テストライダーという仕事

長らく乗っていなかったら空気圧の点検を(^^)

テストライダーの仕事

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先日、カブ5000万台達成の記事を書いたが、なんと奇遇なことに、某アジアで販売されているカブ系車両の開発に関わることになった。写真は参考までに掲載したのだが、これはタイで爆発的な売れ行きを見せているWAVE100というモデル。このタイプに近いものの開発になる模様。詳細は内緒ね。

このモデルのタイヤサイズは、FRが2.25-17で、RRが2.50-17。結構細い。2.75-17のヴァージョンもある。

実はこの機種の開発の話は去年の始めに立ち上がり、私も何ヶ月かテストを行っている。その時感じたのは「難しい」の一言。ちなみに、このサイズのタイヤの開発は難しく、テストライダーは経験がそれなりにないと出来ない。

テストライダーというイメージから、サーキットをガンガン走って・・・と想像されがちだが、ビジネスバイクやスクーター機種も意外に多く、ちまちまと乗っていることも結構多いのだ。

しかし、小排気量の小さなタイヤの開発は、それこそミリ単位での修正を行い、そのミリ単位の差を「性能」としてタイヤにフィードバックしなければならないので、かなり神経を使う。いい年をしたベテランテストライダーが、目ん玉をひん剥いて、全神経を集中して乗っている姿は笑えるかもしれない、いや、笑ってはいけない、感動して欲しい(笑)。何度も何度もテストは繰り返され、開発に最低でも2年はかかる。

スピードも100km/h以上出るし、意外にスポーティー。タイヤが細い分、滑り出したらそのままステン、となることがほとんどなので、転倒の可能性も高い。私も去年テスト中に一度60km/hで転倒している。痛かったなあ(笑)。また、転倒しそうになって、足で踏ん張って、捻挫したこともあった。妻よ、許しておくれ。

しかし、一般的に販売されているような大型バイクのタイヤ開発も楽しいが、何十万人、いや、何百万人に使用されるかもしれないというタイヤの開発に関われるというのは、テストライダーとして本当に光栄なことだと思っている。カブを日常生活に不可欠なものとして、大事な財産として使用している人たちの安全を担っていると言っても過言ではない。

タイヤを交換するときに、また同じものを買ってくれるような、そんないいタイヤを作りたいと思っている。

機密保持について

テストライダーの仕事については、謎が多いし、メーカーも公表しない。なぜなら、「開発」という仕事が中心になるため、している仕事自体が機密なのだ。テストライダーの数さえ、公表することなく、機密扱いとなっている。

テストコースも機密だらけといっていい。まだ世間に公表していない試作型や新しいパーツなどのオンパレードだ。特許に絡んでいるものも多数ある。外部から絶対に写真が撮れないようになっているし、その会社で働いているからってテストコースを見学出来るというものでもない。ほんの一部の人間しか立ち入りが出来ない場所でもあるのだ。

社内でのセキュリティーも一般に想像されている以上に厳しい。社内においても、立ち入れるところが細かく設定されているし、誰でもどこへでもいけるというわけではない。各社セキュリティーについては独自のものを持っているだろうが、個人IDによって全て管理されている。

機密保持契約書にもサインさせられるし、会社には携帯電話さえ持ち込み禁止になっているほど厳しい。社内で使用しているほとんどのパソコンではCDやフロッピーに書き込みが出来ないようになっている。当たり前だが、e-mailでやり取りできるファイルも規制されている。社内から発送される郵便物についても発送物によっては検閲がある。社内で機密保持についての研修もあるし、いたるところにスローガンの張り紙が貼ってあったりする。

この開発の仕事に就くと、同業種への転職はありえない。つまり、ずっと同じ会社にいるか、全く別の仕事に就くかになる。これも契約書に規定されている。長年培ってきたノウハウの流失を防ぐためでもある。実際には、開発はどんどん進んでいるので、新しい技術も数年すれば古くはなってしまうのではあるが。

こう書くと堅苦しいように感じてしまうが、実際の仕事をする上ではそんなに気にはならないなあ。慣れというより、本当に機密だらけだから(笑)。社内にも機密保持に関する士気は高いといってもいい。設計エンジニアは日々ものすごい研究をしている。日々の努力の積み重ねが新製品開発につながっているのは誰でもが知っているので、機密保持は当然のことなのだ。

みんなオートバイが好きで、仕事に誇りを持っている仲間と仕事が出来ることを嬉しく思っている。

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新年明けましておめでとう御座います(^^) 去年から始めたブログですが、たくさんの方々に訪問していただき嬉しく存じます。今年もタイヤテストに関する話題を中心にいろいろと楽しめるような記事をアップできるようにしたいと思っています。今年も怪我のないように、バイクライフを楽しみましょう!

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前回は世界中のタイヤについて話をしたが、テストライダーとして仕事をしていると、タイヤだけでなく、日本では発売されていないオートバイに乗れる機会がある。特にアジア地区の市場は大きく、それらの国の地域性などを考慮したオートバイがかなり売れているのだ。

現在オートバイの販売数世界第一位は中国で、第2位はインド。インドの某社から出ているある機種は月産なんと30万台(!)にもなり、これはギネスブックにも載ったと聞いている。それほど売れているのだ。しかし、30万台って、一日1万台作らなければならないのだが、巨大工場で24時間体制で作っている。1日1万台ということは、10秒間で約1台作らなければならない。すごすぎる。意外かもしれないが、日本で売られている、数十倍の台数が海外で売れているのだ。

当然ながら、オートバイメーカーやタイヤメーカーはそれらの市場を無視することは出来ず、進出して販売に乗り出すことになる。その市場にあった機種、タイヤを作らなければならないこともあり、テストライダーとしてそれらの機種にめぐりあう機会があると言う訳だ。

私もアジア向け機種のタイヤOEMや現地リプレイスマーケット用のタイヤ開発に関わっていることもあり、日本では発売されていない機種に乗ることは非常に多い。

今回紹介するのはタイの写真。タイではホンダのWAVEという機種が大人気。WAVE100とWAVE125があるのだが、原型は見ての通りカブ。ところがこのバイク超速い。100km/hは楽勝で超えるし、サスペンションのつくりなどもかなりスポーティー。燃費もカブが原型だけあって、すごくいい。値段は12万円ぐらいかな?

タイヤサイズはFRが2.25-17、RRが2.50-17でかなり細い。これが結構テストライダー泣かせ。細いタイヤで剛性力を出すのは非常に難しいからだ。まして二人乗りで使用されることも多いので、そういうことも考慮して車体設計やタイヤ設計をしなければならない難しさもある。

写真1枚目は、「バイクタクシー」。渋滞が多いタイでは重宝されており、タクシーライダー(?)はオレンジのジャケットみたいなのを着ている。料金はタクシーよりは安く、もちろん、目的地にも早く到着。2枚目、3枚目は交差点での様子。かなりマナーはいいかな。これらのバイクが信号が青に変わると同時に、一斉にスタートするのは圧巻!

仕事柄いろいろなオートバイに乗る機会があるが、たまに「おっ、これいいな。日本でも乗りたいな」なんていうのもあるし、日本では乗れない、いろいろなオートバイに乗れるというのは、テストライダー冥利である。

今回のOEMタイヤは細かな部分でちょっとてこずっている。前回のサンプルは結局、悪くはなかったのだが、細かなところをもう少し詰めることになり、4回目の試作となった。

FRはサイドウールの形状の見直しをし、RRはコンパウンドと同じくサイドウオール形状の見直しを行った。コンパウンドを少し変えると言うのは、気が遠くなるほどのテストを行わなければならず、実際、今回のこのテストにこぎつけるまでに、RRタイヤ単体のみでの細かなテストを行っており、今回はFRとのマッチング、車両とのマッチングテストも兼ねたものとなった。

オートバイメーカーに試作品を出す納期と言うものもあり、決まった日程通りに進めなければならないのだが、製品開発というのは、なかなか順調に行かないところもあり、今回は年末ということあり、このテストでOKにならないと、ちょっと厳しい状況になってしまうので、テスト時にはスタッフの間に緊張感が走る。

今回はRRにAヴァージョンと、Bヴァージョンを用意。どちらかがよくないといけないし、RR単体で良くても、FRとのマッチングもあるので、非常に難しいところがある。RR単体での様々な性能が良くても、FRとのマッチングが悪ければ、NGなのだ。

マッチングの問題はいろいろとある。これは別な機会に詳しく書いてみたいが、舵角の入り方とか、車両の倒れ方とか、かなりのテスト項目がある。

今回のテストは、FRはバッチリだったのだが、RRは悩んだ。AヴァージョンはFRとのマッチングが大変良いのだが、Bヴァージョンより、RR単体での様々な点で劣る点が見られたのだ。Bヴァージョンは、RR単体自体はものすごくハイレベルなのだが、FRとのマッチングはAヴァージョンほどではない。

走りながら、ちょっと悩んだのだが、タイヤの基本性能自体を考えた場合、また、今回採用される車両の目的を考慮すると総合的にBヴァージョンの方が優れていると言う結論になったのだが、なによりも嬉しかったのは、かなりコンパウンドでいろいろな問題が噴出して相当悩んだので、最後の最後に、バシッと決まってのが嬉しかった。テストが終わった後、「これだよ、これ〜」って感じでスタッフと共に喜んだものだ。これで気分よく年を越せるなと思った。

今日で今年最後のテストとなったが、大きな怪我なく、一年を終えられたことを嬉しく思ったし、また、メカニックや多くのスタッフに支えられてテストが行われているが、彼らには本当に心から感謝している。

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