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ダウン症とは
【歴史】
ダウン症は、常染色体異常のなかで最も多い疾患です。いろいろな似通った症状が特徴的に見られるので、1866年イギリスの眼科医 J. L. H. Down が独立した疾患として報告したのが症候群としてひとまとめにされたはじまりですが、もちろん、昔からこのような症状を持つ人がいることは文献に現れています。
Downが、本症の特徴のひとつである内眼角ぜい皮とつりあがった眼尻を蒙古人に似ている顔つきとしたことから、しばらくは蒙古症と呼ばれていました。
これは、人種差別的用語であるため、現在は発見者の名前をとって、ダウン症と呼ばれています。その後、1959年になってから、フランスの Lejeuneらの研究者によってダウン症の原因が染色体異常(21番染色体が3本あることから、21トリソミーと呼ばれる)によることが確かめられました。
【ダウン症児の出生頻度】
ダウン症は、出生児のなかではもっとも多い染色体異常です。
一般にダウン症の出生頻度は、民族間や社会、経済クラス間には差がなく、最近のわが国の統計では、一般出生頻度は約1000の1です。
ダウン症の発生頻度は母親の加令とともに増加することは、よく知られています。これは、母親の加令によって卵子形成過程に起こる染色体不分離の増加の結果と考えられています。しかしながら、約80%のダウン症児は35歳以下の母親から出生しています。すなわち、これはもともと35歳以下の妊娠が多いということによっています。
また、過剰な染色体は父親由来のこともあり、母親由来と父親由来の比は4:1といわれています。
【ダウン症の身体的特徴など】
次に述べる特徴は、全てのダウン症児に現われるというものではなく、個人差があり、あまり目立たない場合もあります。
頭を上から見ると、縦の長さが標準に比べて短い。あまり起伏が無い顔だち、鼻、特に目と目の間の部分が低い。眼が切れ上がっている。まぶたが深い二重になっている。耳の上の方が内側に折れ曲がり、丸い形の耳に見える。首の周りの肉付きがよい。指が短い。親指と人さし指のあいだが普通より少し開いている。小指の間接が1つ足らない。手のひらに猿線が見られる。指の文様が弓状である。筋肉の緊張が低下している。知的発達が遅れる。
【合併症について】
これもすべての個体に現われるわけでなく、ほとんど合併症の無い場合もあります。
先天性心疾患(40%)特に心内膜欠損症、消化管の奇形(十二指腸狭窄、鎖こう)、白内症(2%)、急性白血病(1%)、一過性骨髄異常増殖症、環軸間接不安定性(2ー3%)、甲状腺疾患(3%)、点頭てんかん(10%)、眼の屈折異常(近視、遠視、乱視)、浸出性中耳炎など
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