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世界の電子書籍市場を支える携帯&女性向けエロ電子マンガ
本格電子書籍市場の登場で一転窮地に!(COLUMN) 5月末のiPad(アップル)の日本発売を目前にし、電子書籍への注目が、俄然高まっている。 iPadやすでに発売されているアマゾンの電子書籍端末キンドルは画面の大きさが本を読むのにぴったり。無線通信で、好きなときに本を買うことも可能だ。 アマゾンはすでに45万タイトルもの電子書籍を用意しているし、アップルには音楽配信「iTunes」での実績がある。そんな両社が魅力的な端末とともに参入したのだから、本格的な電子書籍時代がいよいよ到来するのかと、期待されている。 あるコンサルティング会社は、2008年に11億ドルだった世界の電子書籍市場が2013年には、41億ドルになると予想し、別の投資銀行は米国での2015年の電子書籍市場は09年度の10倍の3.13億ドルになると推計している。 実は日本はすでに電子書籍大国 電子マンガの市場は400〜500億円 期待の高まるiPadだが、実はその発売を待たずとも、すでに日本はとっくに電子書籍大国である。 その主役はコミック。日本の携帯電話向け電子マンガの市場は、現在400〜500億円にも上るといわれているのだ。 前述のように、世界の電子書籍の市場が10億ドルを少し超える程度だから、その過半を日本の携帯電話向け電子マンガが占めることになる。 そして、その中身はほとんどが、アダルト色の強い作品と言われている。実際に、サイトを見ると、男女間の過激なシーンや、「ボーイズラブ」と呼ばれる男性同士の同性愛をテーマにした女性向けの作品もかなり多い。ライトなタッチで表現されているとはいえ、ほとんどの作品で肉体関係に及ぶシーンが出てきて驚かされる。 作品の見せ方は、ひとつの画面にひとつの漫画のコマが表示され、携帯電話のボタンを押すたびにコマが進んでいく、いわゆる「紙芝居方式」が主流だ。例えば、マンガ1ページに7つのコマがあった場合、7つの画面に分けて表示することになる。 購入層は「20代までの女性が多く、購入時間帯は23?24時前後に集中している」(電子マンガ販売会社関係者)。「これまでアダルト作品を書店で買うのが憚(はばか)られた層が、誰にも見られることなく携帯電話で買えるようになったから」だという。 事前にポイントを数百円から数千円などで購入し、1冊や複数のパックで購入する。料金は加入している携帯電話会社の月額料金と同時に回収されるため、利用者は新たにクレジットカードなどの情報を入力し、会員登録をする手間が省ける。これも市場が拡大した大きな理由だ。 ちなみに、ここでいう携帯電話とは、iPhoneなどのいわゆるスマートフォンではなく、日本の電機メーカーが日本の仕様に則って作る携帯電話のことだ。 これらの携帯電話は外界から取り残され、独自の発展をとげたガラパゴス諸島の生態系になぞらえて、「ガラパゴス携帯」と呼ばれ「ガラケー」と略されてもいる。 つまり、世界の電子書籍市場を支えているのは「日本の20代の女性が購入するガラケー向けエロ電子マンガ」ということになる。 ちなみに、これらのマンガを提供しているのは大手ではNTTソルマーレやビービエムエフ、インフォコム、ビットウエイといった会社で、他にも数社ある。 各社は、通信会社や印刷会社が母体であったり、IT事業が本業である場合がほとんど。既存の紙媒体を扱う出版社から掲載するマンガを仕入れている。 これら以外にはイーブックイニシアチブジャパンやパピレスといった会社が、95年頃からパソコン上で電子漫画を手がけており、日本では草分け的存在といわれている。ただ、iPhoneなどには対応はしているものの、パソコン向けから出発しているせいか、ガラケー向けの紙芝居方式をメインには採用しておらず、新興勢力に押されている感がある。 400〜500億円の市場のうち、前述したガラケー向け紙芝居方式を採用する会社の割合が圧倒的に高いと言われている。 紙芝居方式を読むためのビューワーはほとんどのガラケーに内蔵されているセルシスという会社の「ブックーサフィン」が利用されることが多く、利用のだびにセルシスには数%の手数料が入る仕組みになっている。 頭打ちを打開するには アダルト路線が仇になる ところが、ここに来て携帯向け電子マンガ市場も頭打ちを迎えつつあるようだ。 その一つの理由が、市場の飽和ともいわれている。確かに、限られた層が購入するアダルト色の強い作品が、今後も1000億円単位で増えていくということは考えにくい。また、そもそも市場に投入される作品自体が枯渇し始めているという問題もある。 携帯向け電子マンガは、過去に紙媒体で発表された作品を流用しているケースが多い。 というのも、ほとんどの作者が紙に書いているため、それをデジタル化し入稿するコストや、最終的に読者に届けるための流通プラットフォームなどに渡る各種の手数料を差し引くと、新規に書き下ろした作品だと、赤字になる可能性が高い。そのため、紙媒体で収益をすでに上げているものを2次利用して、ようやく利益が出る。携帯向けに書き下ろすケースもあるが、その場合、「よほど売れないと儲からない」(電子マンガ販売会社関係者)。 過去の作品には限りがあるから、急拡大のなかハイペースで各社が携帯向けに流用すれば、魅力的な作品が少なくなるのは必然かもしれない。 こうした頭打ちの状況を打開するために、各社は、アダルト色のない一般のマンガのラインナップを強化しようとし始めている。 これまでもそうした一般のマンガも、販売されてきたが主流とは言えなかった。しかし、今後はこれまで以上に、大手出版社や著者との折衝に力を入れ、読者層を広げていこうという目論見だ。 だが、その場合、これまでのアダルト路線が徒(あだ)になる懸念がある。 アダルト色が強すぎて有害と認定されてしまうと、携帯電話会社のフィルタリングの仕組みにより、排除され、その会社のサイトが未成年などに見られなくなってしまう。 日本の携帯電話のコンテンツは、モバイルコンテンツ審査・運用監視機構(EMA)という団体の審査、認定を経ないと、未成年の携帯では見ることができないようになっている。一般の漫画を増やし、読者を未成年にまで広げようとした場合、EMA認定は必須なのだ。 NTTソルマーレのように、すでにEMAの認定を受けた会社もある。そうした会社は、一般作品とアダルト作品で、インターネット上での住所にあたる「ドメイン」を別にし、アダルト作品を購入する場合、別のサイトに移り、その際、「リンク先は「EMA認定対象範囲外」となります」などと表記される仕組みで対応している。 一方で、出資者の要請でアダルト色を減らさざるをえないケースもある。 特にベンチャーキャピタルからの出資を受けている会社だ。ベンチャーキャピタルの目的は上場である。情報を扱う会社が上場するためには、アダルトの比率高くてはいけないと言われている。初期段階では、成長のためにアダルト作品を並べたとしても、事業が拡大し上場が視野に入るにつれ、割合を減らす必要があるのだ。 アダルト色の削減は、次の成長のステップに必要ではある。しかし現在の売り上げを支えているコンテンツの減少を意味するだけに、その負の影響も大きい。各社はそのジレンマに苦しんでいる。 加えて、一コマずつ送る紙芝居方式は、一覧性が低く、ページを戻ってストーリーを読み直すことに不向きでもある。登場人物や複雑なストーリー展開を確認しながら読むような骨太な一般マンガが、果たしてガラケー向けの紙芝居方式での鑑賞に耐えうるかという問題もある。 iPhone、iPad向けでもアダルト系の掲載は難しい もう一つ、頭打ちを打開する可能性を秘めているのが、iPhoneなどのスマートフォンや、冒頭で挙げたようなiPadやキンドルのような新たな端末の登場だ。 マンガを楽しむ上で、こうした新しい端末は、画面の大きさを含めてスペックが高く、大きな魅力となる。日本のマンガやアニメは世界で人気を集めているから、翻訳の問題さえクリアすれば、国際展開すら見えてくる。 ただし、ここで問題になるのがやはりアダルトコンテンツだ。 スマートフォンの中には、ガラケーのような携帯電話会社の料金回収代行に対応していないものもある。さらに、iPadのように電子書籍端末の中には、そもそも携帯電話の通信機能が搭載されていないモデルもある。 スマートフォンや電子書籍端末で電子マンガを販売したいのなら、アップルが提供するような決済機能を持つプラットフォームの上で行うのが現実的だ。 ところが、アップルは掲載するコンテンツに対し、審査を行っている。現在のガラケー向けのアダルト色の強い作品は「アップルの審査は絶対に通らない」(電子マンガの編集プロダクション関係者)。さらに、日本のマンガの登場人物の描写は例え大人の設定だとしても「ほとんどの欧米人には子供に見えてしまう」(編集プロダクション関係者)というから、電子エロマンガは児童ポルノ扱いされる可能性すらある。アップル以外でも欧米系のプラットフォームに作品そのものを掲載するのは難しいだろう。 これを避けるためには、例えば、電子マンガのビューワーだけをアプリとして申請して、後に作品を独自のサイトからダウンロードしてもらう方法なら、当面はクリアできるかもしれない。しかし、その結果、アダルト作品が大量に流通し始めれば、いずれはプラットフォーム業者も何らかの規制をかけてくるはずだ。 電子エロマンガの行方は 電子書籍の将来を占う試金石! では、ある程度融通が利きそうな和製プラットフォームの可能性はどうか。 日本国内独自の電子書籍プラットフォームを作る動きには、出版社31社が参加する日本電子書籍出版社協会(電書協)があるが、こちらはどちらかというと文字を中心とした書籍を念頭においており、マンガを扱っている中堅出版社には不参加の会社も多い。 「今後、マンガ版の電書協のような団体を作る動きもでてくるかもしれない」(電子マンガ提供会社幹部)というが、スピード感は期待できそうにない。 かくして、今後はスマートフォンや電子書籍端末上でマンガコンテンツを展開していくには、これまで成長の源泉であったアダルトを隅に追いやるような戦略が求められる可能性が高いのだ。 そして、iPadなどの画面の大きな端末が主戦場となれば、イーブックイニシアチブジャパンやパピレスといった紙芝居方式を採用せず、パソコン向けに紙のマンガの構成を損なわずに提供してきた業者の強みが俄然生きてくる。 すでに、イーブックイニシアチブジャパンでは、手塚治虫や藤子不二雄作品など、一般受けしそうな作品をかなり豊富に揃えている。 こうした状況をみると、今後の勝者は誰になるのか、混沌としている。すでに世界に先駆けて一大市場を築いたガラケー向けの電子マンガ市場だが、皮肉なことに本格的な電子書籍市場の立ち上がりを前に、先が見えない状況に陥っているのである。 さらに、最大の問題はスマートフォンや電子書籍端末が、どれほど普及するかにある。 前述のように、契約数が1億台程度のガラケー向けでも、書き下ろしでは赤字になるというぎりぎりの収支の構造にある。 すでに国内で300万台が普及しているiPhoneだが、「現在の日本でのiPhoneの販売台数では市場としてはまだ小さい」(電子マンガ販売会社幹部)。iPhone上ですら商売にならないものが、はたしてiPad上で花開くものなのか。 世界の電子書籍市場の半分を占める、日本のガラケー向けエロマンガで起こっていることは、本格的な電子書籍時代の到来を占う上で、実は重要な指標となるのかもしれない。 タイで養子554人の子ども手当、申請受理せず 兵庫県尼崎市に住む韓国人男性が、タイで養子縁組したとする554人の子ども手当(年約860 |

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