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楽天、ネット通販即日配送 アマゾンに対抗
全国の主要都市で3年後メド インターネット通販サイト最大手の楽天は、今秋から自社の物流拠点整備に乗り出す。3万2千以上の店舗が出店する仮想商店街楽天市場」の商品を即日配送できる体制を全国の主要都市できる体制を目指す。サーバーだけを持ち、出店企業を束ねるネット通販企業の身軽な事業モデルを転換。自社で物流インフラを抱え、消費者や出店企業向けサービスの利便性を高める。ネット通販世界最大手の米アマゾン・ドット・コムに対抗する。 まず千葉県市川市の物流センターを米系倉庫会社から賃借して、今秋に稼働させる。すでに拠点を運営する子会社の「楽天物流」を設立。賃借面積は倉庫スペースが2万3千平方メートル以上。1日あたり最大10万件の出荷能力を目指す。 3年後をめどに全国5カ所以上に大規模物流センターを開設し、全店舗の商品配送を主要都市でカバーできる体制を構築する。投資額は1拠点あたり十数億円規模になる見通し。 当初は楽天が自社で販売する書籍やDVDなどを取り扱う。年内にも首都圏を対象に、注文を受けたその日に商品を届ける当日配達サービスを15万点で始める。楽天は商品の保管・仕分けなどを担当し、商品配送ではヤマトホールディングスなど物流大手と組む。 楽天はこれまで各店舗の通販サイトを束ねる役割に集中し、在庫管理や商品配送は店舗側に任せていた。自社で物流インフラを抱えることで、配送時間短縮や、異なる店舗の商品をまとめて配送する新サービスにもつなげる。大手配送会社への価格交渉力を高めて運賃引き下げを狙う。 さらに「楽天市場」での買い物を容易にする小型の端末も独自に開発した。商品を識別するバーコードを読み込んで端末に保存。パソコンにつなぐと楽天市場のサイトから、該当する商品を最安値で売る店舗を見つけて購入できる仕組み。試作品は完成済みで、今年秋にも最大で1千台程度を試験的に配布する。 買い物の「入り口」から配送まで一貫して手掛けることで利便性を高める狙い。利用者の反応をみて、事業化を判断する。端末は無償提供するか低価格で販売する可能性が高い。 アマゾンは日本に3カ所の物流センターを持ち、当日配達サービスなどで楽天に先行していた。 09年の「楽天市場」の流通総額は8千億円を超え、08年に比べ2割伸びた。野村総合研究所の予測によると、2009年度に6兆5700億円だった国内消費者向け電子商取引市場は、14年度に11兆9500億円を突破する。楽天は物流効率化などでネット通販の利便性を高めて一段の成長を目指す。 楽天、アマゾンへの挑戦状 インターネット商店街「楽天市場」で日本を代表するネット企業にのし上がった楽天が新たな成長を目指すプロジェクトを始動させた。ネットの仮想空間から飛び出し、商品の受注から配送までのインフラを丸抱えする試み。狙うのはネット小売りで世界最大の米アマゾン・ドット・コムの攻略だ。 4月23日夕。ソフトバンク社長の孫正義が代表理事を務めるブロードバンド推進協議会が「IT(情報技術)による日本復活」をテーマに都内でシンポジウムを開いた。集まった聴衆は約1000人。この日、ゲストスピーカーに招かれたのは楽天の社長、三木谷浩史だった。 ネット企業の枠越える 壇上、孫が隣の三木谷に語りかけた。「国民全体が元気で明るくなれる。そういう日本にしたい」。三木谷も応じる。「世界に例のないビジネスを生むことが重要だ」 日本のIT業界を代表する2人の起業家の出会いはおよそ15年前。孫は世界最大のコンピューター見本市「コムデックス」の買収や、ヤフーの設立など勢力拡大に奔走していた。当時、三木谷は日本興業銀行(現みずほフィナンシャルグループ)の銀行員。担当する最大の顧客が孫だった。脱サラで楽天を設立したのは1997年。ネット普及の波に乗り、三木谷は一介のサラリーマンから同じ舞台で孫と肩を並べるところまで駆け上ってきた。 楽天の2009年12月期連結決算は最終損益が535億円の黒字と過去最高を更新。楽天市場での取引総額は8000億円と前年より2割増えた。 楽天の躍進とともに、三木谷の存在感が膨らんでいる。 2月22日に発足した「eビジネス推進連合会」。ネット関連企業約1800社を会員に、医薬品の通信販売規制の見直しや選挙でのネット利用などを求めて政策提言する。中心的な役割を担う三木谷はその会長に選ばれた。 発足会見と時を同じくして、日本経団連では新会長に決まった住友化学会長の米倉弘昌が記者会見に臨んでいた。三木谷は「既存の経済団体とどこが違うのか」との記者の質問に「レガシーなシステムを引きずる団体とは違う。未来志向だ」と答えた。もはや経団連も絶対的な存在ではないと言わんばかりだった。 楽天は「閉店が目立つシャッター商店街を救済する」との目標を持つ。経営体力のない無名の中小の小売店でも顧客に直に結びつけられる点が楽天市場の革新性だった。さらに、ネットを核にリアルな物流機能と受発注機能を持つことにより、ビジネスモデルの模倣が容易なネットビジネスを脱し、顧客を囲い込む――。それが今回のプロジェクトだ。 将来的には、中小の小売店だけでなく、流通業界そのものを変えるポテンシャルを持つ。いつでもバーコードで最安値品を発注し、即日配送してくれる仕組みがあれば、リアルな店舗は商品を見比べるショールームとして活用するなど、「購買」という活動を変えてしまう可能性を秘める。 今の三木谷には優秀な人材を吸い寄せる求心力もある。世界に通用するプログラミング言語と言われる「Ruby(ルビー)」の開発者、まつもとゆきひろは3週間に1度、本拠地の島根県松江市から東京の楽天本社にやってくる。技術開発の方向性などについて助言するためだ。顧客の購買履歴など膨大なデータを持つ楽天は、コンピューターの未来を考える技術者には魅力的という。携帯電話向けのデータ通信サービス「iモード」の生みの親の夏野剛、家庭用ゲーム機「プレイステーション」を世に送り出した久多良木健も助言役に名を連ねる。 アマゾンの脅威 経営者として順風満帆にみえる三木谷。だが、足元を見ると危うさも漂う。楽天を追い落としかねない勢いで力を増すアマゾンの存在が楽天の先行きに影を落とす。 楽天よりも3年早く米国で生まれたアマゾン。いまや年間2兆円を超える売上高のうち、北米以外が5割に迫り、日本でも存在感が急速に高まっている。書籍では日本の雄、楽天をしのぎ、取り扱い品目は書籍以外にじわじわと広がり、楽天の存在を脅かす。 楽天とアマゾンとの違いは、ビジネスモデルを革新するダイナミズムにある。アマゾンはネット企業という枠にとどまらず、巨大な物流センターを駆使したリアルの配送体制をいち早く構築、さらに電子書籍端末「キンドル」を投入して新たなネットサービスのあり方を示し、メディア業界をも揺さぶる。 一方の楽天はネット商店街の楽天市場に依存したビジネスモデルがベース。物流センターや個人向け端末を用意する新プロジェクトはアマゾン追随ともいえ、ようやく挑戦者の立場に立つとの見方もできる。 アマゾンは物流インフラやキンドルを武器に、今もなお国境を越えた巨大な総合小売業へと進化を続ける。日本で抜群の存在感を誇る楽天も、世界に目を向ければ、限られた市場に安住する小さなガリバーでしかない。手をこまぬいていては、日本での牙城も切り崩されかねない。 アマゾンだけではない。楽天設立と同時期にアップルに復帰した最高経営責任者(CEO)のスティーブ・ジョブズはその後、「iTunes」を世に送り出して、音楽配信の標準を握り、携帯電話でも一大ブームを起こした。今度はさらに「iPad」で電子書籍の販売なども巻き込む勢いだ。 競争は国境を越えて ネットビジネスの巨人たちは革新を繰り返し、世界の覇権を争っている。三木谷も楽天市場依存からの脱却にもがいてきた。 例えば、東京放送(TBS)ホールディングスへの出資。メディアを傘下におさめることで、巷のネットベンチャーとは一線を画す戦略に打って出た。 ここ数年、三木谷はTBS問題にのめり込んで来た。2005年にTBS株式の15%を取得し、経営統合を提案した。しかし、20%弱まで買い進めながら交渉したが、結局、決裂。最近は、この案件について三木谷が発言する機会はめっきり減った。3月30日の株主総会でも株主から質問が出たが、自らは回答せず、他の幹部に任せ、TBSへの興味を急速に失っていることを示した。 同世代で、家族ぐるみの付き合いをする夏野は三木谷の心情を代弁する。「(TBS問題は)完全に区切りがついた。メディアはいらないと思っている」。関心は今、海外市場の開拓に向いているという。「アジアを中心とする海外に楽天のビジネスモデルを本気で持っていこうとしている」 三木谷は取締役会など主要な会議の公用語を英語に切り替えた。取締役の中からは「メンバーは日本人ばかり。わざわざ英語を使う意味があるのか」と冷ややかな声も漏れるが、三木谷は気にしない。10万人のフォロワーを持つミニブログ「ツイッター」も英語でのつぶやきが増えた。 国境のないネットビジネス。世界の巨人たちとの競争に敗れれば、国内での生き残りもおぼつかない。自前の物流センター、個人向け端末を柱にすえる今回の新プロジェクトはアマゾンに対抗し、世界競争に踏み出す第一歩と位置づけられる。 新プロジェクトと同時に進める海外戦略も今後を占う試金石となる。その代表が中国。検索大手の百度(バイドゥ)と組み、電子商取引に乗り出す。検閲を巡って政府と対立したグーグルがサービス撤退を迫られるなど中国にはリスクもある。だが、三木谷は「政府とも良好な関係を築けている」と世界の巨人が二の足を踏む中国市場の開拓に自信をみせる。 日本ではネット企業の主役の一つに躍り出た楽天。さらなる飛躍に向け、グローバル競争の舞台に乗れるのか。三木谷が真価を問われるのはむしろこれからだ。 JVCケンウッド、ビクター創業の地を売却へ 経営再建中のJVC・ケンウッド・ホールディングスは傘下の日本ビクターの創業地である「本社・横浜工場」(横浜市)を売却する方針を固めた。大手運送会社に60億円前後で売却する方向で最終調整している。JVCケンウッドは2008年10月の経営統合後も業績が低迷しており、財務体質が悪化している。聖域を設けず資産リストラを加速し手元資金を確保する。 本社・横浜工場はJR新子安駅の近くにあり、戦前からのビクター創業地で、家庭用ビデオ「VHS」の生産などを手掛けた。現在は倉庫などに活用している。JVCケンウッドの本社ビルもあるが、売却後については移転も含め検討中だ。 同社はこれまでも八王子工場(東京都八王子市)や新橋ビル(東京・港)などビクターの資産を相次いで売却してきたが、業績の回復にはつながっておらず、従業員の士気が一段と低下する可能性もある。今回の売却で得た資金も人員削減などリストラに充てるとみられる。 一方、ビクター傘下の音楽子会社「ビクターエンタテインメント」を売却するためソフトバンクと進めていた交渉は、破談になった。売却額で折り合わなかったうえ、所属アーティストがソフトバンク傘下に入ることに反発したため。過去にもユニバーサルミュージックやコナミなどと売却交渉を進めたが、いずれも破談に終わっている。 家具のイケア、全国に出店拡大 ネット通販も参入 スウェーデンを本拠とする世界最大の家具専門店、イケアが日本で全国展開に乗り出す。九州地区や名古屋市周辺に初進出するほか平均年1店のペースで主要都市に出店する。今秋にはインターネット通販にも参入する方針。消費者の節約志向が高まる中、外資系小売りは世界規模の調達網を生かした低価格戦略や独特の販売手法で存在感を高めている。イケアも価格競争力を武器に攻勢をかける。 イケアグループのミカエル・オルソン最高経営責任者(CEO |

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