど・・・背景の寝室のドアノブが余計!(泣) 雪の中のアムールトラも、画になります。 昨年つれ合いのいっちゃんを亡くし、未亡虎となった、ノンちゃん。 メランコリックな、どこか物寂しい雰囲気なのは、見る側の気持ちの問題? もちろん、北海道の景色に一番相応しいのは、北海道の動物です。 亜寒帯の森を背景に、エゾシカちゃん。 新しい展示場の「エゾシカの森」なかなかステキでした。 ひづめを大事に扱ってくれている動物園は、愛着が持てます(笑) 夏も見に来たい施設の一つですね。 といったところで、今回はここまで。
次は、この旅の一番の目的、あざらし館の“流氷の海”を中心にご紹介〜の予定。 |
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2009年末、動物園納めはホーム・グラウンドの熊本市動植物園。 年内最終開園日の12月29日、天気もよく暖かな日に出かけてきました〜 久々の熊本登場なので、写真多めの大サービスです。 久々に尋ねる園では、コドモたちの成長は、楽しみなものです。 夏にはまだこんなちっちゃかったクロクモザルの赤ちゃん (2009.8.15撮影) お母さんに抱っこされてます。まだ顔がピンクです。 冬には、 お母さんに抱っこされて日光浴してますが、だいぶ一人遊びもできるようになっているみたい。 顔も黒くなってきています。 それから、シフゾウ・アスカくん 育ちが早い?!もうお母さんと変わらないくらいの大きさ。2009年2月生まれなのでまだ生後10ヶ月ですよ。 多摩のアオバもこんなにすぐ大きくなったっけ? なかなか男前なシフゾウになりそうです。 でも、中には、残念ながら幼くして死んでしまう命もありました。 2009年夏には2頭の子シマウマが仲良く(どちらかというと一方的に・・・)遊んでいる姿が見られましたが (2009.8.16撮影、左が2009.5.14うまれの「さつき」、右が同6.12うまれの「ジュン」) ジュンちゃんは、3ヵ月後の9月13日に死んでしまっていたそうです。残念です。 ★備忘録:熊本のグラントシマウマ系統図 あおい♀(2004.12)〒カケル♂(1998?)〒ミヤコ♀(2005?) さつき♀(2009.5.14) ジュン♀(2009.6.12、9.13没) そんなシマウマ舎には、全然違う話題ですが、飼育員さんの遊び心が。 落ち葉がハート型に集められて! 日本平からやってきた、マサイキリンのリキ 日本平で、まだミルクをもらっている頃に一度会ったけれど、随分大きくなりましたね〜 先行き不安なマサイキリンですが、どうぞ立派なオスになって下さい。 新しいチンパンジー舎の建設が着々と進んでいるようです。 熊本県は、飼育数・施設数共に日本一のチンパンジー飼育県という意地でもあるのでしょうか。 構想段階では、結構、力の入ったつくりになっているようです。 周りを新幹線(遊具)が走るのは、賛否両論あるようですが・・・ 2010年の干支ということで・・・ トラ舎前には、門松が飾られています。めでたい感じですね。 そんなわけで、2009年の動物園納め、でした。 閉園ギリギリまで滞在したため、熊本市動植物園の2009年最後の来園者になれました(笑) ケンポウさんに、良いお年をのご挨拶をしてから、忘年会へと向かったのでした・・・ おまけ
JR豊肥本線の水前寺駅にはこんな観光案内があったのを、今頃発見しました。 |
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一つ前の記事で、年末の、佐世保市いしだけ動植物園の訪問記を書きましたが、 その後、まだ新しい水族館、九十九島水族館「海きらら」を訪ねました〜 佐世保市の、西海パールシーリゾート、というレジャー施設(?)の中にある水族館で、 これまでも船の展示館やそれに併設された小規模の海生生物展示などがあったらしいけれども、 大改修を進め、2009年の7月に水族館としてリニューアルオープンしたばかり。 大変ステキな水族館でした〜 入館してすぐのエリア。プロローグ部分とでもいうのでしょうか。 九十九島の海へいざなう、導入部分となっています。 館内のデザインがなかなか良くて、個人的には、装飾が施された壁と、コンクリートの打ちっぱなしの壁とのバランスが非常にいいなぁ、などと、そんなとこばかり見てました(笑) 一番メインの水槽は、 九十九島湾大水槽。天然光がキラキラ差し込んで、綺麗です。 マアジ! この水槽は、上部は屋根などなく完全屋外で、一応照明とかも用意されてはいたけれど、このときは天気もよく完全に自然の光のみです。勿論、雨も振り込むのでしょう。 地元の海が、完全に、圧縮されています。 最新水族館らしく、この水槽にはアクリルのワザも多用されていました。半チューブによる水中演出などもなかなか素晴らしいです。 イルカも飼育されていますが、徹底して、九十九島近海に住むものを飼育してます。 バンドウイルカ2頭と、ハナゴンドウ1頭(全部メス)がいました〜。 水槽はそんなに大きくはないけれど、いろいろ遊び道具が与えられています。それぞれにお気に入りの道具があるようで。 “イルカの知能や運動能力を紹介するプログラム”も、勿論、開催されます。 まだできて半年ですから、イルカも、トレーナーも、まだ修行中という感じでしたが、それなりに見ていて楽しめます。 ハナゴンドウのリリーちゃん。最近すこぶる調子がいいらしく、ジャンプの高さの記録を更新中だそうです。 クラゲにもかなり飼育・展示の労力が割かれ、充実していました。 何はなくとも、 キヨヒメクラゲ!大変有難いクラゲだそうで。 他にも飼育種類数も多く、幻想的な「クラゲシンフォニードーム」やノーベル賞の下村博士(佐世保に縁があるそうで)とオワンクラゲなど、演出もなかなか凝っています。 最近の水族館のトレンドは、アクリル技術向上による意匠工夫の流行はともかく、海獣・珍生物とかの山はもう過ぎてしまって、地域性とかローカリズムとか、そういうところに立ち返ってきているような気がします。 それは、海の生物を見て楽しむ、あるいは生物学的な見識を深める、というだけでなくて、身近な水域とそこに暮らす人々の社会や文化も含めて、展示もしくは調査・研究・保存をするという重要な役割を果たすべく水族館(さらには世の中の水族館に対する認識)が変化しつつあるのかもしれません。 そういう意味で、この水族館は、本当に、ひたすら九十九島の海だけにこだわっていて、「地元の海」を体現した水族館となっています。 テーマや信念がブレない、というのは、本当に大事なことのように思います。 (今後、アシカとかペンギンとかを飼育することが万に一つもないように願っています!) かなりザックリと、ほんの一部分だけの紹介ですが、新しいだけあって、なかなかいい水族館でした。
日動水とか、是非入ったらいいのに・・・ |
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年末に、佐世保の動物園に行ってきました〜 以前は、佐世保市亜熱帯動植物園が正式名称でしたが、 最近では佐世保市いしだけ動植物園あるいは佐世保市石岳動植物園を名乗っていることの方が多いような気がする。 日動水の加盟リストには亜熱帯で載っているが・・・そしてまた印刷物によって、「市」が付いていたり付いてなかったり・・・ どれが本当なんだろう。どれでもいいのか。そんな感じの、ふんわりとした雰囲気の動物園です(失礼) 最近九州の動物園の再訪を進めてましたが、 ほぼ10年ぶり、久々の訪問で、これにより九州内の主な園はほぼ最低2回は訪ねたことになりました。 再訪が目的ではあったのですが、はるばる佐世保まで出向いたのにはもう一つ大きな理由があって。 現役大学4年生でありながら、その優秀さから佐世保市に大抜擢され、2009年秋から特任飼育員として勤務するS飼育員を訪ね、その頑張る姿を見届けるのが、今回の大きな目的(笑) 新米S飼育員の背中のロゴマーク。飼育作業着がすっかり板についてますね〜 そんな彼は、何と言う巡り合わせ、草食動物の担当。 キリン、シマウマ、ラマ、ラクダなど、ひづめ動物でいい修業になっているようです。 ヒトコブがペアでいるのはいいですね!ドキドキの予感。 以前より変わっていて、いいなぁと思ったのが、 ツキノワグマ舎。 昔はコンクリートの岩場だけで、ごつごつして何もなかったけれど、現在はその放飼場が2分され、 少数ずつ飼育され、丸太や材木で足場や台が組まれて複雑な環境になっていました。 なんでも、ボランティアの方々の支援でできたのだとか。 いい取り組みですね。エンリッチメント大賞に応募してみようかな。 アジアゾウのハナ子さんは、お元気です。 冬の寒い日はしゃっくりが出るなどして体調が悪いらしいけれど、この日は調子もよさそうで、放飼場内を歩き廻っていました。 ゾウ舎の裏側探検ツアーでは、 ハナ子さんの抜け落ちた歯を触らせてもらいました!表面に感動ですね。 そして猛禽、 クロハゲワシ!雌1羽が残っています。ここと京都だけ?貴重ですね〜 それから 動物園で飼育されているのは珍しい、ミサゴ。 土地柄、傷病で保護されるのでしょうか。複数羽飼育されてました。 マニアック動物ネタで・・・ ここのアジルテナガザルはどうやら本当にアジルのようで、立派なアジル顔をしているのが公式WEBで見ることができますが、残念ながらこの日は出番でなく、会えなかった! もう一つ、アカクビワラビーが、どうやら、一般的なベネットアカクビワラビー(基亜種;タスマニア産)ではなく、大陸産の大型の亜種だという情報もあったけれど、工事中と気温のせいもあってか、見ることができず・・・ 佐世保の動物園は、現在整備計画の真っ最中。 新しいふれあいコーナーの建設中で、爬虫類やミーアキャットなどは見れませんでした。 これからも、ツシマヤマネコの導入とか、順次飼育舎の改装・新築など整備とかが進められていくらしく、大変楽しみな動物園の一つです。 今回見逃した動物たちと、整備後の園内の様子を見に、また是非訪ねたい動物園です。
佐世保からなかなか目が離せません! |





