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空気圧に関してがたぱしゃさんから質問がありましたのでお答えしたいと思います。質問内容は:「以前、某バイク雑誌で空気圧を変えて乗ってみるという特集があり、その中では「メーカー指定の空気圧は、高速道でのタンデム走行やサーキットでのテストを考えて空気圧を高目に設定している」「殆んどのバイクの空気圧の指定値は高過ぎで、落とすと乗り心地もコーナリングも良くなる」等の記載がありました。こちらの記事を読むとそれは本来はサスのセッティングで解消する事で、空気圧を指定値から下げてはいけないということなのでしょうか。」
この雑誌社がどこかはもういいませんが、業界では非常に評判の悪い雑誌です。業界とはタイヤメーカーとオートバイメーカーのことです。言葉は悪いですが、「なに言ってんだこいつら」というのが業界の一致した意見です。私もオートバイメーカーの設計者とこの雑誌について何人とも話をしたことがありますが、全員、「公器でもある出版社がよくこういうウソを垂れ流すよな」というのが共通した意見でした。
偶然、最近この話を関係者としたばかりなので記事にすることにしましたが、業界でこの雑誌の話題になるたびに全員が口をそろえて言うのは、「一体なんの資格があってこんなことを言っているのか」ということなんです。
メーカーの設計者は超がつくほどの一流大学の出身者だけでなく、大学院を出てたり、博士号を持っている人がゴロゴロしています。頭が禿げあがるほど(本当に)常日頃研究をしており、まさに日本の頭脳のトップが集結している集団がメーカーのR&D(開発部)なんです。給料も全社の部署の中でも一番高くなっているほどです。
テストライダーも相当な教育、訓練を経て、責任を持って担当機種、担当タイヤを持てるようになるのですが、10年なんてまだまだこの世界ではひよっこです。オートバイメーカーでもテストライダーを10年やっていても、その会社で販売されているオートバイの全てをテストさせてもらえるわけでもないほどですし、タイヤメーカーでも認証権限(そのテストライダーがOKして初めて世の中にタイヤが出せること)が与えられるのは10年どころじゃありません。これはバイクメーカーでも同じです。最終的な権限をもらえるまでには20年ぐらいかかるはずです。
そこでです。記事を書いている人間ですが、「あんた何の資格・経験があって偉そうなこと言ってんの?」となるわけです。
この記事を書いている人間は明らかに単なる出版社の社員かもしくはフリーランスのライターです。文章を書くことには優れているかもしれませんが、その知識・経験は我々が持っている1000分の1すらないでしょう。おまけにたちが悪いのは、その記事を書くにあたって取材すらしていないのは明らか。なんという傲慢さ。タイヤメーカーやオートバイメーカーに取材とまでいかなくとも、知っているメーカーの人間に確認すれば、「それはちょっと言いすぎだよ」となるわけです。まあ、この雑誌に限って言えば、こういうことを書くのがこの雑誌のウリで、確信犯的なところはありますが。悪質ですね。
高速道路のタンデム走行を考えているだの、コーナリングがよくなるだの、笑止千万です。殆どのバイクの空気圧は高すぎとありますが、バイクメーカーにケンカ売ってるのかと思いますね。失礼極まりない。理論も破たんしています。もう詳しくは説明しませんが、空気圧を下げると、接地面と接地圧があがり、ハンドルは重くなる方向になります。操舵角も入りにくくなる場合もあります。おまけに、オートバイの倒しこみにはオーバーターニングノーメントという作用が働き、倒しこみもバイクを起こすのもダルになってしまうところがあります。それでコーナンリングがよくなるってなんのことでしょうかね?大体、空気圧を下げると相当な確率で偏摩耗が起きます。燃費も落ちます。摩耗も早くなります。それで乗り心地がよくなる?うはははは!!!
もし、私の言っていることが信用出来ないのなら、タイヤメーカーやオートバイメーカーに電話されることを強くお勧めいたします。世界中にあるどのメーカーに問い合わせても確実に「そんなことはありません」という答えになるはずです。
ここ最近、メディアリテラシーという言葉を聞くことがあるかと思います。これは「情報を評価、識別、批判する能力」のことを指したりするのですが、そういう目を持って物事を見るというのは大切なことだと思います。
前の記事を読んでいただいてもわかるかと思いますが、殆どサスペンションのセッティングで済むことなんです。タイヤが硬いとか空気圧が高すぎるというのはまずあり得ないということです。日本のメーカーの世界に誇るエンジニアを信用してください(^^)
空気圧は指定空気圧遵守でお願いいたします(^^)
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2014年08月25日
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