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ABCの機能を一口で表現すればそれは企業を可視化することだと言えます。 企業のオペレーションとその成果(利益)を可視化することで経営意思決定に有用な情報を得ることが出来ます。 例えばオペレーションのムリ・ムダ・ムラや採算性の悪い(良い)製品・顧客が明らかになります。
このABCの情報を用いて行う業務改善や製品・顧客政策、価格政策はABMと呼ばれています。ABMにはさまざまな内容がありますが、その根底にある機能は『経営資源の余剰を合理的に生み出す』です。 例えば活動を分析して重複作業や手待ち時間を削減したり、コストの変動要因(距離、重量、材質等)を分析して搬送時間や加工時間を削減し、余剰資源を生成できます。 また、極端な例では採算性の悪い顧客と手を切ることでその顧客に必要であった生産やサービスのための経営資源を余らせることが出来ます。 価格設定も同様の効果をもたらします。 採算性の悪い製品の価格を上げることで基本的には受注量が低下し経営資源に余剰が生じるという結果となります(それが目的ではないにしても)。 いずれも経営資源の余剰を作り出します。この時、このような施策をどの活動や商品、顧客・チャネルに対して行うことが最も効果的かをABCの情報は教えてくれます。 ただ、問題は生じた余剰資源をどのように処理すべきかということですが・・・。
ABC(ABM)が対象にする人件費や設備費は操業度に関わらず費用の発生する固定費が多いため、 この余剰資源を意図的に削減するか他の業務に振り向けなければコストダウンや売上アップには繋がりません。 ABMを利益につなげて行くには改善と同時にそれによって生じる余剰資源の有効活用に重点を置く必要があります。
また、顧客ニーズの多様化とABCで述べたような背景からオペレーションの効率化を図らなければコストアップが避けられない企業も多いと考えられます。 このような企業においてABMはコストアップの対策として大きく貢献します。ABMは合理的に資源の必要量を削減することが出来るからです。 ただその場合でも余剰資源の有効活用といったことを念頭に置くことで施策の対象範囲やアイディアの幅が大きく広がる事が期待できます。
ABMで経営資源の余剰を合理的に生み出してそれを有効活用するサイクルが出来上がれば、それは企業を高収益性の体質に変化させていく経営手法になります。 作業を効率化や中止してその分顧客満足に繋がる活動を増やしたり、 新製品の生産を行うと同時に採算性の悪い製品の生産を中止するといったことを繰り返すことで収益性の高い企業に移行できると考えられるからです。 ただ、このサイクルにおいて、余剰資源をどのように活用すべきかは戦略的な意思決定によって決定されるべきです。 それは大きな仮説と検証の中で検討されるべき内容のものだからです。
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