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アップル・MS 時価総額の逆転が映す構造変化
米アップルが株式時価総額で米マイクロソフト(MS)を逆転し、世界で最も価値の高いIT(情報技術)会社の座についた。1990年代後半の瀕死(ひんし)の状態からの鮮やかな復活劇。IT需要のけん引役が企業から消費者に移り、技術そのものよりビジネスモデル全体で競うルールの台頭が主役交代を促した。 iPad発売に1200人の行列 5月28日、朝8時前の東京・銀座。アップル直営店に1200人の行列ができた。発売される多機能携帯端末「iPad(アイパッド)」をいち早く手に入れようという人たちだ。「アップルさん、歩道をあけてください。110番に苦情が入っています」。警視庁のワゴン車がスピーカーで怒鳴る。 「10、9、8……3、2、1。ウオー」。開店を知らせるカウントダウンを合図に、店の入り口付近から拍手と歓声が沸く。行列の先頭の人たちから順番に店内に案内される。「iPad、いよいよ日本上陸です」。女性アナウンサーがテレビカメラに向かって宣言した。 アップルの勢いを示す出来事は米国時間の26日に起きた。終値ベースの時価総額が2213億ドル(19兆9千億円)となり、2193億ドルのマイクロソフトを上回ったのだ。マイクロソフトは90年代後半からほぼ一貫してIT分野での時価総額トップを守ってきた。インターネット検索最大手グーグルの攻勢にさらされながらも明け渡さなかったナンバーワンの地位をアップルがもぎ取った。世界のメディアが速報した。 かみついたバルマー氏 真っ先にかみついたのはマイクロソフトのスティーブ・バルマー最高経営責任者(CEO)だ。出張先のインドで記者団に言い切った。「われわれほど収益性の高いIT会社はこの世に存在しない」 その主張は間違っていない。2010年1〜3月期の純利益は40億ドル。同じ期にアップルが稼いだ額より3割多い。手元資金も400億ドルとアップルの1.7倍だ。 とすれば時価総額の逆転はアップルの将来性が評価された結果となるが、ここでカギを握るのは、企業に代わって消費者がIT市場の拡大を引っ張るという構造変化だ。 動画共有のユーチューブ、交流サイトのフェースブック、ミニブログのツイッター。2000年のITバブル崩壊後に生まれ、世界の注目を集める米シリコンバレーの企業群は、いずれも消費者がターゲットだ。収益基盤の確立は道半ばだが、IT人口のすそ野を広げ、IT利用の新たなトレンドを作り出しているのは間違いない。 世界で爆発するネット人口 調査会社によると、世界のネット利用者は16億人を超し、全体の4分の1に及ぶ。中国など新興国の経済成長で今後もネット人口は爆発的に増える。IT市場での発言力を強める消費者の支持を得られるか。ブランドは魅力的か。こうした点をIT企業は無視できなくなる。 そんな「消費者の時代」の先頭を走るのがアップルだ。パソコン市場でマイクロソフトに完敗、極度の経営不振に陥り同社の資金支援を受けたのは1997年。失うものはないとばかりにアップルは創業者のスティーブ・ジョブズCEOのもと、消費者に狙いを定めた戦略に着手する。2001年の携帯音楽プレーヤー「iPod」の発売以降、デジタル娯楽のビジネス基盤を着々と築いてきた。 スマートフォン(高機能携帯電話)「iPhone(アイフォーン)」、iPadとヒット商品が続くが、偶然と片付けられない。デジタル娯楽という軸は全くぶれず、むしろ手堅い経営で事業を広げてきたといえる。アップル製品を使ってユーチューブやツイッターを利用する人も多い。IT消費者の急増で吹き始めた追い風を一身に受けているのが今のアップルの姿だ。 では、マイクロソフトはどうか。 切れ味を欠いた娯楽部門 iPad発売から2時間半後、東京・六本木。マイクロソフト日本法人はワープロや表計算に使う「オフィス2010」など業務用ソフトの説明会を開いた。オフィスはパソコン用基本ソフト「ウィンドウズ」と並ぶ看板商品。世界で5億人が利用する。「皆様の会社の競争力向上に必ず貢献できると思っている」。あいさつに立った樋口泰行社長はダークスーツにネクタイ姿で深々と頭を下げた。 企業向けビジネスで大きな存在感を示す一方、ゲーム機やスマートフォン関連など娯楽部門は切れ味を欠く。1〜3月期の部門の営業利益はウィンドウズの19分の1。25日には部門責任者が退任する体制見直しを発表した。 かつてマイクロソフトはIT盟主の座を米IBMから奪った。大型汎用機からパソコンへとコンピューターの大きさは劇的に変わったが、主な顧客が企業という点では「ビジネスマシン」の域を出なかったといえる。ポスト・パソコンの時代を迎えてもアップルに対抗できるスマートフォンなどが十分にそろわない。消費者ビジネスでの巧拙が株式市場での評価に表れた。 消費者の心くすぐる仕組み 企業向け製品では高機能や安さが重視されるのに対し、消費者向けではデザインや使いやすさが商品力を左右する。ハード、ソフト、サービスをすべて1社で手掛けるアップル方式は、分業が進んできたIT業界では一見、非効率。だが、消費者の心をくすぐる微妙な味付けや、仕組み作りで威力を発揮する。 マイクロソフトのバルマー氏はことあるごとに世界最大規模の研究開発費を自慢する。1〜3月期は22億ドルと売上高の15%を投じた。アップルは4億ドルと売り上げの3%にすぎない。しかしIT会社といえども、研究開発費として計上されるような従来型の技術力だけでは競争力は決まらなくなった。マイクロソフトの悩みは深いかもしれない。 アップルに時価総額首位を奪われた現実をマイクロソフトはどう受けとめているのか。説明会の終了時に尋ねると、樋口氏はしばらく考えてから、こう答えた。 「われわれは企業向け、消費者向けと幅広くビジネスをしている。両方でこれだけ成功している会社はあまりない。消費者向け一点に絞ったところとも戦い続ける。瞬間的に(アップルへの)期待が高まっていると思うが、われわれはやるべきことを粛々とやるだけだ」 2030年のGDP 中国が首位、日本の4倍に 世界の23%、米抜く 内閣府予想 内閣府は28日公表した「世界経済の潮流」の中で、世界の国内総生産(GDP)の8.3%を占める中国のシェアが2030年には23.9%に拡大するとの試算を示した。労働力人口の減少が深刻な日本は8.8%から5.8%に低下、米国は24.9%から17.0%になる。中国は日本の4倍の経済国となり、米国を抜いて世界一の座を占める。 試算は人口の増減や高齢化などを反映した将来の潜在成長率見通しをもとに、世界の中でのシェアを推計したもの。 2000年代に平均10.0%だった中国の成長率は10年代は9.1%、20年代は7.9%になる。20年代に労働力人口が減少に転じることで鈍化するものの、他の主要国に比べて高い成長が続く。インドも成長率は現在の7.2%から20年代に5.7%に減速するが、GDPシェアは2.2%から4%に上がる。 日本の成長率は2000年代の平均1.4%から20年代に0.4%に低下。米国も2.4%から1.6%に減速する。この結果、09年時点のGDPは大きい順に「米、日、中、独」だが、30年は「中、米、日、印」という並びになる。また世界経済に占めるアジアの割合は現在の4分の1から30年には4割まで高まる見通しだ。 先進国の経済が伸び悩む中で、今後のアジアは「世界の工場」から「世界の市場」に生まれかわる必要があると報告書は指摘した。 今までアジアの成長は先進国向けの輸出で伸びてきたが、今後は域内でモノを貿易しあう構造にしていく必要があるとしている。 東アジア諸国でも比較的早く発展を遂げた国々は、人口減少で中印以上にブレーキがかかる見通し。台湾や韓国も成長減速そのものは免れられない。人口減少で先陣を切る日本は新時代のモデルづくりを迫られる。 アジア各国にも、日本と同様の急速な高齢化が控えている。一方で年金や医療など社会保障の整備は遅れ気味。公的年金について経済協力開発機構(OECD)加盟各国は労働力人口の83.3%をカバーしているが、中国は20.5%、インドは9.1%しか対象となっていないという。 日本企業の税負担率突出 成長の足かせに 09年度49%、米英独の20〜30%台を上回る 国際的に見た日本企業の税負担の重さが改めて浮き彫りになっている。2009年度の日本の主要企業の税引き前利益に占める税負担額の割合は49%と、米国や英国、ドイツ企業の20〜30%台を上回った。法人税などの法定実効税率が高いことが主因だ。世界では台湾が法人税率を25%から17%にするなど引き下げ競争が加速している。高負担は日本企業の成長の足かせとなりそうだ。 日本経済新聞社が日経株価指数300の構成企業(銀行・証券・保険除く)を対象に、09年度連結決算を集計した。法人税、事業税、住民税などの企業の税負担額を、税引き前利益で割って会計上の税負担率をはじくと49.1%に達した。 情報会社トムソン・ロイターの調べで、海外主要企業の09年度連結決算から同様の比率を求めると、米国(S&P500ベース)が29.9%、独(DAX30)が34.4%、英国(FTSE100)が36.0%。日本の比率はもっとも高かった。 日本では国税、地方税を合わせて現在、世界最高水準の40.7%の法定実効税率がかかる。米国は約40%、英国は28%、ドイツは約29%で、日本企業の会計上の税負担比率が高止まりする原因になっている。 有力企業の比較でも、ホンダの43.7%に対し独フォルクスワーゲンは27.7%にとどまるなど日本勢の高負担は鮮明。韓国勢は法定税率が24.2%と低く、サムスン電子が18.6%、鉄鋼大手ポスコが14.3%など税負担率も低い。 世界の製薬大手などはシンガポールなどの低税率国の優遇税制を活用、税負担率を低く抑えている。こうした戦略でも米欧勢が先行、世界最大手の米ファイザーの税負担率は20.3%と武田薬品工業の27.8%をさらに下回る。米企業全体では税負担率は法定実効税率を10ポイント程度下回る。 法定税率の差だけではない。新日本製鉄、JFEホールディングスの固定資産税の負担は200億〜300億円に上った一方、「韓国の有力鉄鋼メーカーは固定資産税などがきわめて軽い」(日本鉄鋼連盟)という。「せめて競争条件は平等にしてほしい」(宗岡正二・新日鉄社長)との声も出ている。 税負担は資金流出を招き、投資余力の差に直結する。ソニーの税負担率(過去5年平均)は46.5%と、サムスンの同16.2%を上回る。仮に韓国並みの法定税率なら、過去5年で約1800億円の余力が発生したと試算できる。サムスンは10年に約2兆円(約26兆ウォン)を設備投資と研究開発に投じる計画。ソニーの10年度はその3分の1の水準にとどまる。 性描写規制の改正案「否決」 都議会民主党が表明 子どもを性行為の対象にした漫画やアニメを規制する東京都青少年健全育成条例の改正案について、都議会最大会派の民主党は28日、都が撤回しなければ6月の定例議会で否決するとの意向を表明した。 石原慎太郎知事はこれまで、改正案で規制範囲とされる18歳未満の登場人物「非実在青少年」の概念が分かりにくいため修正すべきだと発言。しかし、28日の記者会見で「撤回する必要はない」と明言した。 民主党と生活者ネットワークは同日、「提出者自らが不備を認める議案は撤回し、あらためて責任の持てる案を提出すべきだ」と石原知事に文書で求めた。 独自の修正案を提出しても自民や公明の賛同が得られないと判断しており、都議会民主党の大沢昇幹事長は「いったん更地にして議会と議論した方が最善の条例をつくる近道だ」としている。 電書協、iPad向け電子書籍の閲覧ソフトを今秋公開 出版社31社が参加する「日本電子書籍出版社協会」(代表・ |

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