|
好きでやっている仕事なので、特に「苦労」というほどではないのだが、普通の仕事と違って神経を使う部分はある。まず、当然ながらケガができない。一般の仕事だったら、腕の骨を折っても、ギブスをしながら仕事は出来るが、テストライダーはそうは行かない。スキーなんかやりたいなって思っていても、ちょっとケガが怖いという部分がある。風邪もひけない。基本的には風邪を引いたら仕事はできない。繊細な判定をする仕事でもあるので、体調が悪いと無理なのだ。普段から風邪や怪我をしないようには神経を使っている。私もうがい薬を常時携帯しており、特に冬場などは外出した際は必ずうがいをするようにしている。 |
テストライダーの仕事
[ リスト | 詳細 ]
|
いままでテストライダーの仕事について述べてきたが、テストライダーは別にいつもオートバイに乗っているばかりではない。意外と思われる人もいるかもしれないが、実際はかなりデスクワークがあるんだなー。会議も多い。じゃあ、机にかじりついて何をやっているのかというと、あまり詳しくは書けないが、私の場合(タイヤメーカーのテストライダーとして)、テストしたタイヤの判定に関するレポートを書くのが多い。テストの判定はただ、「良い・悪い」だけではない。細かく判定も分かれているのだが、なぜ良いのか、なぜ悪いのかというところまで理論的に突っ込んで書かなければならない。タイヤ開発エンジニアと必ずミーティングをするのだが、タイヤ構造的なこと、オートバイとのマッチング的なことも含めて、かなり技術的なところまで踏み込んでの話となるので、タイヤの評価判定はきわめて工学的にしなければならないのだ。 |
|
なぜ、テストコース以外にも、一般道路でテストを行うのであろうか。その理由は簡単である。オートバイやタイヤを買うほとんどの人が一般道路で使用するからである(笑)。いくらテストコースでいい結果を出しても、コンピューターのシュミレーションでいろいろなデータがわかっていても、それが「いいオートバイ」、「いいタイヤ」とは限らないのである。一般道路での使用が前提となると、性能ももとより、「乗り心地」の問題が非常に大切な要素となってくる。この乗り心地は、「官能」ともこの業界では表現され、「官能試験」の一環として、ある意味もっとも重要なタイヤ性能(オートバイの場合は車体性能)としての試験として位置づけられている。この「官能」については、また別な機会に話しをしたい。たとえば、ギャップを乗り換えた場合、タイヤがどの程度ショックを吸収するのかも大切な要素である。変な突き上げ(キックバックという)があったらいけないし、ラジアルタイヤなどで高速道路を走った場合、路面状況によっては、コツコツ感が出てくるときがある。これは大きく乗り心地にも関係するので、無視することは出来ない。極端なことを言えば、どんなにテストコースにおける、「限られた範囲内」での性能が良くても、一般道での乗り心地が悪ければ「NG」なのである。 |
|
前回テストライダーの仕事の一部について話をしたが、今回は一般道でのテストについて話をしたい。メーカー所有のテストコースは、いうまでもなく大変整備の行き届いた、路面状況が良い条件下でテストを行っているため、一般道にてテストを行うことも大切な仕事の一つである。メーカー所有のテストコースには、一般道路を想定した、悪路とまではいかなくても、路面状況が悪いわるいことを想定した作ったでこぼこの路面があるが、あくまでもシュミレーションの域を出ない。一般道は砂だって、異物だってたくさんあるが、テストコースは塵ひとつないようなところだ。 |
|
「テストライダー」と聞いて想像するのはどんなことであろうか。サーキットをかっこよく疾走する姿を想像する人が多いと思うが、実際の仕事は意外に地味なのだ。デスクワークも結構多い。信じられないぐらい会議もたくさんあったりする(笑)。 |



