テストライダーという仕事

長らく乗っていなかったら空気圧の点検を(^^)

テストライダーとは

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感性の育て方

今日はたくさんいただいている質問の中からsui*aukisu*i*81さんの質問に対してお答えしたいかと思います。ほかの方も順次回答していきますので、気長に(笑)お待ちください(^^)
 
質問内容は:「私は1年程前からバイクに乗り始めた初心者です。通学にもバイクを使い、1年で25千キロくらい乗っています。ですがどうもタイヤの感触や、路面の感触などがよく分からないのです。pitts_driverさんが仰るような「路面を触るかのように状態がわかる」「タイヤのプロファイルが1度でも変わればわかる」そのような感覚を磨くにはどう言った事を心がければいいのでしょうか?私はSUZUKIGladius400に乗っています。純正タイヤ(クオリファイヤ)からブリヂストンBT023に換えたのですがごめんなさい、変化が今一つピンと来ないのです。悔しくて仕方ありません。もちろん、当たり前ですが、「pitts_driverさんと同じレベルになりたい」なんておこがましい事は言わないです。ですがやはりバイクを乗る上で、もっとバイクを理解したいです。
 
正直、自分が若いことを思い出すような質問なのですが、大変真摯なその内容にうれしく感じています(^^)。また、察するところまだ学生さんのようですが、若い人が乗っているというのはすごく嬉しいです。
 
さて、どのようにお返事させていただいたらいいかなと考えましたが、まずタイヤやオートバイの挙動について正確に感じられるようになるには、やはり「経験が必要」となります。これは資質の問題もあるのですが、資質を備えているにせよ、何年もかかるものと思っていただいて間違いありません。我々メーカーのテストライダーは、驚くほどの勉強量とテストの量を経験しており、テストライダーとしてのスタートラインに立てるのは最低でも7年はかかると言われています。私はこのブログの中でタイヤやオートバイの細かな挙動について記述しておりますが、30年にも及ぶ経験が基になっていることはご理解ください。タイヤの本数にしたら覚えているだけ2万本、乗ったオートバイの延べ数量は数千台どころではありませんし、サーキット走行の距離数は一体地球何周(ちなみに地球一周は4万キロ)したのかというほどです。職業ライダーでなければ到達できない領域と言えます。
 
それでは職業ライダーでなければ、タイヤやオートバイの挙動について正確に評価することは出来なのか。。。と思われるかもしれませんが、中には普通のライダーやジャーナリストの人で、なかなか感性が鋭い人を見かけるのも事実です。それではどうすればよいのか?
 
職業ライダーでなければ、プロファイルやコンパウンドの細かな差については恐らくなかなかわかりづらいところが実際あるかと思いますが、少しでも自分の感性を磨くには、やはり先に述べました通り、経験がものをいうようになります。
 
この経験にはいろいろな意味が含まれているのですが、まずはタイヤやオートバイの基本構造や理論を知る必要があります。これらは市販の本で良いものが出ているので参考にされてもよいかと思います。
 
経験だけは時間が必要ですので、焦ってもどうしようもないのですが、そんな中でも出来ることはあります。それは「漫然と乗らない」ということです。これは私は今でも心がけているほどで、みなさん驚かれるかもしれませんが、普段乗るときも、かなりライディングに集中して乗っています。たとえば、信号で停止するとき、停止線に合わせてぴったり止まるようにする。前後ブレーキを適宜に操作し、ピッチモーションを極力抑え安定させて停止する。その際にふらつかないなど、止まるたびに自分で「今のは良かったな」とか「今のはもう少しこうしたら完ぺきだったな」とか考えていますし、これは停止するときだけでなく、出だしの時もそうです。極力ふらつかず、いかに真っ直ぐに発進するかなど、挙げたらきりはありません。ただ、こういう細かな「意識」の積み重ねが技量の向上と、自分の感覚を磨くきっかけになるのです
 
私はなぜテストライダーになれたかと問われれば、こう答えます。「転ぶのが怖かったから」。かっこつけているのではなく、本当にそう思っています。私はオートバイが大好きでたまりませんでしたが、同時に転倒が怖くて仕方なかったのです。だからこそ、乗るときはタイヤやオートバイの挙動に細心の注意を払い、練習もかなりしましたね。今考えるとよくあれだけは走ったものだと思うほどです。
 
今のタイヤは非常に良く出来ています。グリップの差も同じカテゴリーのタイヤなら大差ありませんし、初めはほとんどわからないと思いますが、それでいいのです。焦らずに、ひとつひとつのライディングを大切にし、技量と知識の向上を常に心がけるのなら、感性は自ずと必ずついてきます。
 
ちょっと難しいことを言ったかもしれませんが、結局は「好きで乗る」のが一番かな(^^)。好きなものこそ上手なれ、です(^^)
 
sui*aukisu*i*8さんが、学生生活をオートバイを通して楽しまれ、素敵なライダーになられますよう祈っています(^^)

not_racerさんから質問がありましたので、お返事させていただきます。質問内容は:

「pitts driverさんならトレール車に乗ってもタイヤと路面が出す信号を正確に読み取る事ができるのでしょうか?タイヤテストに絶対向かないバイクってあるのでしょうか?」

さて、答えは「どんなバイクに乗っても路面が出す信号・情報を得ることが出来ます」となります。

なぜでしょうか?

それは我々が日常的にこのようなことを仕事としているからなんです(笑)。

テストライダーの仕事はテストでありますが、その内容は常に「比較」です。ちょっとした内部構造変更のテストから、コンパウンドの改良のテスト、その他もろもろ、ほとんどが「比較が中心」のテストなのです。

そのため、こういうことを日常的に行っていると、感覚が凄く研ぎ澄まされてきます。これは経験によってどんどん向上していくので、ベテランテストライダーになればなるほど、本当に手のひらで路面を触っているかのように、路面状況、情報がわかるようになるのです。それはどんなタイヤ、オートバイに乗っても同じで、乗り慣れていないオートバイでも、コースを1,2分走ればすぐにそのオートバイの特性も掴んでしまうので問題なくテストが出来ます。

タイヤテストに向かないオートバイがあるかどうかですが、基本的にはそのオートバイの開発目的に沿ったタイヤを開発・テストしますので、そういう意味では「テストに向かないオートバイ」というのはないということになりますし、テスト車両はレース車両以外はセッティングも含めて完全にストック(ノーマル)状態なので、使用に際しても全く問題もないということなのです。

まあ違う機会に記事にしようと思っているのですが、テストライダーはエンジニアが驚くほどその判定能力は優れています。タイヤの重さが100g違っていても感知できますし、プロアイルも1度違っても分かります。

全ての判定結果は、エンジニアが行うシュミレーションやベンチテストなどでも実証されており、「間違い」というのはまずありません。

逆にシュミレーションやベンチテストの結果と逆さまのテスト判定が出て、調べてみるとシュミレーション時のテストタイヤの取り違えミスだったと言うこともあるぐらいなんです。

テストライダーはそれぐらい正確な判定をしますが、ある意味感覚が全てなので、普段の体調管理や、技量の向上に対する努力、そして新技術に対する勉強を怠ることもないのです。

こう書いてみるとかっこいいかもしれませんが、見た目の華やかさとは裏腹に、結構地味な努力が必要な仕事ですね。

テストライダーとは

テストライダーという仕事について多く語られることはない。その実態自体が表に出ることも少ない。開発に伴う機密事項にがんじがらめということもあり、なかなか「こんなことをしていますよ」といえないのである。各メーカーともテストライダーの数そのものについても機密扱いだ。

テストライダーといってもいくつかに分けられる。まずはオートバイメーカーのテストライダー。オートバイ開発には不可欠な存在である。乗るだけでなく、当然ながらエンジニア的な知識も求められる。「テストライダー」と呼ばれることは少なく、「テスト屋、実験屋、操安担当」なんて言い方で社内では言ったりしている。

それからタイヤメーカーのテストライダー。言うまでもなくタイヤを中心に開発テストを行うのが仕事なる。新車に装着されるOEMタイヤ(標準装備タイヤ)の開発と、リプレイスタイヤ(市販タイヤ)の開発がメインとなる。OEMは車両とのマッチングの問題があるので、オートバイメーカーとの折衝が不可欠となる。また、オートバイについても深い知識が必要なのは、オートバイメーカーのテストライダーと同じである。私は実はこのタイヤメーカーのテストライダーとして日々開発テストを行っている。

大きく分けるとこの2つが主なテストライダーとしての活躍の場となるが、そのほかにも、オートバイメーカーの「ワークスマシン」のテストライダーという仕事がある。これをしているのは世界中でもほんの一握りであり、ほとんどが世界GP経験者だ。市販車両でも、スーパースポーツ系のオートバイなどは、各メーカーが契約しているレーシングライダーがテストを行う場合が多い。限界ギリギリの領域は彼らが担当するのである。

そのほかにも、私が知っている限りでは、ブレーキメーカーのテストライダーというのがある。専用のテストコースがあり、日々そこでテストを行っているのだ。ブレーキは当然ながら重要な役割を果たすので、メーカーも相当力を入れている。

他にもヘルメットメーカーのテストライダーというのを聞いたことがある。これは「フルタイム」ではなく、テストがある時にだけ仕事をするというものだ。サーキットではなく、オーバルコースなどを走行してテストをしているようである。

まあ、テストライダーの仕事の場というのはこんな感じであるが、これから少しずつ掘り下げて話しをしていきたいと思っている。オートバイをこよなく愛する一人として、この世界に少しでも多くの人が興味を持ってくれれば幸いと思っている。

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