|
今回発生したブレーキジャダーだが、原因は一つではなく、複合的に起因しているというのがその結論。これは自分にとってもちょっと意外ではあった。今回は重要なことでもあるので、工学的にかつ理論的に話を進めてみたい。
みなさんが気になるその原因だけど、まずローター自体の剛性不足は否めないところ。特にローターが「変形」していることが多々推測されるのだ。
長くオートバイに乗っていたり、ハードに乗ったりすると、ローターは摩耗していく。知っている人も多いと思うけど、ローターというのは規定値内の厚さがある。それを下回ると交換しなければならないのだが、ローターが薄くなるとハードブレーキング時などにローターが反ってしまい、ジャダーを誘発してしまうのだが、今回起きているジャダーまさにその感覚なのである。技術者のはしくれとして、この点だけは経験値でしか語れないのが残念なところ。ローターの変形を測定できればいいのだけどね。
次にこれはコースを走るだけでなく、街乗りなんかをしているうちに気がついた部分でもあるのだけど、パッドとの相性もかなりあるというのが正直なところ。これが実はテスト検証を行う上で一番意外だった点なのだ。なので、このパッドに関する理論については掘り下げて話をする必要があります。
また、パッドの摩耗状態も関係していて、新品状態の時と、摩耗が促進した状態とではかなり違いがあるということ。結論から言うと、摩耗が進んでいる状態でのほうがジャダーが大きい。ただ、パッドがジャダーを起こしている主原因とは言いにくく、発生するジャダーの大きさに関係しているというレベル。あくまでもローター形状(ウエーブ)によるパッドの相性(状態を含む)が発生してしまっていると解釈するのが正解である。
最近はシンタード系のパッドが主流であるのだけど、今回使用したのは某社のもので、レースなんかでも使用可能なちょっとハードに使うライダー向けのもの。たまたまこれしかなかったから使用したのだが、実はいつも愛用しているメーカーのパッドがあるのだが、こちらは現在使用しているものとは方向性が違う性質のパッドなのだ。同じシンタード系ではあるが。今度このパッドにしてテストをしてみるつもりなので、良い比較にはなると思う。今度パッドを交換する際に、厚みを計測して記録を取っておくつもり。
同じウエーブローターを使用していてブレーキの鳴きに悩まされたというコメントを何人かの人に頂いたが、実は私のローターも結構鳴いていたのだ。鳴いていたという過去形なのは、ごく最近鳴かなくなってきたのだが、装着してから6500kmほど走行しているのだが、パッドの摩耗状態が影響しているのは今までの経験からして明らかなのである。
実はこのパッドの摩耗が今回のウエーブディスクローターをテスト検証する上で非常に重要なヒントとなったのは事実。これがずっと記事にしていなかった一番の理由で、摩耗が促進した状態での経過が見たかったのである。そこまでしなければ結論を出すのに躊躇していたほど、パッドとの関連性を重要視したのである。
このパッドの「状態」のことは、ジャダーを理解する上で非常に重要なことで、詳しくは後述したい。
ちなみに、ブレーキの鳴きというのは、意外かもしれないけど、「謎」の部分が多く、いまだその原因を100%解明できないでいる物理現象なのである。理論的には、ブレーキを構成している部品が共振することによって発生するのだけど、詳しく説明すると、パッドがローターに押しつけられると、ローターとパッドの間に摩擦振動(加振源となる)が発生し、この固着すべり現象がすべり速度に対する摩擦面のミュー変動を起こすのだが、このミュー変動が発生した時に、微小びびり現象が発生するのだけど、これを自励振動という。もう少し詳しく説明すると、自振動励は摩擦方向(ローター回転方向)動摩擦係数が静摩擦係数より小さくなることによって起こるスティックスリップ現象により誘発されたものなのである。
この自励振動がブレーキ構成部品やなどに伝達され、それらが振動かつ共振し、速成振動系を形成し、音波として放射されて音と聞こえるのがブレーキ鳴きなのである。。。うわっ、自分で難しいこと書いている(笑)たしかそうでしたよね?koya itoさん!?←また指名しちゃった(^^;
難しいことはさておき、先にパッドを理解する上で重要なことがあると言ったのはこの部分なのである。また、コメントをいただいた中で、6ポットを使用されていた方からのコメントや意見がありましたが、かなり密接に関係している部分であります。
ちょっと文章が長くなってきたので、続きまた次回(笑)
|