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思い返すと、もう20年前になるだろうか?Bimotaから世界初のハブステアリング構造のバイクが出たときのことは忘れることが出来ない。その当時の雑誌をいまだに持っているほど!それほど衝撃的だった。タミヤ模型からプラモデルが出たのですぐに買ったし(これは構造の勉強に凄くなった)、「いつか乗りたい」という思いはずっと消えなかった。
テストライダーという職業に就いてから、チャンスは巡ってくるかなと思ったけど、その特殊性ゆえ、そんなバイクでのテストがあるわけなく、ただ、希望だけはずっと持っていたのだ。一体どんなハンドリングなのか、興味が尽きることはなく、ハブステアリングに対する情熱は消えることはなかった。
なぜ興味をひかれるのかと聞かれると困るのだけど、私は機能美だと思っている。
恥ずかしい話だけど、Vyrusという会社を知ったのはほんの数年前だった。最初はまさに、いろんな意味で「なんじゃこりゃ!」状態(笑)。おまけに、その驚愕の価格帯。すべてがため息だった。
ただ、非常に斬新的なデザインで、Bimotaも新しいハブステアリング構造のバイクを出してはいたが(現地で私は、実はTESI 2DはVyrusにて製造されたことを知る。これは後述)、見れば見るほど、目が離せなくなるそのデザインに私は大きく惹かれていった。
そんな中、Vyrus 986M2の発表がされる。しかも、racing kitだけでなく、street versionもあるではないか!しかも、目を奪われたのはその価格。なんと25000ユーロ。そう、Bimotaのハブステアリング構造のバイクが400万円以上で日本で販売されているなか、300万円を切る価格は破格である。
私は仕事が手に着かないほど動揺(笑)。もういてもたっていられなくなり、仕事関係の人脈でありとあらゆる手を使って何とかVyrus 986M2を試乗したいと思ったが、なかなかVyrus社の人を知っている人が見つからず(当たり前か)、我慢できなくなった私は、とりあえずイタリアに行くことにしたのである。
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Vyrus
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Misano, Italyにて
私はタイヤメーカーのテストライダーとして長らくこの仕事をしているが、ワークスマシンに乗れる機会は長いキャリアの中でも限られている。テストライダーの中には一度も乗ったことがないという者の方が多いぐらいだ。私は過去にもワークスマシンは経験があるが、今回は久しぶりの試乗となった。
年頭のあいさつでお知らせしたように、本当に幸運なことに、去年、Vyrus 986M2をテストすることが出来たのであるが、その時はマシンは仕上がったばかりの出来立てホヤホヤで、日本人としては初めてなのはもちろんのこと、Vyrusの関係者でもまだ乗ったことがないという状況だったのだが、私を信用してくれて試乗する機会を与えてくれたAscanio氏には心から感謝している。
実は私、去年Vyrus 986M2を3度試乗しているのだ。1度は公道(!)、あとはコースにてテストをしている。1回はイタリアのMisano、もう1回はスペインのCartagenaで行っている。公道についてだが、Vyrus社は実はちょっとした峠の麓にあって、簡単な試乗をするには最高の場所にある(笑)。もちろん、試乗の際は、特別なナンバーを取得していて合法的に公道を走っているのでご心配なく(^^)
3度試乗したのだけど、それぞれ時期が異なっており、乗るたびに進化を遂げていたVyrus 986M2なのだが、その進化の具合なども記事にしていきたいと思っています(^^)
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このpitts_driver、久しぶりに夜も眠れるほどの興奮に包まれている。
ハブステアリングに取りつかれている私だが、なんと、Vyrus社より発売されるというではないか!しかも、価格も300万円を切るという!この手のハブステアリング構造のオートバイは、Bimotaからのものもそうなのだが、500万円はする代物。そうそう簡単に手が出せるものではないが、300万円を切るとなると、心を動かされるファンも多いのではないだろうか。
今回発売されるのは、Vyrus 986M2というオートバイなのだが、驚いたのは、Vyrus社はこのオートバイでなんとMoto2に出場するらしい。こりゃたまげた。そうなるとレースから目が離せない。去年から始まったこのクラスだけど、結構なバトルが繰り広げられているし、Moriwakiが去年はかなり健闘した走りを見せたのは記憶に新しいところだが、Vyrus社製のオートバイがどこまでの性能を見せるか見ものである。正直なところ、シャッシ開発評価を得意とし、過去にいくつものマシン開発にかかわった経験がある私としては、Vyrus社に連絡したい衝動に駆られたぐらい。テスト屋としてはじっとしてはいられない感じなのだ。
発売されるのは3タイプあるらしい。まずは、レース用として発売されるバージョンのものと、保安部品をつけた公道バージョンのもの。レース用のものは、€ 55,000という価格設定。公道バージョンは€ 25,000になるらしい。日本円にすると今のレートだと280万円か。この他にも、レース用のキットとして、エンジンなしのものを販売するという。
ちなみに、エンジンはHonda CBR600RRのものを使用しているとのこと。 いいぞお。Hondaのエンジンはまあ、どうやったら壊れるの?というぐらい壊れないからいいチョイスだと思う。パーツも豊富に出ているし、日本でメンテをするのも容易だし。
Vyrus 986M2で今回気になるのは、フロントに油圧式のロッドが使用されていること。路面追従性や低速での安定性、そして細かな振動に対して有効な性能を発揮しそうである。
もう一つは、リヤサスペンション、どうやら横置き型のタイプにしているということ。リンクをかましているのであるが、この性能に興味津津。このタイプのもの、ちょっと忘れてしまったのだけど、一度ヤマハが採用していたような記憶がある。どのような奥の深い動きを見せるのか。
9月には公道バージョンのものが発売となるようなのだが、どこまでスパルタンにやるのかが注目だ。個人的希望だけど、あんまりレーシーなポジションはやめて欲しいかな(笑)。ツーリングできるようなポジションを希望(^^; あのステップの位置は絶対無理無理無理(笑)
エキゾーストマフラーも、本当にアーティスティックな形状になっている。よーく見ると、左右に3角形のような形状のものが出ているのだけど、これが恐らくそうだと思う。排ガス規制は大丈夫なのかなあ。それにしても、このデザインはすごいの一言。そのセンスはさすがの一言だ。コンベンショナルなデザインから脱却するのって意外に大変だし、思いつかないものだけど、このスタイルには拍手を送りたい(^^)
もう、pitts_driver、買う気満々(笑)。これからの生活どーする!?
ニュースソースはこちら:
http://www.motoblog.it/post/27946/intervista-ad-ascanio-rodorigo-e-prezzi-della-vyrus-986-m2 |



