テストライダーという仕事

長らく乗っていなかったら空気圧の点検を(^^)

タイヤ評価

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先日トルク管理の記事をアップしましたが、細く記事をアップしようと思いましたが、長くなったので別記事としました。潤滑剤をねじに使用した場合について誤解が多いようですので、今回は詳しく記述してみました(^^)
 
今回何人かの方のコメントで「潤滑剤」について言及されていたものがあったのだけど、潤滑剤とネジの締結の問題はものすごいシビアなのだ。物事にはやっていいことと、やってはいけないことがあるが、この件に関しては、「やっていい人だけが、やっていいこと」、とも言えるほど、大変な問題なのだ。
 
指摘があったように、潤滑剤(スレッドコンパウンド、超耐熱潤滑剤など)を使用した場合、指定トルクより低い数値で締めつける。。。これはある意味正しいように見えるのだが、大変危険なことをしていると認識する必要あり。
 
というのは、潤滑剤にもいろいろとあって、ものによっては、なんと最大300%過大締め付けとなる結果となるという報告があるのだ。また、その逆もあり、最大1/3となる潤滑剤も存在する。これを理解していないで手元にあるものをうっかり使うと、大変なことになるということを理解しなければならない。
 
300%までいかないにしろ、100%だって、75%〜80%緩めたところで過大締め付けとなる。その逆だったら大変なことになる。
 
確かに、一般的なスレッドコンパウンドは75%〜80%程度の締め付け低減で「相殺」できる場合があるのは事実だが、ここにも落とし穴がある。実は、潤滑剤を製造しているメーカーは、過大締め付けについて言及はしているのだが、「何%低くしてくださいね」とは具体的数字を挙げて謳っていないところが多い。
 
私がタイヤメーカーという製造業に携わっている中で、ある時、とあるメーカーが「この潤滑剤を使用すると14%の過大締め付けとなります」とデーターを持ってきたのだが、それでも、このメーカーは、「あくまで社内テストの結果。どういう使われ方をされるのかわからないので保証は出来ないので、自社で十分テストしてください」と言っていたのだ。それぐらいこの問題はシビアなのである。
 
ちなみに、この製品を使って指定トルクの75〜80%で緩めちゃったら緩めすぎになるということになる。
 
一般に販売されている製品がきちんとデーターを取っているかどうかわからないが、その会社に問い合わせてみなければ、どういう方向性の製品なのか分からないということ。教えてくれなければそれはそれで問題だ。逆にきちんとしている会社なら、きちんとデーターを取っているので、「この部位に使用する場合は、指定トルクの15%マイナスでしてください」と返事が来るはずである。そういう商品なら安心だ。メーカーに電話して聞くことをお勧めする。
 
ボルトの素材だってオートバイによっては違うこともあるし、素材が違えばトルクだって変ってくる。そんな中で、「ハイ、75%〜80%低くしてね」というのは暴論というしかないということなのである。「ある程度」相殺出来ても、「ある程度」というレベルであって、完全なトルク管理にはならない。つまり、トルク管理という定義から外れてしまうことになる。そもそも「適正」なトルクを探るということからは程遠い。
 
そもそも、このBikers Stationの記事は矛盾しすぎ。もともと、「わずか」な締めつけを問題しているのだが、75〜80%と、5%の差を出している時点で矛盾している。5%って決して小さい数字じゃない。トルク管理ってわかってますか?
 
トルクレンチにも公差というのがある。最大4%までという規格があるのだが、となると、最悪、5%+4%で9%の誤差が生じることになる。ほとんど1割だ。そんなトルク管理あるはずない。前の記事でも書いたけど、何を根拠に75%〜80%と言っているのだろうか。まあ、そんなトルク管理していて、1割近くも緩めちゃえば、確かによく動くだろうに(笑)。Bikers Stationの記事の中では「適正」なトルク締めつけを探り出すことを目的としているようなことが書かれているが、実際やっていることは適正でも何でもないこと。小学生でもわかる計算だ。
 
ここに信用できるものを紹介しよう。これは結構知られている検証で、製造業に携わっている人なら目にした人もいるかもしれない。ずっと前に社内で見たのを覚えていたのだが、記憶をたどってネットで検索したら出てきたので掲載します。
 
 
詳しいことは書いてあるのでここで省くけど、ここの検証結果を見てみる限りでは、無潤滑と潤滑剤を使用した場合とでは1.43倍になっているので、単純に指定トルクの70%でよいということになる。これもこの検証で使用された同じグリスを使用するということが前提になるが。また、一般に出回っている潤滑剤が、この検証で使われた潤滑剤と特性が同じとしても、Bikers Stationの75%〜80%は大きく外れていることになる。「トルク管理」という定義の中では完全NG。「適正」もなにもあったものじゃない。
 
それと、Bikers Stationの記事のなかで「倒立フロントフォーク」とあったが、倒立サスペンションは、三叉のトルク管理をする際には気をつけないと、キャスター角度が変わってしまう傾向が強いので要注意。締めすぎるとキャスターが立つし、緩いとその逆。「わずかに動きが渋い」云々以前に、操案特性が変わってしまうのだ。オフ車なんかでは顕著のこの傾向が出たりするので、トルク管理は細心の注意を払ってされているのだ。オフをやっている人で固定ボルトに潤滑剤を使っているケースは非常に少ないと思う。トルク管理が出来ないからだ。
 
Bikers Stationの記事では「作動性の向上は確実」といっているけど、キャスターまで影響するようなことやっていて、なにやってんだろうと思う。やってることは本末転倒としか思えない。そんなことやっていて、本当にハンドリングが向上したかは甚だ疑問である。
 
重要部位の規定トルクはメーカーが時間とお金をかけた検証の結果出されていることを理解しなければならない。工学的、物理学的見地に立って規定されているものなのだ。簡単に、そして無責任に、「これぐらい下げてね」と言っていいものではないのだ。Bikers Stationの記事では「出荷状態ではほとんど締めすぎ」と言っているけど、本気で言っているのならかなりおかしい。
 
そもそも、一体何のために潤滑剤を使うのかを理解しなければならない。Bikers Stationがどのような理由で使用を推奨しているのか分からないが、ネジ類に潤滑剤を使うのには目的(理由)がある。それらは主に、かじり、焼きつき防止、錆の発生防止、軸力の安定化などである。結果、トルク管理を容易にし、安定した性能を生み出すわけだが、良い作動性を求めてやることではないのである。
 
トルク管理は本来、ボルトの素材、使用する潤滑剤、トルク精度、公差などを理解していて、経験ある人だけがやっていいことなのだ。そして、そこで初めて「適正」な管理が出来、本来の性能維持と発揮が出来るということなのである。
 
最後に、誤解がないようにはっきり明言しておくが、私は決して潤滑剤を使うなと言っているのではない。効果は確実にある。やらないより、やった方がいいと言えるほど、有効な手段である。
 
工場なんかはこれがなければ困るほどだ。多くの製造工場で使われているし、実際私の会社の工場でもふんだんに使われている。また、自分でやるメンテナンスでやれたらやるべきだと思っているし、実際私はやった方がいいと思っている部位には自分でもやっている。ただ、安易な考えでやると大ヤケドするということは忘れてはならない。
 
あ、それからトルクレンチについて。あれって、カチンっとなったあとに、確認するかのようにもう一度する人がいるけれど、あれはNG。トルクが変わってしまい、何のためにトルクレンチを使っているか分からなくなりますので、やめましょう(^^)
 
潤滑剤は間違いなく有効。S●Xのときにつかう潤滑剤と同じ。必要な人(場所)もあれば、ない人もある(笑)。使い方も間違えれば効果もない(笑)。気をつけましょう(^^)。でも、やっぱり使うと気持ちいい(笑)!
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実は今日、前回記事を掲載して大きく反響があったトルク管理の話について記事をアップしたのだけど、もう少し論理的な記事にしたかったので一旦保留にしました。再度内容を推敲し、近日中にアップしたいと思います(^^)
 
というわことで、今日はパイロット・ロード3のタイヤ評価の続きです。
 
本当はこの回でドライグリップについての記事を書く予定だったのだけど、タイヤを使ってから5000km近く走行したということもあり、耐摩耗性について記事を書くことにしました(^^)。走行距離のうち、30%は2人乗りです。
 
FRとRRの写真をアップしましたが、偏摩耗ゼロ。特にフロントタイヤの摩耗状態は素晴らしいの一言。写真でわかるように撮影したけれど、プロファイルに大きな変化がないのは凄い。私は2人乗りが多い方なのだけど、この摩耗状態には満足。BT-021なんか4000kmでとんでもない状態だったし。それにしても、BT-023は改善されたのかなあ。きになるところ。
 
ゲージがなかったので溝の深さを測ることが出来なかったのだけど、経験からすると、恐らくFRは15000kmは楽勝だと思う。ひょっとしたら18000kmとかまでいっちゃうかもしれないな。気になるFRのサイピングについても変にめくれてたり、偏摩耗が出たりしているわけでもなく、本当にびっくり。ちょっとはその傾向が出てるかな。。。と思ったけど、いい意味で裏切られたかな(^^)
 
RRはショルダー部分がそれなりに摩耗が進んでいる感じだけど、2CTが使われていることが確実に感じさせらる。また、プロファイルにも大きな変化なしなのだけど、これも特筆に値するかな。センター部分は、「摩耗してるのかな?」というぐらい溝がきれいに残っているし、RRはどうかなあ。。。私のバイクで12000〜15000kmぐらいは行けるかな?まあ、私は2人乗りが多いということもあるので、1人乗りオンリーだったら、もっと確実にいくはず。
 
私は摩耗による性能の変化が嫌で、少しプロファイルが変わってきたときにタイヤを交換してしまうのだけど、このタイヤはずっと使えちゃいそうな勢いだ。今回はタイヤを交換しないで、スリップサインが出るまで乗ってみようという気持ちにもなっているほどのタイヤ。
 
また距離が伸びたら記事をアップしたいと思っています(^^)
 
次回はドライグリップ編です(^^)
 
(続く)
ご無沙汰してしまいましたが、多くの方からコメントをいただいており、そのことについて今回は触れさせていただきたいと思います。
 
今回は締め付けトルクに関して多くの方のコメントをいただきましたが、最低限のマナーを守って議論をしていただいたことについて嬉しく思っています。建設的な議論は大歓迎です。
 
私はタイヤメーカーに勤務しているということもあり、オートバイメーカーのライン工場やアッシー専用工場(足回り組み立て)を国内外で多く見学しています。その辺を踏まえてお話をしたいと思います。
 
まず、私が見た工場の中においては、トルク管理がされていなかった工場は一つもありませんでした。これは当たり前というより、常識のレベルになります。必要個所の組み立ては全て数値によって管理されています。
 
「過大締め付け」の問題(Bikers Stationがいうところの「新車で」)ですが、私が長らくこの仕事をしている中で、そのような状況に遭遇したことは一度もありません。
 
その逆は、何度も遭遇したことがあります。つまり、「不足」ですね。新車で出荷される車両で「緩み」があったことは自分でも何度でも経験しています。自分が購入したバイクでもあったことがあります。
 
緩みは海外(発展途上国)で生産された車両のテストなどで遭遇することが多いのですが、ある国ではトルクレンチを使用しているにもかかわらず、出荷時に緩んでいることが多発していたのを覚えています。トルクレンチの品質の問題なのか、キャリブレーションの問題なのか、管理の問題なのかはオートバイメーカーは教えてはくれませんでしたが(多分単なる締め忘れ)、その後は日本製の物を使用し、作業者の教育を徹底したところ、そのようなことが起きなくなったと報告を受けています。
 
ただ、メーカーとしては、軽い動作性よりも、「緩まない」ことを優先させるようになっているのは事実。これはライン生産をする上では仕方ないとも言えるのだけど、だからと言って「過大」にトルクが締められているわけではなく、また、性能が損ねられているとは言い難く、「過大に締めつけられている」と表現するのは間違いと言ってもいい。
 
さて、Bikers Stationで掲載されたという、フロントフォークの件ですが、delta77さんが掲載されたBikers Stationの記事を見ますと、「何バカなこと言ってんだ」という気持ちになるのが正直なところです。
 
問題なのは、何の根拠を持って「指定トルクの75%〜80%」としているのかということです。具体的にこの数字を挙げている根拠が知りたい。エンジニアにしてみれば、笑止千万どころか、「馬鹿にしているのか」というレベルの話です。危険極まりない。
 
締め付けトルクの数値というのは、使われている素材だけでなく、フレームなども関係してくる話なので、はっきり言って、オートバイごとに違うのは当然のこと。おまけに、潤滑剤を使用するリスクを知らなさすぎ。それをひとくくりにして75%〜80%というのは乱暴すぎ。また、ステムシャフトなどは締めるときに手順(順番)もあるので、それにも触れていないとしたら、やっぱりおかしい。
 
「出荷状態はほとんど締めすぎ」とも記事になっているようなのだが、公差の範囲で行われていることであり、「締めすぎ」という言葉(考え方)は間違い。この雑誌は厚かましくもメーカーに出向いて話を聞いているようだが、一体何をはなし聞いていたんだよ、と感じてしまう。
 
buckeye_burlさんからの書き込みで、Bikers Stationの記事の中で、「長期試乗車を某ショップの主人が試乗した際にステアリングヘッドの動きが「わずか」に渋い事を発見しました。」とあったのだけど、ステアリングヘッドの動きがおかしいと感じたのなら、普通はベアリングを疑うもの。ベアリングを交換して、まだステアリングヘッドの動きがおかしい、というのならまだしも、いきなりそこにくるか?と思う。
 
このブログを見ている方で整備士の方も多くいると思うのだけど、締めすぎをまず最初に疑う人はそうそういないと思う。
 
そもそも、本当に「わずか」であるのなら、試乗してそれを感知できるかは非常に疑問。どれだけ走行中にステアリング周りにトルクがかかっているかを考えて欲しい。逆に言えば、公差内にあるステムシャフトの締め付けの違いを感知できるという点からして信じがたい。試乗して発見したというのは非常に疑問を抱かざる得ない。
 
ステムシャフトに関して言えば、ステムナットにラバーコーティングされたワッシャーが使用されていたり、ラバーのOリングが使用されている場合もあり、その場合は、確かに経年劣化などで適正なトルク管理が難しく原因になったりするのだけど、だからと言って、単純に「締めすぎだ!」と叫ぶのはあまりにも稚拙というもの。物事にはちゃんと要因というものがあるのである。
 
ベアリングの話が出たのでついでに話をするけれど、ベアリングは消耗品ということ。オートバイに乗っている人で、ベアリングを定期的に交換している人はどのぐらいいるかな?これを変えるだけでびっくりするほどスムーズになるのは事実。締めすぎの記事を書くのなら、ベアリング交換の必要性に言及しないのはおかしいとも言える。
 
また、ステムシャフトもいいのだけど、それでは、フロントホイールやリヤホイールがどのぐらい円滑に動くのか?ということに気を使っているのかということも言及したい。
 
フロントホイールを手で回した場合、本来なら、数回転ぐらいくるくる回るぐらい円滑に動くことが望ましいのだけど、そこまでの整備性について意識がいっているかどうかということ。
 
RRに関してはもっとシビアになってほしい。チェーンなんかまさに抵抗の塊。ここだけでも、定期的な洗浄とグリスアップは必須。でも、実際どのぐらいの頻度で整備されているのかは?だとおもう。
 
知られていないけど、チェーンメーカーは驚くほどの数字を挙げてメンテナンス時期を推奨している。たとえば、雨の中走行したのならその都度は当然のこと、晴天でも500km毎ごとのメンテナンスが必要としているほどなのだ。他にもたくさん整備しなければならない重要整備部位でもあるのがRRまわりなのです。
 
話がちょっとずれたけど、ステムシャフトが円滑に動くのは確かに重要だけど、鬼の首を取るかの如く、嫌がらせのようにメーカーに出向いて話を聞く前に、もっとやることあるだろうにと思う。メーカーも公差の話をしなければならなかっただなんて、思いもしなかっただろうな。
 
公差の話にからめて、ヨシムラ/モリワキチューンについて。「適正」という言葉を使う場合、何を基準を置くかということになるのだけど、公差が存在する以上、その公差内において、ベストな数値があるのは事実。というか、公差がある以上それは当たり前の話で、そこを探るのが職人技だし、それがまさに「チューニング」。メカニックの腕の見せ所でもある。それを公道で走るオートバイにどこまで求めるのが必要なのかどうかという問題もあるけど、やればやるほど、動作性や性能が確実に上がるのは事実。
 
確かに違いがあるのは事実だけど、何度も言うように、メーカーが公差内で組み立てているものが、「渋い」とか「締め付けすぎ」というのは間違い。ましてや、潤滑剤がどのような作用を及ぼすかについてまったく言及しておらず、75%〜80%はないだろと思う。数字の根拠がなさすぎ。それに、「わずか」なことを指摘しているのに、なんで75〜80%と5%も幅を設けているのか。トルクレンチを使用するようにと書かれているが、トルク管理について知らないと言わざるを得ない。
 
現在のトルクレンチの精度はものすごい。±3%程度が現状。ISOかJIS規格だとMAX±4%だったんじゃないかな?つまり、単純に25%も緩めろっていうのは、潤滑剤について何も知らず、公差について理解していなく、トルクレンチを見たこともなく、使ったこともなく、トルク管理の定義すら知らない人の意見としか思えないほど、低いレベルの話と言える。
 
ちなみに、ショップに行って、「指定トルクの75%でやって」と言われてやる整備士の人はいないと思う。整備士の人に対して失礼だし、自殺行為なのでやめましょう。
 
私は正直、「渋い」と感じたのも気のせいで、「ハンドリングがさらによくなった」と感じたのも気のせいだと思っています。
 
雑誌社の人も、こういう誤解(誤解じゃないけど)を招かないように、緩める前にどのぐらいのトルクで締められていて、そのあとどのぐらいのトルクで締めたのか、また、潤滑剤を使用する前、使用した後のトルクの差異についてきちんと数字であげて記事にしないとダメ。そもそも、最初から知識がないからいい加減な数字を挙げる結果になっているのだろうけど。トルクレンチの精度について理解していて、トルク管理の定義を理解していて、潤滑剤を使用する本当の意味を理解していて、量産車の公差について知識があれば、こういう記事にはならなかったのだと思います。しかし、25%も緩めろという記事を書いて、メーカーからクレーム来なかったのかな。事故につながりかねないトンデモ記事である。私は絶対そんなバイクには乗らない。

最後に、dukeducaさんから頂いたコメントについてですが、丁寧にいろいろとご指摘をいただいたことについては感謝します。私自身が匿名でやっている以上、表現に配慮が必要という件に関しては、今後留意していきたいと思っています。
 
ただ、ライターの力不足だけでなく、ミシュランの広報不足もあるという点についてですが、ミシュランは十分な情報をリリースしています。HPだけでも必要十分な情報が記載されていますし、メディアに配信されるものは実際もっと詳しいものとなっています。
 
今回は明らかにライターの資質の問題です。たとえば、同じ学校で、同じ先生で、同じ教科書で学んでいても、どうしてみんな学力の差が出るのでしょうね。そういうことだと思います(^^)
 
今回はタイヤの話とは違う方向性ではありましたが、こういう議論はいいなとつくづく思っています。実際、タイヤメーカーやオートバイメーカーでは喧々諤々の議論の毎日です。議論なしに進展なし。
 
これからもよろしくお願いいたします(^^)
 
さて、次回からはまたパイロット・ロード3の評価の続きの記事をアップしたいと思っています。
今回はフロントタイヤに採用されているサイピングについて一言。
 
誰もが驚いたように、タイヤメーカーに衝撃が走ったこのパターン。私はアルマジロみたいだなと思ったけど、「仮面ライダー」という意見も今回コメントでいただいたけど、確かにアルマジロより確かに仮面ライダーだ!と妙にすっきりした(笑)
 
それはともかく、このタイヤを見たときに、他のタイヤメーカーは思い知らされたはず。各社のエンジニアはショックを受けたのは間違いない。それはなぜか。
 
これは、技術的に絶対にまねできないというものではないのだけど、まさに「アイデア」そのものだからだ。発想の時点で負けていれば、これは技術に追いつくよりはるかに難しい。ミシュランが世界をリードしているタイヤメーカーたるゆえんでもあることが如実に感じられるタイヤパターンとも言える。
 
このフロントに採用されているパターンについてさらに言及するならば、ドライグリップにてこのサイピングが果たす役割について、まったくトンチンカンなことを記事があった。あまりにも間違っているので名前を出しちゃうけど、Bikers Stationとかいう雑誌。
 
読んでぶったまげたのだけど、ドライで負荷がかかった時に、よりグリップ力を発揮するのは、このサイピングが潰れて接地面が広くなるから。。。というようなことが書いてあったけど、うはははっ!そんなわけないだろ〜(笑) このインプレッションを書いたライターは、自己紹介のところで「理論派」と書いてあったけど、まあ、理論的というより、単なる「こじつけ」だな。ミシュランもきっと苦笑いしているだろうな(笑)。
 
この記事を書いた人は、恐らく何も分かっていないのだろうけど、わからなければ無理して記事書かなければいいのにと思う。こんな記事書いてお金をもらっているんだと正直思った(雑誌社も)。
 
これは多くの人が誤解していることでもあるのだが、サイピングがどのように作用するかということ。
 
単にサイピング全体が路面に当たり、排水をしているのではないのである。実はサイピングの「エッジ部分」が路面に当たり、水膜を切ることを第一目的としているのだ。その効果のことを文字通り「エッジ効果」と呼んでいるほどである。そのことにより、よりドライに近い状況を生み出そうとしているのだが、簡単に潰れてふさがっちゃったら意味ないがないのである。
 
もし、このサイピングが、ケース剛性やコンパウンド特性を押しのけて、一番接地感やグリップに寄与しているというのなら、異常偏摩耗が起きるのは間違いないのである。まっすぐ走るかどうかも疑わしいし、振れも収まらないだろう。このサイピング、公表されてもいるがグルーブと同じ深さがあるのだ。トレッド剛性が確保されていなければ、そうなってしまうことは、初心者にもわかること。指でタイヤを押してもダメ。時速100キロでタイヤが回転しているときのトレッドにかかっている力を想像してほしい。トレッドが大きく動いたら真っ直ぐすら走るわけないのである。
 
大体、そんなことでグリップ力を増そうとすること自体、ミシュランだけでなく、どのタイヤメーカーもしないこと。
 
何度も言うけど、このタイヤの接地感やグリップはケース剛性とコンパウンドで出されている。サイピングも寄与していないわけではないが、それは微々たるもの。このライターはあまりにも斬新的なパターンにオロオロして、先入観が先行しちゃったんだろうな。
 
話がちょっとずれたけど、フロントに採用されているサイピングはあくまでも対ウエットのために採用されているので、よろしくです(笑)
 
ドライのグリップについてはまた次回に(^^)
 
(続く)
前の記事でも触れているけど、私はこのタイヤを装着して7度の気温下で、しかも雨天時に峠と高速道路を走行している。また、コースにも一度持って行ってその絶対的グリップ(ドライ)をテストしているので、記事にしたいと思っています。
 
まず結論。ウエットかつ低温時でのグリップはまさに異次元の一言。ドライ路面とウエット路面での接地感の差は非常に少ないといえるのがこのタイヤの特徴。これは非常に高いレベルで達成されていて、現時点で世界最高のタイヤと言っても言い過ぎではないほど、新しい領域に達しているのだ。テストライダーとして数え切れないほどのタイヤをテストしている私からしても、「新しい」と言えるほどのレベルなのだ。
 
基本的には、ウエットにおけるこのハイレベルな接地感とグリップ力はケース剛性と新しく採用されたコンパウンドで生み出されている。
 
フロントタイヤに採用されているアルマジロみたいなサイピングも高い接地感に寄与していないことはないのだけど、それは新しいコンパウンドほどではなく、むしろ、「水膜を切る」効果に大きく貢献している。
 
雨天の高速道路を走るときに間違いなく効果を発揮するし、比較的速度が低い一般道でも、ウエット時のグリップ力確保に大きく一役買っている。これは公表されている写真からもわかるように、ウエット時でにタイヤからあがる水しぶきからも容易に推測できる。実際、ウエット時での接地感はどのスピード域でも比類なきものとなっているし、急激にグリップを失うことがないものになっている。
 
この急激にグリップを失わないというのは、言うのは簡単だけど、達成するのは非常に困難な性能。これは色々な意味があって、いきなり雨が降ってきてグリップが急激に落ちること、、ウエットの中を走っていていきなりグリップを失うということ、そして、ドライとウエットの性能差が大きく開いてしまうという観点において、重要な性能の一部分ということなのだ。
 
一度だけ、しかも雨の中でタイヤをロックさせるほどフルブレーキングしたことがある。交差点に進入しようとしたときなのだが、いきなり信号無視の車が突っ込んできたのである。こちらは走行速度が低かったことと、右からやってくる異常なスピードの車に前もって気がついていたからよかったのだけど、フルブレーキングしたところが運悪く横断歩道のペイントの上。でも、このPilot Road 3、フロントタイヤがほんの少しだけ、ズズッと滑ったけど、急激にかつ完全にグリップを失くことなく制動。ペイント上であれだけのグリップを見せたら文句なしである。正直他のタイヤだったら間違いなく急激にグリップを失い危険な状況になっていた可能性があったほどの急ブレーキだった。
 
Pilot Road 2はその硬さゆえ、特にウエットや低温下では一般のライダーではグリップの限界点を掴むのはもちろんのこと、低速度でも実際どのぐらいグリップしているか感知することが難しいところがあったけど、Pilot Road 3は誰でも確実にどのぐらいグリップしているのかを感知することができるのだ。
 
とにかく、このタイヤはウエットにおける接地感&グリップがこのタイヤのスペックの全てと言っていいほどで、雨の中の走行がこれほど楽なのかと、「思い知らされる」という言葉がぴったりのタイヤなのだ。
 
フロントから生み出される「グリグリ感」は特筆もので、真冬のツーリングでもいかなるシチュエーションでも不安になることはないと言い切れるほど。しかも、実グリップも高いので、本当に「ラクチン」なのである。まさに「ザ・ファーストクラス」なのである。
 
(続く)

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