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フロントタイヤの特性については、一番最初に書いてもよかったほどなんだけど、実はこのタイヤ、非常に面白い特性を持っている。これはどの雑誌でも書かれていなかったことなんだけど、このタイヤ、面白いほど、タイヤが直進しようとする特性を持っているのである。
オートバイは理論的には、ミクロ的にみると左右に振れながら、それを修正しながら走っている乗り物である。
RoadAttackは最初から全くタイヤが「振れることなく」、信号の出だしでも、かなりの低速でもビッタリ真っ直ぐ進む特性を持っていたのだけど、Pilot Road 3は、振られるタイヤを真っ直ぐにしようとする特性を持ち合わせているのである。
これはどういうことかというと、信号の出だしでフラフラしたとする、その際にこのフロントタイヤが持ち合わせている特性として、タイヤを真っ直ぐにしようとする特性が非常に顕著なのだ。これは乗っていて、面白いなと感じたほど。これはケース剛性の特性とも言えるのだけど、トレッドのパターンも影響している感じだ。
普通はジャイロ効果で意識的に直さないと、どんどん振れが大きくなったりするのだけど、程度の問題ではあるのだけど、このタイヤはある意味勝手に直してくれるので、乗っていて随分と「面白いなー。不思議だなー」と思いながら乗っていた。
また、コーナーリング中にもフロントタイヤが、スッと安定を見せる時がある。これは舵角がピタリと決まるということを示唆するのだけど、コーナーリング中の安定に一役買う特性となっている。この舵角の入り方は非常にナチュラルで、ある意味思いっきりフロントに荷重をかけても、そうそうスタビリティが失われることはないハンドリングを達成している。
これは、このフロントタイヤの秀逸な性能を如実にあらわしているのだが、たとえば、フロントブレーキをかけながらコーナーに入った場合、ステアリングがおかしな挙動を作り出すこともなく非常に高いスタビリティを見せるということになるし、逆にコーナリング中にブレーキをリリースしても非常に挙動がマイルドなのだ。これはPilot Road3の非常に優秀な特性と言っていい。
こういう乗り方はそんなに普通はするわけではないけど、でも、この特性は2人乗りしているときや、バイクに大きな積載をしているときなどに有効に働くのだ。
たとえば、2人乗りをしているときや荷物を多く積んでいるときなどは、様々な入力でフロントに大きな荷重がかかったり、またその逆に、急激に荷重が抜けたりと、フロントにかかる動きは非常に大きいのだが、Pilot Road3はそれらを非常にうまく荷重を吸収し、タイヤの動きを抑える特性があるので、とにかく乗っていて安心の一言。当たり前だけど、フロントがコーナーリング中に安定していることは重要なのだ。狙ったラインのトレーサビリティーは高いし、峠道の急な下り坂が連続するようなシチュエーションでも、エンブレをかけながらでも楽チンにクルクル旋回出来ちゃうほど。
とにかくフロントタイヤのケース剛性とコンパウンドの相性が素晴らしいの一言に尽きるかな。あの独特のサイピングを採用しながらよくこのような特性(剛性感も)を出せたかと思う。
ケース剛性とコンパウンドの特性から生み出されるこのフロントタイヤの動きは、ステアリングの動きにも影響を与えるレベルで、こんなにフロントが素直にステアするのかと感じるほど。極端な話、ハンドルをフルロックするような左右の切り返しでも、タイヤがその動きをアシストしてくれるような反応を見せるのだ。これはなかなか他のタイヤでは見られないとも言える。また、この特性が高速道路のレーンチェンジの際に発揮するともいえ、想像以上に容易に行える要因にもなっている。
RoadAttackのフロントは傑作中の傑作だといえるものだったが、Pilot Road 3もどのバイクに装着しても、そのバイクの本来の性能を損ねることなく性能を発揮することが出来るタイヤということもできるしスペックになっているといえよう。さすがミシュランである。
次回はいよいよグリップ偏です(^^)
(続く)
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タイヤ評価
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ハンドリングについてだけど、コーナリングについては、基本的にはバイアスタイヤ的な性能の出方。
Pilot Road 2はこの傾向がかなり強くて、傾ければ勝手に曲がってくれて、2人乗りでも簡単にラインをトレースすることが出来、「超楽チン」ハンドリングだったのだけど、そこまでのレベルではないが、Pilot Road 3もキャンバーをかけただけで高い旋回性能を発揮する方向性で作られています。まさにバイアスタイヤ的なんだけど、フロントタイヤはRoadAttackに近いフィーリングで、乗り方的には、フロント荷重傾向で乗るライダーにはより乗りやすいと感じた。
フロントタイヤ中心にコーナーリングをするというわけではないのだけど、とにかくフロントタイヤの接地感とスタビリティの存在は非常に大きく、リヤタイヤはそれに追従というハンドリングとも言える。
そうかといえば、リヤタイヤの自由度が非常に大きいとも言えるタイヤ設計となっており、これはどういうことかというと、コーナー進入時からコーナーリング中におけるリヤタイヤのラインの軌跡がはっきりわかるほどで、もう少し詳しく説明すると、フロントからまっすぐ狙ったラインに向かってどっしりとコーナーに進入していくと、バイクがリーンするとともにリヤタイヤがアウト側に流れていくような感覚を容易につかめるということ。
この感覚は非常に大切で、それに合わせてアクセルワークを繊細に行うことが出来るからだ。この傾向はRoadAttackでも強かったのだけど、リヤタイヤの動きがとにかくリニア。バンクさせるときのリヤタイヤの動き(反応)もそうだし、コーナリング中にわずかであってもアクセルを開けると瞬時にリヤタイヤが反応をするので、非常にダイレクトそのもので、ものすごく乗りやすい。
コーナーに進入し、さっとアクセルを開けると即座にリヤタイヤが反応し、ドンっとリヤが安定するので、急激にバンクさせても(させちゃいけないけど)、安心感を得られるとも言える。
このタイヤの反応が面白くて、もう少し詳しく説明すると、アクセルを開けると、リヤタイヤの動きがピタリと止まるのである。感覚的には、しぼんだ風船がパンっと膨らんで地面をホールドする感じ。これは初心者にも分かりやすい挙動だし、ある意味コントローラブルとも言える。この挙動はBT-021やRoadAttackでもみられたけど、Pilot Road 3のそれは非常に顕著。
リヤタイヤの剛性も非常に考えられており、硬すぎず、柔らかすぎずで、このバランスが絶妙なのである。フロントタイヤもそうなのだけど、とにかくケース剛性と間違いなく新しく採用されているコンパウンドの両者から発揮されるハンドリングは、まさに、「ミシュランマジック」そのもの。
ケース剛性とコンパウンドのマッチングというのは非常に奥が深く、パターンにも左右されるので、すべて新しく開発する場合など、非常に時間がかかるもの。Pilot Road 2発売から数年という短い期間で、全てにおいて新しいといえるPilot Road 3を投入したミシュランは凄いと思う。
少し長くなってきたので、次回はフロントタイヤについてもう少し詳しく記事にしてみたいと思います。
(続く)
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今日は「ハンドリング偏」です(^^)
世界中で話題となる中投入されたこのPilot Road 3だけど、私はPilot Road 2を「ハイウエイダンサー」と勝手に名付けたけど、今回のPilot Road 3を一言で形容するのなら、「ザ・ファーストクラス」。
なにがファーストクラスなのか。それは「絶対的な安心感かつ乗り心地」が保証されているからなのである。
とにかく、このタイヤ、今までどんなタイヤでも確立できなかったほどの接地感とウエットにおけるグリップ力を発揮しているのである。特にその傾向は低温になればなるほど、また、ウエットで顕著で、正直、現時点でPilot Road 3に匹敵するタイヤはないといっても過言ではないほどのレベル・領域に達しているのだ。
私は7度という気温下、しかもウエットで峠と高速道路を走っているのだけど(ツーリング途中雨に降られた)、とにかくその高い接地感とグリップ力には、このような仕事をしている私でさえ、驚いた。何度も言うけど、このタイヤに匹敵するタイヤは現時点でないというほどで、とにかく次元が違うのである。
前回の記事で、「特定の方向性を狙って作られている」というのは、まさにこのことなのだけど、絶対的かつトータル的なスタビリティ&セイフティがこのタイヤの狙い目なのは間違いない。
とにかく、このタイヤ、どんな気象条件下でも、高速道路だろうが、ツーリングだろうが、乗っても疲れないのだ。これは意外かもしれないけど、重要な要素。ましてやツーリングタイヤだし。
初心者でも、雨でも冬でも安心かつ楽ちんに乗れちゃうし、ベテランでもそのタイヤから生み出される快適さに満足するはずである。まさに、「ファーストクラス」なのである。
Pilot Road 2は、「オールマイティーなタイヤなんてあるはずねーだろ」みたいなメッセージが込められていたけど、Pilot Road 3はまさにツーリングタイヤ王道ど真ん中。「マネ出来るならやってみな」という、ミシュランの強い自負を感じるタイヤでもある。
それでは、次回の記事で詳しくハンドリングついて述べてみたいと思います。
(続く)
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みなさん、お待たせいたしました。いよいよ、Pilot Road 3のタイヤ評価です。今回は多くの方からたくさん質問をいただいていますが、Pilot Road 3のタイヤ評価記事の依頼が非常に多いので、この記事が終わりましたらお答えいたしますね(^^)
実はこのタイヤを装着してしばらくたっているのだけど、高速道路、一般道路を含めて3000kmほど走行。最低気温については7度のときに走行しているし、雨の中も走行しているので、正確なテストが出来たと思っています。
今回、大きな驚きと期待で迎えられたこのPilot Road 3、斬新かつ革新的なパターン&技術が詰まったタイヤとも言えるのだけど、すでに多くの雑誌でインプレが語られているけど、正直言って、このタイヤの持つ性能についてすべて正確に書かれた記事はほとんどなかったと言えるほどで、それほど「新しい」と言ってもよかったかもしれない。
全ての雑誌に目を通しているわけではないので、一概には言えないのだけど、モーターサイクリスト誌に掲載されていたインプレッションは私が見た中では一番的を得ていた。中村さんと言う人が書いた記事だったかな?「新人ライター」みたいな感じで紹介されていたけど、センスのある人だと思う。短い記事だったけど、これからの活躍に期待したい(^^)
とんでもない、全く的外れなことを書いていた雑誌もあるけど、まあ、それだけこのタイヤが奥深いということの証明であったとも思う。
それでは、まず基本構造から話に入っていきたいと思います。
雑誌にいろいろと書かれてはいたけど、フロントタイヤの独特の接地感やハンドリングは、基本的にはケーシングによって出されています。斬新的な、アルマジロみたいなパターンゆえに、フロントタイヤはこのパターンによって接地感やハンドリングが出されていると思っている人が多いのだけど、順番をつければ、
1.ケース剛性
2.コンパウンド 3.サイピング の順番でフロントタイヤの独特のハンドリングが出されています。
タイヤを装着して一番最初に乗った時に感じたのは、フロント、リヤともに、「初代Pilot Roadに似ているなあ」と思ったこと。性能の出し方の方向性的にはかなり近い感じである。
トータル的な剛性については、Piot Road 2とRoadAttackやBT-021の中間ぐらいと言えるかな。硬すぎず、柔らかすぎずといった感じである。初代Pilot Roadはかなり柔らかめの設定(特にリヤ)になっていたのだけど、今回のPilot Road 3は剛性については、特定の方向性を狙って作られていると感じるもの。
詳しくは次回の「ハンドリグ偏」で(^^)
(続く)
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大変ご無沙汰しておりました。。。(^^;ご心配をおかけしてしまった方もいましたが、元気にやっております。たくさんの方から質問メールをいただきましたが、簡潔ではありますがお返事はさせていただいております。何か分からない点がありましたら、遠慮なく聞いてくださいね。それでは久しぶりの記事は、やっぱりタイヤ!ということで(^^) |


