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おまたせ致しました。真実シリーズ ウエーブローター編です(笑)
今回は某2輪メーカー設計技術者、某ブレーキメーカー設計技術者、そして某ブレーキパッドメーカー技術者と話をすることが出来ましたのは幸いだったと思います(^_^) 話をまとめて記事にしてみたいと思いますが、TAKUくんから物理についてコメントをいただきましたが、各技術者の方々と話をするにあたって助かりました。ありがとね(^_^) TAKUくんみたいな勤勉な学生がこれからの日本のエンジニアリングを背負っていくのだと思いますが、頑張って下さいね。
さて本題に入りましょう!
このウエーブローター、各技術者は真っ先に口にしたのは2点ありました。それらは ;
1。熱容量
2。ローター強度
なるほど。。。やっぱりそうきたか(笑) 特に強度に関しては各技術者のみなさんが懸念していました。
まず、熱容量に関してですが、これはどの技術者も一致する意見で、体積が明らかに通常のローターより少ないため、普通のローターよりは劣るのは間違いないとのこ。つまり、「同じ減速比なら不利」との見解でした。急なブレーキングに関してはその熱容量が問題になりそうです。
ただ、ウエーブローターはその形状のため「表面積」が増えているのは事実なため、冷却効果そのものは通常のローターに比べて有利とのこと。普通に使う分にはいいのかも。
この冷却効果についてですが、ローターやパッドが発生する熱についても教えてもらいました。
ローターは通常ワインディングなんかでかなりハードに走っても200℃程度、上級者が意図的に温度をあげるためにフロントブレーキを多用しても公道レベルでは
300℃にしかならないらしい。またレースでは500℃ぐらいになるとのこと。
ちなみに、300℃ぐらいから夜間ならローターが赤くなって見えるそうだ。
パッドに関してはぶったまげたが、なんと最高700℃位まで達するらしい。お前たち、アツい奴らじゃのう。
700℃はもちろん、レースでの話で、通常はそこまでは上がらず、100℃〜200℃位で使用されるのが一般的な状況とのこと。
しかし、ローターの温度が500℃になっても、パッドの温度が700℃になっても問題なく制動力には問題ないとのことで、パッドはそこまで高品質になっているらしい。すごすぎ。
ただ、前の記事でも書いたけど、ネットで販売されているような中国製や台湾製などの安物ローターは素材が悪いため300℃位から強度が確実におかしくなってくるらしく、それ以下の温度でも疑わしいとのことで、割れ歪みの可能性について話が出たことを触れておきます。
素材について出たついでに、素材自体の硬度に関しては、私も意外だったのだけど、硬くすればいいものではないらしく、逆に、各メーカーのローターの素材硬度はさほど変わらないとのこと。ローターと使用する場合、硬度的にあまり幅を持たせられる素材でもないらしい。なるほどねえ。硬度よりも素材そのものが一番重要とのこと。
2つ目のローター強度だけど、これは面圧が与える影響がウエーブローターの独特な形状に大きく関係してくるのではないかとの見解でした。
どういうことかと言うと、パッドをローターに当てる圧力が同じなら、穴が開いている部分(写真赤丸部分)とそうでない部分(写真青丸部分)の面圧が変わるという。これは、穴が開いている部分にかかる圧力の方が上がってしまうためなのだ。つまり、写真で見て分かるように、交互に連続してローターに「違う圧がかかる」ということなのである。
そのため、問題となるのは、穴が開いている部分がそうでない部分と同じ強度を保てているかという点で、見ての通り、それは物理的にも同じとは言えないので、面圧が連続して変化する影響と、ローター自体の強度が与える影響がタッチに出る可能性は大いに考えられるとのこと。
このことに関連して、キャリパーのピストンについても考慮にいれないといけないと言われました。なるほどと私も思ったのだけど、キャリパーのピストンの可能な動作範囲は実は数ミリすらない。実際は1ミリもない動作範囲で可動しているのだけど、そのことを考えれば、タッチに与える影響はかなり大きいと推測される。私はこの話を聞いたとき、なるほど!と膝を叩いて大きな声を出したため、みんなビックリしてました(笑)
また、面圧の変化が与える影響で、経年劣化(耐久性)にも疑念が残るという意見でした。欧州のレーシングチームで採用しているところがあるけど、使い捨てにしている可能性有りとのこと。
この強度に関してはブレーキメーカーの技術者から勇気ある発言があったのだけど、これは私も驚いたのだけど、実はスリット入りタイプのローターは強度的にレースには向いていないという。なぜかというと、ブレーキメーカーはスリットの影響と考えているのだけど、このスリットが入ることによってローターが歪んでしまうものがあるという。何故かはわかってはおらず、また、全てのローターに出るわけでもないらしいのだが、出るものがあるということで、レースには使ってはいないそうである。もちろん、普通に使用する分には何ら問題ないとのこと(^_^)
スリットが入った位でそうだったら、確かにウエーブローターに強度不足がないとはいいきれない形状だよな(笑) 技術者が一様に強度について懸念しているのがわかった感じ。
パッドメーカーの技術者から話があったのだけど、制動力はパッドとローターの相性が一番といっていいほどの要因らしく、ローター素材によってパッドの素材を変えているほどとのこと。
もう少し細かなことを言うと、ローター素材の加工方法によってもパッドとの相性の差が出るらしい。
また、パッドの素材のみならず、基盤の部分の厚みも重要とのことで、基盤そのものの厚みが与える影響もかなりあるらしく、その場でいくつかのサンプルをみせてもらったが、こんなに厚みがパッドによって違うのかと思ったほど。パッドを買い換える時は各メーカーから出ている基盤部分の厚みを比較してみるのもいいかも(^_^) 確かに数百度にも温度が上がれば、基盤がおかしければ反っちゃうよな。
また、摩擦の比例関係についても技術者の方々から話があったのだけど、形状から見てみると、普通のローターの方が上ではないかとのこと。
これはどういうことかと言うと、物理的に穴(写真赤丸部分ね)が開いている部分が完全に真っ平になっていることはありえないからだという。
そうだとすればウエーブローターが普通のローターより制動力を発揮するのは理論上あり得ないということになる。うーん。。。(^^;
ただ、穴の部分が与える(発生する)抵抗摩擦がどの程度平面で発生している摩擦係数に影響を与えるのかは実験をしてみないと分からないとのことだったが、パッドの耐摩耗性(減り状況)を考えると、プラスにはなっていないと推測されるとのこと。
パッドメーカーの技術者はこのローターはパッドだけでなく、ローター自身の摩耗も早いという。お互いに攻撃性が非常高いらしい。ううっ (^^; 減る前に交換して売るか(笑)
話は以上なんだけど、なんかいい内容はなかったなあ(笑)
各技術者に会って話を聞くなかで驚いたのは、皆、ウエーブローターなんか眼中にはないって感じだったこと。はっきりいって馬鹿にしている感じ。 純正パーツとして開発する意志すらさらさらないというか、社内では話題にもならない模様(^^;
実際、ZX-10Rなんかでは採用されてはいるけど、面圧が変わらない形状にしているし、表面積のみを増やす形状にしているところをみると、ウエーブローターってその技術者から見たらその程度のものなのかもしれないなあ、というのが今回各技術者に話を聞いてみたところの正直な感想。
でも、このpitts_driver、理論上で話をするだけではない。実走ありきである。近日中にコースに持ち込んで、果たして今回聞いた話を実証できるか試してみるつもり。また記事にしますね(^_^)
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