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「テストライダー」と聞いて想像するのはどんなことであろうか。サーキットをかっこよく疾走する姿を想像する人が多いと思うが、実際の仕事は意外に地味なのだ。デスクワークも結構多い。信じられないぐらい会議もたくさんあったりする(笑)。
開発するオートバイの機種やタイヤの種類によっても違うが、多くの人が想像しているような、サーキット走行を主に行うテストは稀なのだ。定常円旋回というテストがある。これは同じところを円を描くようにぐるぐると回るテストなのだが、このテストに費やす時間は多い。スピードも20km/hからせいぜい60km/hという程度だ。スクーター機種などのタイヤの開発では目が回るほど定常円旋回を行うこともあり、テストライダー泣かせなんだなーこれが。また別な機会に話をしようと思うが、この定常円旋回は、数多くのテスト項目を旋回中に行う大変重要なテストの一つなのである。
もちろん、テストライダーとしての醍醐味を味わえるテストもする。基本的にはドラムテスト(タイヤを試験機で回すテスト)を徹底的に行うので、あらゆる速度域におけるテストはしているのだが、実走行も必ず行う。これは装着するオートバイの限界域もしくはタイヤの限界域まで実走テストをするものであるが、このときばかりはギンギンに走ったりするが、とーぜんだが、遊びでやっているわけではないので、神経をすり減らしてやることになる。
ネイキッドクラスのバイクなら、メーカーのテストライダーが全てのテストを行うが、スーパースポーツクラスのテストとなると、契約している現役レーシングライダー(大体ワークスライダーが多い)にテストの一部をしてもらう場合もある。これはメーカーのテストライダーの安全を確保するという意味もあるし、レース車両のベースにもなるような高性能のオートバイの限界域では、現役レーシングライダーの方が適しているという意味もある。ミシュランの一部の市販タイヤは、あのバレンティノ・ロッシがテストを行っているのは業界ではよく知られた話である。本当にあのバレンティノ・ロッシがひたすら何百周とぐるぐる回ってテストをしているのだ(笑)。ロッシ君、お疲れ様。
ちょっと長くなったので、今日はこの辺で。次回は一般路におけるテストやデスクワークについて話をしたい。
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