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米IT、クラウドにらみ買収合戦
【シリコンバレー=岡田信行】米IT(情報技術)大手各社が、インターネットKN経由で機能やソフトを提供する「クラウドコンピューティング」の普及をにらみ、積極的なM&A(合併・買収)に乗り出した。パソコン大手のデルとヒューレット・パッカード(HP)が繰り広げるストレージ(外部記憶装置)メーカーの争奪戦では両社が27日、買収提示額の再引き上げを発表。豊富な手元資金を武器に各社は成長戦略を加速している。 デルは27日、クラウドに不可欠な高性能ストレージの開発を手掛ける3PAR(スリーパー)に対し、1株当たり27ドル、計18億ドル(約1520億円)での買収を提示した。これに対しHPも同日、1株30ドルへの再引き上げを発表。デルが16日に3PAR買収を発表した後、両社は買収提示額の引き上げで競っており、デルの対応が注目される。 デルやHPは価格下落が激しいパソコンへの依存度を下げ、ITサービス企業への脱皮を推進。データ処理や記憶に不可欠なストレージ技術の取り込みを目指して3PAR争奪戦を繰り広げている。 半導体大手インテルが19日に発表したセキュリティーソフト大手マカフィーの買収は、買収金額が約76億8000万ドル(6500億円)に上る大型案件となった。パソコン向け半導体で一時代を築いたインテルは、マカフィー買収で同社のセキュリティー技術を取り込み、世界的にネット接続の主役がパソコンから高機能携帯電話や多機能携帯端末にシフトするなか、半導体の販路や事業の幅を広げたい考えだ。 このほかにも、HPが6月に音楽配信のメロデオを買収。7月にはグーグルが旅行関連ソフトのITAソフトウエアを買収するなど、クラウドを活用した事業を強化するためのM&Aも相次いでいる。 米IT大手がクラウド分野で積極的なM&Aに乗り出す背景には同市場の急成長がある。米調査会社ガートナーによると、2010年の世界のクラウド分野の市場規模は前年比17%増の683億ドル(5兆7850億円)を見込む。IT市場全体の伸びは5%程度にとどまる見通しで、クラウドの急成長は群を抜く。 ガートナーによると、クラウド市場は14年には09年に比べて2.5倍の1488億ドル(12兆6000億円)に拡大する見通し。米IT大手は金融危機後の業績回復が早く、積み増した手元資金を武器に昨年後半ごろからM&Aを積極化している。成長が期待できるクラウド分野を軸に買収が相次ぐ構図がしばらく続きそうだ。 日銀、週明けにも臨時会合 追加緩和決定へ 資金供給の拡充、軸に 日銀は週明けにも臨時の金融政策決定会合を開き、追加の金融緩和を決めることで最終調整に入った。米国経済の減速懸念を背景にした円高・ドル安に歯止めがかからず、日本経済の回復基調にも影を落としかねないとの判断に傾きつつあり、資金供給の拡充が欠かせないとみている。週明けには菅直人首相と白川方明日銀総裁の会談も予定されており、政府・日銀が一体となって円高阻止に取り組む姿勢を強調する。 日銀は9月6〜7日に定例の金融政策決定会合を開く予定だが、市場の混乱を抑えるためにも、早期に決断することが必要との見方が強まっている。政策委員の間では円高の国内景気への影響を見極めたいとの声も残る。円高・株安基調が一服すれば、定例会合まで結論を持ち越す可能性もある。 具体策としては、期間3カ月の資金を政策金利(現在は0.1%)で金融機関に貸し出す「新型オペ」の総枠を、従来の20兆円から30兆円以上に拡大することや、期間を6カ月に延ばすことなどを軸に協議する。 菅首相は27日、急激な円高について「必要なときには断固たる措置をとる」と述べ、円売り・ドル買いの為替介入を辞さない姿勢を示した。日銀の白川総裁が30日に米国から帰国した以降に首相官邸で会談することも明らかにし「機動的な金融政策の実施を期待する」と追加的な金融緩和策を求める考えを示唆した。政府は円高・経済対策の基本方針を31日に決定する。 東京・大田区の中小企業を視察後、記者団に語った。急激な円高の進行に関しては「為替市場の過度な変動は経済・金融の安定に悪影響を及ぼすもので、重大な認識を持っている」と語った。 経済対策を巡っては(1)円高や海外経済の減速などによる「景気下振れリスク」に対応する(2)政府が6月にまとめた今後10年間の新成長戦略を前倒しし、即効性があり需要・雇用創出効果の高い施策を実施する――などと説明。具体策については「できる限り速やかにとりまとめる」と具体的な時期には言及しなかった。 政府は30日に「新卒者雇用・特命チーム会合」を開き、若者の失業率を抑えるため、新卒者を中心とした就職支援策もまとめる予定だ。 大型書店、丸善とジュンク堂が1年半で10店 大日本印刷(DNP)の傘下にある書店チェーン大手、丸善書店とジュンク堂書店(神戸市)は共同で2012年1月までに売り場面積が3千平方メートル前後の大型店を10店出店する。共同ブランドの店を中心に首都圏や地方の県庁所在地を中心に新設する。同時に300平方メートル程度の小型店数店を閉める。電子書籍や書籍のインターネット通販の拡大で書店経営は厳しさを増している。このため販売効率の高い大型店で生き残りを目指す。 9月2日に共同ブランド店「丸善&ジュンク堂書店」の1号店を東急百貨店本店(東京・渋谷、3630平方メートル)で開業する。その後、広島県、福岡県、福島県など全国で順次開設。近隣に両社の店舗がない地域では共同ブランドで出店するが、近くに丸善ブランドの店舗がある場合はジュンク堂を単独で出店するなど、両社で調整しながら効率良く市場を押さえる考えだ。 ジュンク堂は大型店が中心であるのに対して丸善書店は300平方メートル程度の小型店を15店前後抱える。このため丸善書店の小型店を対象に閉鎖を検討する。閉鎖数は10店未満のもよう。両社合計の店舗面積は14万1240平方メートル。10店の新規出店と小型店数店の閉鎖で、売り場面積は最大で現在よりも20%程度広がる見込み。総投資額は最大約100億円(書籍の購入費用含む)の見込み。 丸善が書店事業を分社化して設立した全額出資子会社の丸善書店とジュンク堂は11年2月にDNP子会社のCHIグループにぶら下がる形になる。2社は同グループで大型店を柱に経営規模を拡大し、販売効率を高めると同時に取引条件の改善を進め、低迷する書店事業をてこ入れする考えだ。 丸善書店とジュンク堂の合計の店舗数は80店で年間売上高は約800億円。一般消費者に店舗を通じて販売する書籍に限定すれば、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が展開する「TSUTAYA」(店舗ベースの売上高で約900億円)に次ぐ業界2位の規模となる。 出版科学研究所(東京・新宿)によると、書籍・雑誌の09年の推定販売額は前年比4.1%減の1兆9356億円。一方、調査会社のインプレスR&D(東京・千代田)によると、09年度の電子書籍の市場は前年度を23.7%上回る574億円となった。書籍のネット通販も拡大を続けている。このため大半の書店チェーンは経営改革が急務になっている。 ネット通販・電子書籍浸透、中小書店の経営厳しく 書店は淘汰が進んでいる。出版社のアルメディア(東京・豊島)によると、2010年5月時点の全国の書店数は前年同月比3%減の1万5300。この10年で見ると3割減少した。 一方、店舗の大型化は進み、売り場面積は4678万9400平方メートルとこの10年で15%広がった。「経営基盤の弱い中小書店の閉鎖が増える中、品ぞろえが広く、効率的な店舗運営ができる大型店が増えているため」(アルメディア)という。 今後も中小書店の経営は厳しくなるのは確実。電子書籍の需要が拡大の兆しを見せているうえに、米アマゾン・ドット・コムに代表される書籍のネット通販が勢力を拡大し、書店のシェアを奪いつつあるためだ。 もちろん丸善やジュンク堂はDNPと協力して独自の電子書籍販売サイトを10月にも立ち上げるなど、電子書籍への対応も進めている。ただ、書籍や雑誌を購入する消費者が現時点で最も多いのは本業の書店で、経営をおろそかにはできない。このため一気に大型化を進め、中小店のシェアなどをつかむ考え。競合他社も大型化を進めるのは必至で、書店の淘汰が加速しそうだ。 東京市場、「自ら上場廃止」広がる 株式新規公開も低迷 東京証券取引所から姿を消す上場企業が増えている。年初から8月27日までの上場廃止は予定分も含め47社と、4年続けて70社を超える可能性が強まってきた。自社や親会社が自ら上場廃止を申請する例が多い。投資家から批判の多い「親子上場」が解消される面がある一方、新しい企業の株式新規公開(IPO)が増えなければ、東京市場の地盤沈下がいっそう進むことになる。 ■維持コスト年1億円 「少数株主のいる上場子会社へのガバナンス(企業統治)という(従来の)スタイルが問題の発見を遅らせた」 27日にメルシャンの完全子会社化を発表したキリンホールディングス。三宅占二社長は記者会見で、不正な循環取引が発覚したメルシャンの企業統治改善に取り組む決意を強調した。 キリンHDだけではない。パナソニックやキヤノン、日立製作所……。理由は異なるが、子会社の上場廃止によりグループの経営改革を加速する大手企業が増えている。 企業のオーナーがMBO(経営陣が参加する買収)を実施する例も目立つ。 「上場廃止は将来を見据えた戦略の一環。社員の士気が落ちないように部下によく説明してほしい」。給食最大手の日清医療食品がMBOでジャスダック上場を廃止する方針を発表した8月12日、村田清和社長は幹部を集めてこう呼び掛けた。 村田社長ら発行済み株式の過半数を握る同社の創業一族は「上場を続ける意味があるのか」と自問自答してきた。大型の設備投資の計画はなく、上場を続けて市場から資金を調達する必要はない。一方、海外での投資家説明会など上場維持コストは年間1億円を超えており、上場のメリットとデメリットを比較した上での決断が市場からの退出だった。 ■5年連続2ケタも M&A(合併・買収)助言のレコフによると、MBOによる株式非公開化は2000〜05年は年1〜6件だったが、06年以降に増加。日清医療食品をはじめ今年は既に5社が発表しており、5年連続で2ケタに達する可能性がある。 企業は非上場になることにより、短期の利益を求める投資家の圧力からは解放される。経営者が長期の視点で資本政策や事業戦略を見直しやすくなる。 ただ非上場企業の再公開やベンチャー企業の新規上場が進まないと、株式市場は全体として活力を失いかねない。東証の上場会社数はピークだった07年6月から119社も減少している。 日本を素通りして韓国や台湾などアジア市場での上場をめざす国内新興企業も出ており、日本のIPO市場が回復する兆しは見えない。 「親子上場の解消など企業統治の改善は続けるべきだが、これ以上上場廃止の動きが続くと、東京市場の空洞化が進みかねない」。市場を去る企業を複雑な思いで見つめる東証関係者も多い。 3D年末商戦に各社本腰 ソニー、対応10商品を投入 電機メーカー各社が3D(3次元)関連の製品投入を本格化させている。ソニーは26日、3D対応のブルーレイ・ディスク(BD)録画再生機や液晶テレビなど計10商品を9〜12月に順次、投入すると発表した。3Dテレビは、薄型テレビの販売台数に占める割合が7月時点で1%強にとどまっており、本格普及に至っていないが、各社ともソフトがそろい始める年末商戦に照準を合わせ、3D商品の普及を押し上げたい考えだ。 「ソニーは上位機種だけでなく、普及価格帯も3D化していく」 同社の石田佳久・業務執行役員SVPは同日開いたBD製品説明会でこう述べた。この日発表した冬モデルのBD録画再生機は全6機種 |

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